「ポリコレの波動を感じる」シュガー・ラッシュ オンライン 家元さんの映画レビュー(感想・評価)
ポリコレの波動を感じる
トイストーリー4やアナと雪の女王2と構成が非常によく似ていると感じました。
ここ数年のディズニー作品は「自由に生きる女性は素晴らしい」をテーマに含むことが義務付けられているのでしょうか。
結論ありきでストーリーを進めるため、前作までのキャラクターの人格は無視してしまうのがセオリーなようです。
「王子様を代表とする優秀な男性の庇護下に入ることが女性の幸せである」という古い価値観に反発することが最近のトレンドなのでしょうか。
「おしとやかな女性」のイメージを捨てたいあまり、ヒロインの人格が身勝手で傍若無人なものに書き換えられています。
少なくとも前作のヴェネロペは、自分がゲームを壊してしまったことを素直に謝罪することができるし、迷惑をかけた挙げ句に自分のゲームを捨てて蒸発するなんて真似はできるはずがありません。
ラルフについても、「強くてかっこいい女性」のシャンクと対比する形で「弱くて情けない男性」としての役割を与えられてしまっています。
女性の人生を妨害する「無自覚なヒール男性」として描くためだけに、ヴェネロペの生き方を尊重していたはずの人格を完全に奪われています。
ポリコレ表現に利用されてしまったヴェネロペとラルフがあまりにも不憫です。
作り手の思想よりも、キャラクターの人格を尊重してくれたら私はとても嬉しいのですが。
インターネット世界の表現や映像は素晴らしい作品でしたのでこの評価です。
「ディズニープリンセスがたくさん出てきて嬉しい♡」としか感じない"ディズニーが大好きな女性"にとってはもしかしたら面白いのかもしれませんね。