「ラルフ派? ヴァネロペ派?」シュガー・ラッシュ オンライン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ラルフ派? ヴァネロペ派?
最近のディズニー・アニメの中でもお気に入り、『シュガー・ラッシュ』の続編。
本当は劇場で観る予定だったが、お金と時間の都合が付かず…。
なので、レンタルを待っていた。
非常に面白かった前作。
その前作を、イマジネーションも内容もハラハラドキドキ大冒険も、軽く超えてきた。
天晴れ!…なくらい、今回もまた非常に面白かった。
今回の話のメイン。インターネットの世界へ!
これまで様々な世界を具現化してきたが、ディズニーの手に掛かればインターネットの世界も。
カラフルで近未来チックな世界観。
実在の企業やアイコンも数多く登場。
インターネットあるあるの“検索”“別ページへ飛ぶ”“広告”“通販”なども視覚化し、本当にユニーク!
インターネットの説明も小難しい文章ではなく、こういう風だったら分かり易い。
アニメだからこそ出来る。
遊び心もたっぷり!
冒頭から前作同様、馴染みあるゲームキャラたちが登場。
さらに、インターネットの世界では…
前作から6年。某スペース・オペラや某ヒーロー・スタジオがディズニー作品になったり傘下に入り、あのキャラこのキャラの姿が。
多分、一回見ただけでは分からないほどまだまだ居る筈。これらは再見してじっくりと。
話題の一つが、歴代ディズニー・プリンセスの大集合!
古くは白雪姫から一番最近だとモアナまで、こりゃ確かにスゲー豪華面子!
驚きは、ほとんどのプリンセスの声を、字幕も吹替も当時と同じキャストが担当している事。吹替だとラプンツェルやエルサやアナやメリダ(彼女だけ正確にはピクサー・プリンセス)はビッグネーム。
この粋な演出、
ドレスじゃなくカジュアルな服装に着替えてぶっちゃけトーク、
また、ヴァネロペがある超過激なゲーム世界でディズニー・プリンセスよろしくミュージカルしたり、
今回のディズニーさん、パロディー&攻め過ぎてます!(笑)
すぐにでも2万7001ドルが必要なラルフとヴァネロペ。
ここはインターネットの世界。お金を稼ぐ事だって出来る。
超過激なレース・ゲーム“スローターレース”である車を手に入れろ!
カリスマ・レーサーのシャンクは“ワンダー”なくらいの美貌とカッコ良さで、字幕も吹替も人選はぴったり!
レトロ・ゲームのキャラのラルフにとってこの過激ゲームの世界はおっかなくて堪らない。しかし、ヴァネロペは…。
インターネットの世界とは言え、そう簡単にお金を稼げない。
次は動画サイト“バズチューブ”へ。
ラルフはおバカ動画にチャレンジして、換金出来るハート集め。
本当にインターネットの世界は何でも出来る。
その一方、人の醜い面も。
ラルフは辛辣なコメント世界へ足を踏み入れ…。
インターネットの世界だからといって、誰かを傷付けるような悪質極まりない暴言/誹謗中傷を言っていい訳がない。
あなた自身が悪いんじゃない、彼らが悪いだけ。
ネット世界の闇も突く。
面白味や遊び心やメッセージ性もたっぷりあれど、やはり本作はラルフとヴァネロペの友情物語。
そもそものインターネット世界への冒険の始まりは、ラルフがヴァネロペの為に良かれと思ってやったものの、それがかえって裏目に…。
ヴァネロペと共に元の世界に戻りたいラルフは、インターネット世界に一大危機を起こしてしまう…。(このシーンの大量の○○○は、ディズニー・アニメ初のR指定レベルの気持ち悪さ!)
親友を思う気持ちは、時に相手の重荷にも…。
それが原因で喧嘩して、でもまたそれがきっかけで相手をさらに思いやり、仲直りして…。
凸凹友情物語に、ほっこり。
前作は採点4・5。レビュー冒頭で前作を軽く超えたと言っておきながら、今回は採点4。と言うのも、最後がちとしっくり来なかった。
ネタバレチェックを付けるので、ズバリ触れるが…
自分のゲーム世界にマンネリを感じているヴァネロペは、“スローターレース”に大興奮し、魅了され、この世界に留まる事を決意する。
確か、自分のゲーム世界=自分の家に戻るまでが話の始まりだった筈なのに、突然主題が変わったような…?
それに、例えばスーパーマリオが自分のゲーム世界に飽きてストⅡの世界で生きていきたいってなったら、それってどーなのよ…!?
勿論、新しい世界へ踏み出す事は素晴らしい。
でも、平穏な生き方だってそう悪いもんじゃない。
ゲームに例えて言うなら、ファミコン/スーファミのマリオを隅々まで飽きるほどやったが、それでも何度やっても楽しい。
本作は、マンネリだが平穏な生き方もいいが、夢や自分の進みたい世界へ…という、それぞれなのかも。
あなたはラルフ派? ヴァネロペ派?