「サブ要素が本筋を凌駕する映画」シュガー・ラッシュ オンライン てっぺいさんの映画レビュー(感想・評価)
サブ要素が本筋を凌駕する映画
ディズニープリンセス達やゲームのキャラ達が映画の本筋に勝る存在感。泣ける2人の友情物語も見もの、ネットの世界観の映像表現の的確さにアハ体験連発。
◆概要
「シュガー・ラッシュ」('12)の続編。アナとエルサ、シンデレラら多数のディズニーキャラクターが登場。監督は、前作も手がけた「ズートピア」のリッチ・ムーアと、フィル・ジョンストンによる共同。フィルは前作同様脚本も務めた。
◆ストーリー
ヴァネロペが暮らすアーケードゲーム「シュガー・ラッシュ」が故障、廃棄処分の危機に陥る。シュガー・ラッシュを救うべくゲームの世界から飛び出した彼女と大親友のラルフは、インターネットの世界に足を踏み入れるが……。
◆感想
「レディ・プレイヤー・ワン」を凌駕する登場キャラクターの豊富さ。それのより女性が楽しめる映画と言えるかも知れない。アナやエルサ、白雪姫にベル、モアナにアリエル…“別のスタジオの子”と称される(おそらくピクサーのキャラ笑)ものも含め14人のプリンセスが集結、サブキャラながら活躍する様が、映画の本筋でないながら強烈なインパクト。加えて、前作でも登場したゲームのキャラ(スト2からソニックに至る日本オリジナルのキャラまで)もしっかりとした存在感。バーでリュウが「昇龍拳」とつぶやいた一瞬をもちろん聞き逃してはいない笑!俯瞰の画に入ると、色んなキャラに目が行って疲れてしまうほど笑、キャラ探しが楽しくなる。
また「オンライン」の副題ならでは、実在のネットで目にする大企業がズラリと並ぶのも見もの。GoogleやYouTubeはもちろん、FacebookやInstagramにSnapchat、数えだしたらキリがないので、まとめサイトででも後で確認してみたい。
さらに、ネットの世界で目にするあんな事やこんな事の映像表現が、気持ちよく頭に届く。Google社エージェントがヴァネロペの話すキーワードを食い気味に返すテキスト予測だったり、ネット広告の煩わしさがまさに煩わしいキャラクターで表現されていたり、広告にミスタッチしてしまう細かい表現や、おもしろ動画にハートを送る心理描写まで…ネットあるあるのちょっとしたアハ体験ができる。
とそこまで本筋でない部分がたくさん書けるほど、まさに盛り沢山な内容。ヴァネロペとラルフの新しい形の友情が芽生えるとても素晴らしい内容で、手を振り別れる2人のシーンにホロリ。さかのぼれば、「ベイビー・ドライバー」を彷彿とさせるヴァネロペとシャンクの壮絶なカーレースシーンにも圧倒される。(ちなみに字幕版ではシャンクの声を「ワンダーウーマン」のガル・ガドットが担当しているということで、次回字幕版での鑑賞決定)
興奮冷めやらぬうちに書きなぐった感想で支離滅裂になってしまったけど、ヴァネロペとラルフの友情が美しいし、ネットの世界の映像表現が的確だし、それを凌駕するサブ的要素がてんこ盛り。映画やディズニーが好きな人にはどハマりする事間違いなしの映画だと思う。