「とにかく楽しい‼️でも意外に深い!【追記あり】」シュガー・ラッシュ オンライン 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく楽しい‼️でも意外に深い!【追記あり】
【追記】(2019.1.1)
「友達が違う道を選び、友人関係が変化することがなかなか受け入れられない」
このテーマ自体は割と古くからあり、卒業や就職と同時に離れ離れになる、結婚と同時に友人関係が変化していく、など色々な形で描かれてきたベタなテーマと言えなくもない。
なぜ、ディズニーが改めてこのテーマを分かりやすく、大がかりに描いたのか?とても気になり、年末年始の休みに考えてしまった。
たぶん、自立と依存心について、今一度考えるべき状況だからなのだと思う。
今まで漠然と、欧米人に比べて日本人の方が精神的に自立しきれていない大人が多い、と思っていたが、最近観た『マダムのおかしな晩餐会』などを観るとそうでもないようだ。
子供が成人してもなお自分の助けが必要だ、との思い込みが抜けず就職活動にまで干渉してしまう親、定年後の人間関係においても現役時代の肩書きや元一流企業勤務であったことでしか自分を語れない人。自分の存立基盤を子どもや肩書きに頼ることなく確立してる人を自立したオトナと呼ぶのだとしたら、オトナとして自立できない人は総じて『他者依存症』で、意外と多い。
アメリカ映画では、よくセラピーの場面が出てくるが、依存症の人は実に多様で、アルコール、セックス、ドラッグなどは普通。ゲームやインターネット・スマホなどの依存症が更に一般化し、最近では、大統領がなんとかしてくれると盲信し、健全な思考が停止してしまうトランプ依存症と呼んでもいいような人まで加わった(ような気がする)。
人間としての振る舞いについて考えるときに、自己の良心とか倫理観に照らして悩むよりは、自分にとって受け入れやすいある種の思想に委ねてしまった方が楽である。
共感を得ることばかり考えていつの間にか自分の言葉が薄っぺらくなってしまうこと、自分が満たされるために結果的に友達を窮屈にしてしまうこと、自分の不満や吐け口のなさを正当化するために過激思想(もしかしたら、悪魔崇拝などもその変形種のひとつ)に身を委ねてしまうこと。
トランプ大統領をきっかけとして、自己抑制を放棄、思考を停止し、安易で過激な他者の論理や思考に乗ってしまう人、つまり自身の考えで判断することを捨て依存しやすい他者の思考に委ねる人が増えていることへの危機感と警鐘の意味も込められた作品、という捉え方もできるのではないか。
年末年始にそんなことを考えてしまいました。
(追記はここまで)
前作を知らなくても大満足。
特にプリンセス関連の導入部や会話の展開などの構成が素晴らしく、それぞれのプリンセス固有の背景を常識的な範囲で知っていればそれだけでひとつの短編として楽しめるほどです。
意外な驚きとして感じたのは、ディズニーにはプリンセスのイメージを守るためのある種のコードのようなものがあるのだと思い込んでたのですが(例えば宝塚の現役スターがお笑いバラエティーで下ネタをしてはいけない、みたいな)、製作スタッフの裁量がかなり認められているということです。
今後は、プリンセスのアベンジャーズ化のような作品も出来たりするのでしょうか?
ラルフの複製の直接的な原因はウイルスですが、巨大な邪悪の集合体に育ててしまうのはあくまでも人間の弱さや利己的な淋しさ(子離れできない過干渉な親などもそうです)なのですね。
そういえば、シン・ゴジラのラストシーンの尻尾における人型の集合体も映画の中で明確な解答は示されていませんでしたが、ある種の状況に追い込まれた人間の怨念(少なくとも愛とか思い遣りとは違う側に属する感情)の集合体の象徴のように描かれていました。
インターネットという広大な世界では自分一人の影響なんてたかが知れてる、と無責任に発する心ない言葉が知らぬ間に取り返しのつかない巨大な邪悪(社会的抑圧、ネガティブな同調圧力)となって、健全な良心が働くような社会的システムの機能不全や罪の無い人間の破滅をもたらすこともある、ということかもしれません。
琥珀さん、浮遊きびなごです。
返信ちょっと迷っていましたが、
折角なのでやはり一言御礼だけ。
お気遣い大変ありがとうございました。
年末よりは調子戻ってきましたが、気合の入った
レビューはまだ書く余裕がない感じですので、
まあ……マイペースで行かせていただきますね。
それではまた別の機会に!
浮遊きびなごさん
明けましておめでとうございます。
月並みですが、体調を最優先なさってください。私も思いついたら忘れないうちに書くことが多いので、返信等にお気を遣われることなく、ご自分のペースでくれぐれもご無理なさらないでください。
琥珀さん、浮遊きびなごです。
毎度毎度返信が遅くなってしまい本当にすみません。
年末年始の休みで帰省していたのですが、行事やら
で忙しかったのと体調崩したのが重なってしまいました。
>人の悩みは軽重比較するものではないし、意味が
>ありません。他人からは贅沢な悩みと言われる
>ようなこともきちんと捨て置かずに描くこの
>シリーズの魅力の一端だと思います。
全く同感です。
他人が笑って済ましてしまうような些細なことも、
人によっては人生を左右するような大きな悩みに
なり得たりします。軽重じゃなく個人個人の
縮尺の問題として考えるべきだと常々思う訳です。
ピクサーアニメはコミカルだし毎回エンタメとして
の完成度も高いですが、一番の魅力はキャラクター
ひとりひとりがしっかりと“生きて”いて、その悩みを
ないがしろにせず、しっかり寄り添ってあげている
作り手の姿勢だと思っています。
レビューに追記されているよう相手に自分の
気持ちや願いを押し付け過ぎない姿勢が大事……
とは思うのですが、自分の場合はあまりに相手の
都合ばかりを考えて何も出来ないという場合が
実生活で少なからずあるので、人との距離の
取り方というのは計りづらいものです……。
さてさて新作『シュガーラッシュ:オンライン』の
レビューも書きたいのですがまるで筆が進まず……
ここ1,2ヶ月は体調も気持ちもてんで調子が悪くてですね……
まあ去年は去年、今年は今年ということで、
遅くなりましたが明けましておめでとうございます!
琥珀さんの2019年が良い年になることを祈っております。
それではまた!
琥珀さん、初めまして! 浮遊きびなごと申します。
『シュガー・ラッシュ』へのコメントありがとうございました!
2つもコメントいただいておきながら
返信遅くなってしまい申し訳ございません。
年末の業務でバタバタのガタガタでして……。
レビューお褒めいただいて嬉しいです。
本作の楽しさとかを少しでも伝えられていたなら
自分としても書いた甲斐があったというもの。
『シュガー・ラッシュ:オンライン』は自分も
鑑賞しましたが、前作に引き続き秀作でしたね!
ネットの怖さ楽しさだけでなく、ネットを自分の
可能性を探る広い世界に見立てて子離れ親離れの
物語に落とし込んでいるあたりも流石の着眼点。
自分も仕事が落ち着いたらレビュー書きたいです。
今今はレビュー書く元気が無いのですが……読む元気は
かろうじて残っていたので、琥珀さんのレビュー
にざっくりとですが目を通させていただきました。
経済や社会がもたらす個人への影響、といった
視点が他の方々と比べても特徴的と感じたのですが、
そういう冷静な視点の一方で、映画の登場人物の
感情にしっかり寄り添うようなレビューも多い。
その辺りに共感を持てました。『この世界の片隅に』
や『怒り』のレビュー等は特に優しく素敵でした。
長文になるのは僕の悪いクセなのでこの辺で。
返信お気になさらず! それではまた!