「盛りだくさん! ただ……」シュガー・ラッシュ オンライン ユージーンさんの映画レビュー(感想・評価)
盛りだくさん! ただ……
インターネットの世界を存分に生かした、遊び心満載な作品でした。「レディ プレイヤー ワン」と似た楽しみかたができそうで、ディスク化が今から楽しみです。
インターネットという、広大な世界でのあるあるには、思わずくすくすと笑ってばかりいました。元ネタがわかると、楽しさもひとしおですね。とくに、あの絵画教室とか、ミュージカル部分があの映画のオマージュだったりとか。
そういったギャグセンスに関しては、とても満足な出来だっただけに、終盤のストーリーには、違和感というか、少し残念な気持ちになりました。
というのも、
ペネロピ(ヴァネロペ)の最終的な決断が、ほかのゲームへのターボ(前作参照)になっていたからです。
もちろん、前作の敵キャラのように無理やりほかのゲームに割り込むのとは違い、ペネロピはそのゲームのキャラクターたちに歓迎されています。
しかし、あれではペネロピが、元の世界であるシュガーラッシュを見捨てたように受け取れてしまうのです。しかも、それをだれも咎めていません(ラルフは、止めようとしてはいましたが、それは別れに対する寂しさからの行動であり、タブーを犯すことへの制止ではありませんでした)。
それならば、いっそのこと、アーケードゲームとして徐々に過去のものとなりつつあるシュガーラッシュを、オンラインの世界で蘇らせよう! といった展開にもっていったほうが、より自然な結末になったように思います。
ラルフが動画サイトで行なったように、ペネロピという存在を現実世界の人間たちに認識してもらい、シュガーラッシュのオンライン化を熱望させる。
そして、「シュガーラッシュ オンライン」というゲームが新たにでき、「スーパーマリオメーカー」のように、ゲーマーがコースを自由に作れる、といった感じにすれば、もっとハッピーなオチになったのではないでしょうか。
この違和感さえなければ、素直に傑作だと賞賛できたのですが……。
それとも、
もしかして、
この違和感は、次回作への伏線?