「曇り、雨のち晴れ、そして」生きてるだけで、愛。 xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)
曇り、雨のち晴れ、そして
生きてるだけで、ほんと疲れる。
ほんとにそんな風に思ってた時もあったな。
だから、週末が早く来ないか。週末になったら、自分は姿を消すことができるのだから。ところが土曜日になると、朝起きられない。起きる力が出ない。起きようという意識はあるのだが、まだ、時間はある。まだ午前中じゃないか、とかごまかしていた。そんな週末が続いた。
だけど、ヤスコはハッピーなんじゃないか?
だって、わけがわからなくなると、「壊す」「怒鳴る」「走り出す」ことができるのだから。自分の場合、深く沈んでいた。
力が出ない。慣性の法則はなんとかクリアしていたけど。
ただ人の目はとても気になった。「あいつ、なんてダメなやつなんだ」と思われているだろうと」いう意識が働いていた。
なんとも苦しかった。誰とも話したくない。話してもろくな話にはならないよ、あなたにとって無駄な時間になっちゃうよと。
それが、ある日、突然、晴れの日がきた。
人と話している、軽いジョークを交えてる。
そんな自分に気がつく。なんとも穏やかな気分。
視線を空に向ける。すると風が頬をなでた。いい気持ちだった。
なぜ、そうなったかはわからない。
でも晴れの日は来るのだ。
曇りや雨が続いたのだが、晴れの日もやって来るのだ。
自分が動いたのではないけれど、地球は回っているから、自分を含め、なにかが動いたと言えるのでは、と思う。
また、雨や曇りがくるだろう。少しこわい気がする。そんな時、自分がどうなるかはわからない。それでも、また晴れる日が来るってことだけはわかった気がする。
ヤスコはそれを一瞬だと言った。一瞬でも分かち合えればいいと言った。
その一瞬が長く続くことを祈っている。
深い曇りや激しい雨があるから、晴れの日はより美しいのだと思う。