劇場公開日 2018年11月9日

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「こんな不器用な愛の形もあるのですね...」生きてるだけで、愛。 ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5こんな不器用な愛の形もあるのですね...

2018年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作未読。躁鬱病と過眠症で社会復帰もままならない主人公・寧子(趣里)と、コンパで知り合った雑誌編集部勤務の津奈木(菅田将暉)の奇妙な同棲生活を描いた恋愛ストーリー。普通だったら、寧子のような女性は面倒臭いだけで誰からも遠ざけられてしまうだけなのでしょうけれど、津奈木は彼女の喜怒哀楽の感情の爆発に嫌な顔もせず淡々と付き合う、何とも不思議なカップル。一体彼は寧子のどこに惹かれたのか、作中での彼の語りを聞いても雲を掴むようで良く分からないのですが、ひょっとしたら、お互いに変な干渉も無く、無頓着でいられることが良かったのかも知れません。彼女は自分のことで精一杯で、意に沿わない仕事で疲労困憊で帰宅する彼にも全く無関心。でも変に心配されたり、気を遣われたりすると、それはそれで彼も苦手なのかも知れません。ですから彼らの関係が本当に恋愛と呼べるものかどうか、最後まで私には良く分かりませんでした。何か不器用な者同士の共同生活に過ぎないようにも見えてしまって... でも、明るい希望とは全く無縁に見える彼らですが、少なくとも二人で一緒にいる限りは、密やかな安息場所を守って行けそうな感じがして、観終わって何かふと安堵のようなものを感じたのでした。

ホワイトベア