フェリーニに恋してのレビュー・感想・評価
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フェリーニ映画が人生の扉を押し開けてくれる物語
この巨匠の名は様々な思いを喚起させる。親しみの湧く人もいれば、逆に敷居の高さを感じる人もいるだろう。本作の題名を前に、さぞや専門性の高い知識が求められるのでは、と躊躇してしまう人もあるかもしれない。だが心配ご無用だ。本作はむしろビギナー向け。人がフェリーニ作品にいちばん最初に心奪われ、恋をする瞬間を映し取った映画と言っていい。まるで『アメリ』を意識したかのような世界観、人生観を生きる少女が、生まれて初めて自分の殻を突き破り、恋してやまないフェリーニに会いにローマを目指す・・・そのはずが、旅は思いがけない展開に。全編にフェリーニの名作映像を散りばめ、主人公の少女自体が、ボーダーのシャツやあどけなさなど、『道』のジェルソミーナを思わせる風貌を持つ。それをあざとく思うファンもいるかもしれないが、「フェリーニが人生の扉を開いてくれた」との思いだけは共有できるはず。しんみりと暖かいラストも胸を打つ。
夢中
二本立て二本目。 ウブな主人公に首ったけ。よくもまあこんなピュアな...
大切なものは近くにある
☆☆☆★★ 《 It' a Wandaful Life 》 ジェー...
☆☆☆★★
《 It' a Wandaful Life 》
ジェームス・スチュアートは悔いを残しながらも、周りの人達の暖かさに支えられ敗残者にはならずに済んだ。
とは言え。チャンスは待つよりも、自らが掴み取るモノでも有る。
一念発起でクリーブランドへ行った彼女。ふとした事から【ザンパノ】に導かれ、或る1本の映画と出会う。
その映画こそはフェリーニの名作『道』
かくして、彼女はジェルソミーナとなりイタリアへ。
一応はフェリーニの諸作品が、度々画面上に映るので、あまり戸惑う事は無いと思えるのですが。
マンガーノのシルヴィアと、マストロヤンニのグイド擬きとゆう人物が加わり。『甘い生活』と『8 1/2』を併せた様な退廃的なパーティー場面が展開される。
交互に元ネタが画面に提示されるとは言え。流石に、事前にフェリーニの『甘い生活』と『8 1/2』を観ていないと、意味は分からないかも知れないですね。
やがて舞台はベニスへ。
フェリーニでベニスと言えば『カサノバ』だ!
稀代の女たらしことカサノバ。
『カサノバ』こそは、その女性遍歴を不毛な愛として描き。それを宇宙の真理に行き着いたかの様に描くフェリーニの宇宙論にさえ思えた大作だった。
だからこそのなのか?この地での逆説的に運命的な彼との出会い。
でもこの時のラブシーンは、どう観ても。子供の時に母親と一緒に観ていた『ロミオとジュリエット』ですけどね。
この彼こそは『道』に於けるイルマットにあたる訳なんですが…。面白く観ていたのはこの辺りまでだったかなあ〜。
個人的に『フェリーニの道化師』や、『フェリーニのアマルコルド』『フェリーニのローマ』…と言った、他にも沢山有る大好きなフェリーニ作品の要素が無いのも、残念だったところでしょうか。
ところで《ブルーラグーン》ぐらいは、何故『青い珊瑚礁』で表示しなかったのかな?
母親とおばさん曰く「ソフトポルノ」だから?
そんな事を言っちゃったらブルック・シールズが可哀相だわ。
でも5回もアカデミー賞に輝きながら。「フェリーニって誰?」って言われちゃうよりも、まだましかなあ?
2018年3月21日 恵比寿ガーデンシネマ1
🇮🇹
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