カツベン!のレビュー・感想・評価
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「人生にも続編があってもえぇ」
周防監督らしい小気味よいウィットさと、程よいビター感、飛ばし過ぎない程度のスピード、悲しさも薄めで、今の映画界での適正作品としての位置を担っている内容となっている。ストーリー展開も突拍子もなく、“活動弁士”という映画史をフィーチャーする優等生振りであり、キャストとして一番の注目株の男優、実力をつけてきた俳優陣、いつもの周防組に欠かせない人達と、バランスも又絶妙である。“安心・安全”というキャッチフレーズをそのまま貼り付けたい程である。正統な伏線と回収、破綻の無さと、義理人情という日本人が大好きな“レガシー”をベースに、そして因果応報をきっちり落とし込み、逃げ得やピカレスクを許さない質実剛健な脚本演出は、まるで“寅さん”作品そのものであろう。観客の大部分を占める団塊世代の生活に余裕のあるおじさんおばさん達には無理なく鑑賞できる内容である。
まぁ、スクリーンじゃなくても、近いうちにテレビでも観られるだろうと容易に予想できると思えば、貴重性は皆無だが…。
人情ドタバタ喜劇
まあまあ面白かったですよ。
サイレント映画の時代の話。
日本だけ独特の文化が
楽しいね!
お客さんを知恵と工夫で楽しませてる
って事でしょうか。
キャラメルの味
って思いやり?
個人的に、、
井上真央が目立ってたなぁー
いいわー
もうちょっと笑えると思ってました。
出演者がすごい豪華なので
もうちょっと破茶滅茶時代劇なのかな?
と思って見に行きましたが
クスクス程度だったなーってのが
リアルな感想です。
いろんな都合がいいことは
映画だしまあいいとしましょう!
場所も時間も適当そうだしさー
でもね…
僕が1番嫌いなシーンは
ラストのシーンです。
独房でカツベン?あれは
偶然面会に行ったら偶然
あの聞きたかった怪盗Z的な
カツベンをしてる?
な訳ねーだろ
キャラメルを際立たせたいが為の
演出なんだろうけど
その為に偶然に偶然が重なったのですー
みたいな?
あれだけはキライだったな〜
あとすごく音尾さんが
楽しそうにやってたので
幸せでした。
ベタをベタなりに丁寧に
わかりやすいコメディーでした。
個人的にベタベタなコメディー部分が観ていて古くさいなーってところもちらほらありましたが、役者の力と、おそらく切り取る画の上手さなんだろうな。
楽しめました。
とはいえ、やはりドタバタしているくだりは、長ったらしいな、というのが正直な感想です。
走って逃げた方が早いじゃんってツッコメてしまうのは残念でした。
けれど、一つのシーンを見ただけで、周防監督の作品だな、とわかるのって、素晴らしいですね!
そんな監督って、日本にどれくらいいるんだろう。それを許容する制作会社って、どれだけあるんでしょうね。
すばらしかった
ストーリーが面白くてサスペンス性もとっても楽しかった。映画が今とは違って、芝居の延長線上にある時代の感じがする。もうちょっと早く見れていたら年間ベストに入れていたかもしれない。今年見た日本映画では一番だ。ただ、残っていたフィルムをつないで作った映画はあんまり面白くなさそうだった。主人公は、刑事さんの粋な計らいで無罪になると思っていたら、しっかし投獄されていて驚いた。
残念極まり、なくもなくもなくも無い。ってどっちやねん?
脚本は好き。色んなところが、ちょっとづつ「残念」なんだけど、BitterなHappy End がムチャクチャ好み。
脚本/監督補の片島章三さんを不勉強ながら知らなくって。サバイバル・ファミリー、ちょっと今から仕事やめて来る、ウォーターボーイズ等々、多くの作品で助監督を務められた方なんですね。現場からのたたき上げ。この脚本も長年、構想を温めていたんじゃないかと想像したりして。ストーリーそのものは大好物です!
先に不満だった点を挙げて行きます。
✕ 子供パートのあざとさ・わざとらしさ
子役さんで話を進めるパートは鬼門。ホントに。多くの映画で。男の子のセリフはココロ入ってないし、女の子は話しながら目が泳いでるし。もちっとどうにかして。
✕ 女優陣
ごめんなさい。井上真央も黒島結菜も好きなんです。可愛いやないですか。ホントに。でも、あえて、はっきり言わせてもらうと。ミスキャースト!井上真央の顔が小林聡美に見えてしまうし、黒島結菜、顔、黒すぎるし。演技そのものには、文句はありませんし、良かったです!あくまでもビジュアルの問題。
✕ 大正時代に見えへん問題
しょうがないですよね、こればっかりは。駅の雨どいがプラスティックってのはありえへんし、道路の側溝のコンクリートの肌が綺麗すぎたり。
あとは良かったとこ。
◎脚本
とにかくラストが好き。また、二転三転のストリーと来れば、ともすれば人格設定があやふやになってしまう日本脚本が多い中。成田凌のキャラがぶれずにちゃんとしてたのが良かった。全体的に捻り過ぎず、サラサラと頭に入ってくるところも好き。
◎男優陣
もうね、全員。良かった。と言うか、三の線の竹野内豊、最高です。と言うか、射撃の腕前、すご過ぎひん?
〇黒島結菜可愛い
自己矛盾してるやん、俺w いや、ミスキャストでも何でも、可愛いことは可愛かったので。梅さんっすよ。梅さんw なお、大正な感じに結いあげた髪型は、全く似合わない模様。
基本はコメディ。大笑いはありませんが、ニヤニヤで楽しく見てられます。劇場で流れる無声映画の登場人物も、それなりに笑かせてくれるし。ですから、ラストも「芝居がかったハッピーエンド」かと思ってました。それが、「ちょい苦」で希望を感じさせるハッピーエンド。なんか、ここだけフランス映画的でw
久々の周防作品、と言う目で見ると、相当肩透かしを食らうかも知れません。映画としての完成度はスッカスカかも知れません。でも、不思議と嫌いになれない映画でした。
好き。結構。
まさかここまでとは・・。
子ども時代の描写が出だし、期せずして映画に出演してしまう、というのは抜群と思うが描写が鈍重でまずここで乗れない。基本はコメディにはずだが泥棒に加担してしまう枷が重く乗れない。が中盤成田凌が活弁士としての巧さを発揮するあたりは好調で俄然面白くなる。ドロドロした足の引っ張り合いではなく活弁で勝負、という話の方がシンプルで面白かったのではないだろうか。おそらくここが一番問題なのだがクライマックス部分の整理がうまくできてなくてテンポも悪い。登場人物が皆頭が悪いというのはどうなのか。本来一番面白くないといけない最後の活弁が全く面白くないのでは話が成立しない。成田凌も黒島結菜ら若手や高良健吾の嫌らしい悪役ぶり、井上真央の意外なワルもいいのだがベテラン陣の助演は上手く使われていない。音尾琢真の憎らしいだけの敵役もどうなのか。ああしたらならこうなら、と思わせる展開なのは厳しい。周防作品でこんな感想を書かないといけないとは思わなかった。面白くなる要素がいっぱいあると思うのだが結果的にはそうはならなかった残念作。
日本の映画の歴史において
本当のサイレント時代は無かった!
っちゅー最後の文章に驚きました!
活弁士が生まれた歴史も知りたいなぁと興味を持ちつつ、ストーリー中に流れる映画に登場する有名俳優達を探すのも楽しかったです!
やっぱり草刈民代!(笑)
周防版ニュー・シネマ・パラダイス
公開日翌日に観ました。
「シコふんじゃった。」や「Shall we ダンス?」は好きだけど、周防フリークではないので、正直あまり期待していませんでした。
ですが、予想以上に楽しく、映画が終わっちゃうのが残念なくらい、ずっと観ていたい作品でした。
感想を以下の4点に分けて書きます。
1. 映画についての映画
2. 黒島結菜の輝き
3. 成田凌のカツベン
4. 周防組の活躍
1. 映画についての映画
主人公の俊太郎(成田凌)は、タイトル通り活弁士。
騙されて窃盗団の片棒を担がされるも、活弁士で人を楽しませることに貪欲。
偶然手にした大金にもあまり興味を示さず、苦境の映画小屋に就職。
実力も試されず、雑用係に甘んじても、映画感を楽しみ、腐らない。
代役で活弁するチャンスを得ると、実力を発揮し人気者に。
個人的に好きだったのは、何度も観ている活動写真のはずなのに、俊太郎の活弁に涙する館主(竹中直人)と映写技師(成河)。
日々映画に触れていても、決して不感症にならず、活弁士の語りに惹き込まれる。
映写技師が編集の切れ端を、宝物と嬉々として語る姿も、映画愛に溢れてる。
映画に関する映画は、映画人にも響きやすい。
「Nuovo Cinema Paradiso (ニュー・シネマ・パラダイス)」も「The Artist (アーティスト)」も、アカデミー賞で評価された。
自分も、映画愛に溢れた時間を、堪能しました。
2. 黒島結菜の輝き
自分も男なんで、初恋の想い出は美しく、再会するヒロインも美しくあってほしい。
その意味で、梅子の少女時代を演じた藤田りんかは完璧。
今後の活躍が楽しみ。
成長した梅子を演じた黒島結菜も、キラッキラッでした。
彼女を最初に観た「アオイホノオ」の津田ヒロミでは、あまりの可憐さにキュンキュンでした。
「ごめんね青春!」で転校しちゃう中井貴子も、「一番電車が走った」の運転少女も、「いだてん」のおてんば富江も、めっちゃ良かった。
何より「アシガール」の熱血ヒロインには打たれました。
とんでも何ちゃってSFだけど、ヒロインの
と、単なるファン目線かもしれませんが、本作の黒島結菜さんも、理想的なヒロインでした。
3. 成田凌のカツベン
男なんで、成田さんにはあまり思い入れがありません。
何なら、まことしやかな女性遍歴の噂に、嫉妬してたりします。
ただ、そんな雑念とは無関係に、本作での活弁には聴き応えがありました。
本職の方のパフォーマンスにあまり触れたことがないので、相対的な評価はできないけど、活動映画好きの新人活弁士の到達点としては十分リアリティを感じました。
彼の活弁力があってこその作品。
周防監督が褒めているとおり、大役を十二分に果たしていました。
4. 周防組の活躍
一連の周防コメディには欠かせない面々の活躍も、嬉しかったです。
館主夫婦は「Shall we ダンス?」でもパートナーだった、竹中直人と渡辺えり。
竹中さんは、いつも程やり過ぎていなかったけど、「月夜の蟹」リスナーとしては、元気な姿を観られるだけで嬉しいです。
野田MAP「Q:A Night At The Kabuki」の二役変化ぶりも圧巻でした。
えりさんは、登場時間こそ控えめでしたが、終盤の大立ち回りが愉しい。
徳井優さんのダメっぷりも好演でした。
それ以外にも、脇役の豪華キャストぶりに、周防作品の人気を伺えました。
と、周防フリークでないと言いながら、やっぱ周防喜劇のファンみたいです。
寡作の監督ですが、社会派の作品もいいけど、やっぱまた青春コメディが観たいです。
日本独自の映画文化に触れられる
予告に釣られて鑑賞
周防監督の作品はShall We ダンス?
くらいしかほぼ観ておりませんが・・
感想としては
十分面白かったです
日本の映画創生期の雰囲気を
落ち着いて再現された大正デモクラシーな世界観で
味わうことが出来ました
成田凌さんと黒島結菜さんの主人公ヒロインも
フレッシュで良かったです
活弁士という仕事は知っておりましたが
日本にしか無かったとは知りませんでした
厳密に言うとサイレントトーキーは
日本には無かったと言うことになるそうです
伴奏も生演奏
100年前の映画は4DXだったんですね
聞くところによると公開時に併売される
映画パンフレットというのも日本だけだそうで
結構日本独自の映画文化って深いんだなと思いました
撮影風景も音を取らないので映像だけに集中していたり
当然レフ板もないので自然光任せだったりなど当時の
感覚に触れるシーンが見られました
ただ全体的にはそういうシーンより
いつものドタバタコメディ的展開に向いていき
ありきたりな映画として終わっていってしまう
所がやや勿体ない感じがしました
そんなに乱闘シーン長くやる必要ある?
というところがちらほら
年末公開の娯楽寄りにしてしまった感が
ありあり
それよりもっと活動写真の当時の作り手側の
シーンに触れても良かったんじゃないかなと
山本耕史や池松壮亮の演じた実在の映画人達の
エピソードをもっと盛り込んでもと思いました
名のあるキャストが無駄遣いされていくのが
周防作品お馴染みの身内キャスティングもあって
目に付いてしまうのかな
たぶんこの年代を懐かしがって見る人はもう
年齢的にそう映画館来れないと思いますし
今の人には非常に新鮮に感じるテーマだと思いますので
もっと冒険しても良かった気がしますが
十分おすすめ出来ます
活劇も笑いも涙も活弁の語りも愉しめる極上の一篇
映画黎明期の大正時代。
活動弁士になることが夢の少年・俊太郎、憧れの弁士は山岡秋聲(永瀬正敏)。
月日は流れ、青年になった俊太郎(成田凌)は活動弁士になったものの、それは窃盗団のお先棒担ぎ。
いわば騙りの弁士で、弁士だけにカタるが商売・・・
といっているうちに、警察に目を付けられ、逃げる途中で一味の金を持ち逃げする羽目になった俊太郎。
逃げ込んだ先は、傾きかけた劇場(コヤ)・・・
といったところからはじまる物語で、喜劇らしい喜劇、活弁も活劇も笑いも涙もみんな詰まった映画。
こういう映画は近頃珍しい、さすがは周防監督!
と思ったが、この企画、周防監督自身の企画ではなく、永年助監督を務めていた片島章三が書いた脚本が先にあったとのこと。
周防監督自身は、「昔は、サイレント映画は、サイレントで観るものと思っていたのですが・・・ 日本には真のサイレント映画はなかった、なぜなら、活動弁士がいたから、という稲垣浩監督の言葉で、なるほどと腑に落ちた」と言っています。
で、これまでの周防監督作品だったら、未熟な活動弁士が一流の活動弁士になる・・・というようなストレートな映画になっていたかもしれないのですが、世は既に活動弁士の役割にも陽が翳りつつある頃。
弁士たちは気づいていないけれども、映画の文法・モンタージュも醸成され、「観ていればわかる」映画が出始めて来た頃(それに気づき、スタイルを変え、人気が凋落するのが山岡秋聲なのですが)。
なので、一流弁士となったとしても、それだけでめでたしめでたしとはならない・・・・
ということで、活劇も笑いも涙も活動弁士の語りの芸も愉しめる作品と相成った。
あとは観てのおたのしみ。
お楽しみはこれからだ、ということで、劇場でごらんください。
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