「残念極まり、なくもなくもなくも無い。ってどっちやねん?」カツベン! bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
残念極まり、なくもなくもなくも無い。ってどっちやねん?
脚本は好き。色んなところが、ちょっとづつ「残念」なんだけど、BitterなHappy End がムチャクチャ好み。
脚本/監督補の片島章三さんを不勉強ながら知らなくって。サバイバル・ファミリー、ちょっと今から仕事やめて来る、ウォーターボーイズ等々、多くの作品で助監督を務められた方なんですね。現場からのたたき上げ。この脚本も長年、構想を温めていたんじゃないかと想像したりして。ストーリーそのものは大好物です!
先に不満だった点を挙げて行きます。
✕ 子供パートのあざとさ・わざとらしさ
子役さんで話を進めるパートは鬼門。ホントに。多くの映画で。男の子のセリフはココロ入ってないし、女の子は話しながら目が泳いでるし。もちっとどうにかして。
✕ 女優陣
ごめんなさい。井上真央も黒島結菜も好きなんです。可愛いやないですか。ホントに。でも、あえて、はっきり言わせてもらうと。ミスキャースト!井上真央の顔が小林聡美に見えてしまうし、黒島結菜、顔、黒すぎるし。演技そのものには、文句はありませんし、良かったです!あくまでもビジュアルの問題。
✕ 大正時代に見えへん問題
しょうがないですよね、こればっかりは。駅の雨どいがプラスティックってのはありえへんし、道路の側溝のコンクリートの肌が綺麗すぎたり。
あとは良かったとこ。
◎脚本
とにかくラストが好き。また、二転三転のストリーと来れば、ともすれば人格設定があやふやになってしまう日本脚本が多い中。成田凌のキャラがぶれずにちゃんとしてたのが良かった。全体的に捻り過ぎず、サラサラと頭に入ってくるところも好き。
◎男優陣
もうね、全員。良かった。と言うか、三の線の竹野内豊、最高です。と言うか、射撃の腕前、すご過ぎひん?
〇黒島結菜可愛い
自己矛盾してるやん、俺w いや、ミスキャストでも何でも、可愛いことは可愛かったので。梅さんっすよ。梅さんw なお、大正な感じに結いあげた髪型は、全く似合わない模様。
基本はコメディ。大笑いはありませんが、ニヤニヤで楽しく見てられます。劇場で流れる無声映画の登場人物も、それなりに笑かせてくれるし。ですから、ラストも「芝居がかったハッピーエンド」かと思ってました。それが、「ちょい苦」で希望を感じさせるハッピーエンド。なんか、ここだけフランス映画的でw
久々の周防作品、と言う目で見ると、相当肩透かしを食らうかも知れません。映画としての完成度はスッカスカかも知れません。でも、不思議と嫌いになれない映画でした。
好き。結構。
僕もすごくいいラストだったと思います。囚人を含めて、俊太郎の語りに聞き入っている様子は、浅田次郎の天切り松闇がたり(本の方)を彷彿とさせる感じがしました。「二人の未来に幸あれ」。