カツベン!のレビュー・感想・評価
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周防監督、あふれんばかりの映画愛
無声映画に活動弁士が語りを入れるというスタイルが、日本独自の文化だというのは、恥ずかしながら初めて知った。単にストーリーを説明するだけでなく、作品を一層面白くしたり、場合によっては映像をまるで違う文脈に変えてしまったりと、活動弁士の魅力と創造的な要素が作中でもしっかり描かれる。
成田凌をはじめ、永瀬正敏、高良健吾ら弁士役のキャストは、相当な期間を発声や独特の話し方の訓練にあてて準備したという。おかげで、彼らの演技はもちろん、「声」そのものの響きや調子も耳で楽しめる作品になった。
周防正行監督が本作に注いだ情熱、映画愛も尋常でない。劇中に白黒映画が10本ほど登場するが、すべて今作のためにシーンを撮影。そこに出演するのも過去の周防作品で主演した草刈民代や上白石萌音というぜいたくぶり。こだわりぬいた映像に、表現力豊かな俳優の声もあわせ、ぜひ環境の整った映画館で鑑賞してほしい娯楽大作だ。
面白い題材と、締まりのないストーリー
まず、冒頭の20分近くある子ども時代がいらない。
たんすのやりとり、おっかけっこの際の細かなやりとりなど、随所で繰り返しが多いのもだんだん疲れてくる。
せっかく題材が面白いのに、ストーリーに締まりがなくてもったいなかった。
若き活動弁士の青春奮闘記
本作の見どころは、主役の成田凌の言葉を魔法のように巧みに紡ぎ出す、個性的で魅力ある滑舌の活動写真(無声映画)弁士[カツベン]振りである。ここだけでも一見の価値のある作品である。これ程、弁士が映画に活力を与えるとは想像できなかった。
チャップリンの無声映画は観たことがあったが、弁士付きの無声映画は観たことがなかったので、無声映画における弁士の役割の大きさに驚かされた。声優、ストーリー展開をするナレータくらいだと思っていたが、本作では、無声映画の作風、良否を決めてしまうキーマンだった。観客との距離が近いので、舞台劇のように観客からの容赦ない生の評価を受けることになる。
本作の舞台は、大正時代。主人公・染谷俊太郎(成田凌)。彼は、子供の頃から活動写真の弁士に憧れ、ものまねをしていた。大人になった彼は、意に反して偽弁士として、泥棒一味に加わって生活していた。なんとか一味を抜け出した彼は、ある街の映画館に雇われる。そこには、個性的な人間達が集っていた。人気のある凄腕弁士・茂木(高良健吾)がいたので、最初は雑用係だったが、ある時、弁士をやるチャンスが訪れる・・・。
序盤、終盤は緩慢なストーリー展開だが、中盤は、面白くて見応えがある。弁士同士の競い合い、確執に、恋愛模様も加わり、ハラハラドキドキする展開もあり、それらを上手にまとめて、コミカルな味付けにしている。小気味良く物語が進んでいく。
様々な弁士が登場し、腕前を披露してくれるが、流暢な喋り方は職業柄、当然と言えるが、言葉の豊富さに圧倒される。堂々とした自信に満ちた佇まいは、完全に劇場を仕切っている。無声映画を操っている感がある。特に主人公の弁士振りには魅入ってしまう。
本作で、弁士の喋りに、声を出して一喜一憂している観客の姿は映画鑑賞の原点である。現代の映画鑑賞はマナー重視であるが、もっと観客が素直に反応した方が、より映画を楽しめるのではと感じた。
これは映画に対する温故知新ではない。講談とか、漫才、落語のような芸能に繋がる話しだと思う。
これは映画に対する温故知新ではない。講談とか、漫才、落語のような芸能に繋がる話しだと思う。さぁ、この話が本当か?作り話か?それは知らないが、日本映画が『説明が多い理由』なのかもしれない。と言うよりも、セリフの過多で、映像の解釈の自由を奪っていると思う日本映画の多くは。『サイレントの時代が日本にはなかった』と、最後にこの映画は締めくくるが、僕はそれを問題視する。それが日本映画を衰退に追い込んだ根本的な理由かもしれない。
この映画はドタバタ過ぎて面白くないし、1925年の出来事だから、いくらフィクションとは言え、主人公が出てくる頃は、日本は戦争に突入していて、映画どころでは無くなっている。従って、映画に対する温故知新など感じるわけもない。
映画の邦題が『説明文』見たくなるのもこう言った事が過去にあるからかもしれない。兎に角、この映画は、日本映画が世界の映画の歴史からは大きく外れる理由を説明していることになる。また、興行主が反社会的集団なのはうなずける。
チャップリンはトーキーが嫌いだったそうである。つまり、日本には純粋なサイレントの時代がなかったのだから、日本映画をチャップリンは嫌っていたかもしれない。しかし、チャップリンは、親日家で歌舞伎を好んでいたそうである。
さて、歌舞伎は正にセリフではなく、動きである。日本文化は元々はそういった文化だったのかもしれない。
取り戻そう日本文化!
地味だが味のあるドタバタコメディ系。舞台は大正かな?主人公の活弁と...
地味だが味のあるドタバタコメディ系。舞台は大正かな?主人公の活弁として語り方は流暢な喋りやよく通る声で人気活弁と言うのも違和感がない。
主人公が恋愛映画の活弁をした時、恋愛映画なのに面白おかしくコミカルにしてしまったのを見て作中の「映画を面白くするのは活弁だ」もいう台詞に納得できた。活弁なんて存在したことも知らなかったけど無声映画の時代には映画を支える大切な役割だったことがわかる。
喜劇を現代で再現
トーキーから抜け出したようなドタバタコメディ
全てのキャスティングが良かったです
成田さんは悪役やってもまだいい人感があり、最後は幸せになって欲しいと思わずにいられませんでした。
カツベン士、似合ってました
高良くんも怪しさ倍増で芝居が似合ってました
モノクロ映画を時折混ぜ、そこから飛び出したカラー撮影現場ではつい笑いました
竹野内豊さんの髭刑事も熱血漢ありコメディ感もあり珍しい役どころでしたが、上手くこなせたのではないでしょうか?今後にも期待です
キャラメル味の映画
活動弁士とは、ユニークな題材(そもそもこんな職業があったとは知りませんでした)。
周防監督らしい、ほのぼのとしたコメディ映画で楽しかったです♪
個性的なキャラクターたちが 魅力的ですし、それを演じる豪華俳優人もサスガでした。
黒島結菜さんという女優をはじめて知ったのですが、可愛らしいですね。
監督のイメージを役者がしっかり形に。
活動弁士の役者さん達はどれだけ鍛えて撮影に臨んだのでしょうか。
それぞれがしっかり役を落とし込んだ上で、活動弁士としても成立していたように感じます。
監督がイメージしたものを、しっかりと役者さんたちが形にしてくれているのではないでしょうか。
こういう映画を見ると、話題作りとしか思えない意味不明なキャスティングをし続ける「豪華キャストによる超大作」アニメ映画って本当にどういうつもりなのかと思ってしまいます。
話を戻しまして、ストーリーや展開も非常に引き込まれるもので、楽しめました。
ど素人としては、ラストはシンプルにハッピーエンドにならないものかなと思ってしまいますが…
あとは山岡さんの役回りがちょっとわからなかったかなと…
活動写真そのものへのリスペクトがあって、弁士の必要性に疑問を感じ、弁士が主役であるかのように振る舞う他の弁士に嫌悪感を持ち、挙句勝手に笑い物に仕立てる國定に対しては、実力は認めていても、そのやり方には疑問を持っていたはず。
それが最後のつぎはぎ公演を推す立場になるということは、写真へのリスペクトではなく、単純に弁士の存在意義を求めていただけなのか…?
映画の黎明期
弁士と言っても古舘さんのプロレス実況やアニメの声優さん風のアテレコ演出もあり若い人達にも直感的に分かるようにしています。
実際は人形浄瑠璃や講談のような話芸文化が下地にあってこそ、まさに和魂洋才を地でゆくような日本ならではの映画鑑賞法を編み出したのですね。
しかし、弁士次第で喜劇にも悲劇にもなってしまうのは困りもの、海外の監督が知ったら冒涜だと怒ったでしょう。
今でも語り草のカツベン士としては、間(話の間隙)の天才と言われた徳川夢声さんや喜劇を得意とし後に新東宝の社長になった大蔵貢、自死した須田貞明(黒澤明の実兄)など個性豊かな人が多かったらしい、本作にもモデルはいるのでしょうが昔過ぎてわかりませんでした。
プロットは映画小屋が取り持った幼馴染の梅子と俊太郎、その再会のロマンスにやくざな興行主一家の悪行を絡めたドタバタ・コメディといった感じ、演出も時代背景と溶け込んでどこか往年の斎藤寅次郎の長屋喜劇を思わせる懐かしさを醸し出しています。俊太郎役の成田凌さんも熱演でしたが子役の牛尾竜威くんも上手かったですね。
個人的にはもっとストレートなハッピーエンドでほのぼのしたかったのですが梅子が女優として夢を叶えられたなら俊太郎としては身を引くという浪花節、確かに「ラ・ラ・ランド」ではありませんが悲恋の方がロマンティック、周防正行さんの感性としてはありだったのでしょう。
劇中映画もそれ風に撮影という凝りよう、映画の黎明期を描いた力作でした。
カツベンどこで見られるかな?
民生さんのファンなんですけどね、あっ監督の奥さんの民代さんじゃなくて歌を唄う奥田さんですよ
基本的には「追いかけない」「捜さない」「気にしない」ってな感じなのでいつも突然彼と出会うのです
テレビやラジオ、動画配信とかこのように映画とかね
この作品を見終わり、あ〜面白かったな〜
この時代の映画はカツベンの先生が花形だったなんて知らんかったな〜
チャップリンが好きでNHKで小劇場をよく見てましたけどカツベンのことなんかなーんも気にせんと見てたわ〜もったいなかったな〜
などと思いつつエンドロールを眺めてたら
あれっ? この声この歌い方⁉︎ 民生さんではありませんか
なになに「カツベン節」だって〜 あら、民生さんが作った曲じゃないのね、でも作りそうですな〜
ありがとうございました
最後まで楽しませてもらいました
でわでわ
痛快活劇!
成田凌演じるニセ弁士と黒島結衣演じる活劇女優の恋を軸にしながら、豪華俳優陣を脇に繰り広げられるドタバタ喜劇。特に、作り込まれたセットを存分に使った終盤のスラップスティックなシーンに笑いつつもジーンとくるラストへともっていく周防監督の腕前をたっぷり味わえる。〇めこ演じる〇まんこにも笑ってしまった(笑)!
懐かしく感じました
生まれる前の話なのに懐かしく楽しい映画でした。活動写真から映画に変わる変革期かな?無声映像が活弁師によってストーリーがつくられて良くも悪くもなる。(映像と声と音楽が独立)今の映画とは全く違う娯楽ですね。(映像と声と音楽が一体)コミカルでとても面白かったです。エンディングのカツベンの歌が耳から離れません。もう一度みたい。
面白かった。「ん?」とはなるんだけど、うまい役者さんたちが適材適所...
面白かった。「ん?」とはなるんだけど、うまい役者さんたちが適材適所に配置され、その演技を見られるだけでまぁいいかーと思わせる安定感があった。
竹野内豊が珍しい役どころだった、すごく良かったー!
あと高良健吾が相当カッコいい…
名脇役の演奏3人組がイイ!
徳井優、田口浩正、正名僕蔵の名脇役3人組の息のあったオトボケ演技が堪能できて幸せな作品。
カツベンって、文学的な表現が前面に出ていて、映画では味わえない独特な味があってとっても好き。「切った張ったの大乱闘」みたいな表現は、普通には使わないけど、語呂が良いというか、ラップの韻踏みのような心地よさがあって、とても良い。
にしても、成田凌の演技が素晴らしかった!
平成ノブシコブシの吉村。
物語量、テンポ、配役チグハグさから、周防正行のこれを撮る動機の弱さを感じさせられ引いた。
それっぽいが活動弁士の職業的芸術的魅力と正面から向き合った脚本と思えぬ。
成田凌は健闘したが、この役は平成ノブシコブシの吉村の方が向く。
全然面白くなかった。
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