「アメリカの持っている良心が引き継がれている」荒野の誓い 詠み人知らずさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカの持っている良心が引き継がれている
1892年、退役を控えていた陸軍騎兵隊のジョー・ブロッカー大尉が、米国の南西部にあるニューメキシコから北西部にあるモンタナまで、インディアンの酋長と、その家族を送り届ける物語。美しい山野を背景にして、10人くらいの一行が、馬を駆って、野営しながら進む。さまざまな事件が起こり、その道筋は順調ではなかった。その頃には、米国中西部にも、鉄道の敷設が及びつつあり、一方、駅馬車の廃止が進んでいた、インディアン戦争の終結の頃。
一番驚いたこと、先住民であるインディアンに対し、謝罪の気持ちを持つ人が出てきて、女性に目立ったこと。べトナム戦争の後、南べトナムや近隣のカンボジアなどから、多数の難民が米国に辿り着いた時、上院議員の夫人などが提唱して中心となり、歓迎の式典が催されたことを思い出した。自分たちもまた、何代か前に米国に移住してきた祖先をもつことをよく自覚していたのだろう。その背景には、やはりキリスト教があるように思えてならなかった。「だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」
ジョー大尉が、インディアンに対してやってきたことは、反対のことばかりだったけれど、最後は、そこにゆくのかと思った。今の米国も、かつての繁栄を支えていた自由と、後から来るものに対する恩恵を思い出してほしいものだ。
確かに、この映画のストーリー自体は、途中で誰が生き残るのかは読めるなど、物足りない点もあるが、私の全く知らなかったこの映画を選択してくれた方に感謝したい。緊張感を持ったストーリー展開が続くことは事実である。
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