劇場公開日 2019年5月25日

武蔵 むさしのレビュー・感想・評価

全15件を表示

4.0手作り感が伝わる本格時代劇、この不思議な取り合わせ

2019年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

知的

三上康雄監督が製作・脚本・編集も兼ねて、まるで自主映画のようなスタンスで取り上げた本格時代劇。先日タイミングよくTOKYO MXで放映された「蠢動」も鑑賞したが、台詞を研ぎ澄まし過剰な演出を排して、本格の殺陣をシンプルな和楽器の伴奏でじっくり、しかし迫力満点に魅せる作風は変わらない。

御多分に漏れず“武蔵vs小次郎”といえば「宮本武蔵 巌流島の決斗」の中村(萬屋)錦之介と高倉健のイメージだったが、史実によると佐々木小次郎の方が相当年上で、40歳以上年齢差があったとの説もあるとか。風格ある松平健の小次郎は、史実に忠実な起用でもあった。主演・細田善彦の入魂の演技、殺陣にも感服。さらなる飛躍を大いに期待する。目黒祐樹、若林豪もさすがの存在感だった。

「居眠り磐音」の今様のセンスを感じさせる娯楽活劇も悪くないが、「武蔵」のストイックさもまた格別だ。注目作ランキングで健闘しているのも嬉しい。

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高森 郁哉

3.0最近撮られた割に古臭い雰囲気

2024年2月20日
PCから投稿

狙って古臭くしてるが、少しやり過ぎと感じるのは私だけだろうか。
しかも内容はともかく、冒頭でタイトル並みで大きく
「○○株式会社」には少々面食らった。
宗教かプロパガンダの込められた作品かと 少し身構えたが、
そうではなかったようだ。結局何だったのか。
本作品にはチョイ役にも多くの大物俳優が出ていて壮観でもある。
平成の時代劇の集大成 を感じさせる顔ぶれに驚き

吉川英治の新聞小説の影響が強すぎて、すっかり独り歩きの感が
ある宮本武蔵と佐々木小次郎のイメージだが、実際には本作品に
近いらしい。

とはいえ、仔細不明な両人。生誕日は互いに不明らしいが、
本作品では小次郎を50歳と(イメージを覆す)大胆な設定で斬新。
決闘の裏の目的と相まってなかなか楽しめた。

映画の最後の大事な締めに、戦国時代を描いた映画にありがちな
「これからは剣の時代ではない」
というセリフが出てくるのが、多少違和感があって、残念。

これは徳川時代を知っている今だから言えるのであって、
当時の人はいつ戦乱の世に戻ってもおかしくないと考えていた、
はずだと思う。

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ビン棒

3.5武蔵の立ち姿と殺陣がとても良かった。吉岡家の大人数との斬り合い「勝...

2021年9月22日
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武蔵の立ち姿と殺陣がとても良かった。吉岡家の大人数との斬り合い「勝負はついた」と何度も叫び逃げながら斬りまくる場面が本当に凄かった。ここがピークで、これ以降は淡々としてくる。
語りが多い。
沢村大学(目黒祐樹)の説明的長台詞。鎖鎌野郎との戦闘シーンと、十字槍の僧との試合が入るが他はほぼ語り。宝蔵院の扱いが小さ過ぎ。
全体的にぶつ切りな感じ。
なんかいろいろ要求していたのでウザがられていた佐々木小次郎。
排除する為に武蔵との試合をセッティングしたみたいな話の流れ。
「武人なら場所は関係ない」という台詞が暗殺目的なのを匂わせる。
前半はとても良かったのだけれど、後半は薄め。

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collectible

2.5小次郎が・・・

2020年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

吉川英治ではない宮本武蔵(細田善彦)、吉岡一門との争い、宍戸梅軒の鎖鎌、宝蔵院槍術をへて佐々木小次郎(松平健)に至る。
宮本武蔵は過去の作品が素晴らしいので、今回は何を伝えたかったのかな。
お通さんは登場しない。

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いやよセブン

3.5俺達の戦いはこれからだ‼

kさん
2019年6月6日
Androidアプリから投稿

動静の見せ方が非常にうまい演出でした。
一切のドラマを抜きした武人としての武蔵がそこに居ました!

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k

2.0何が史実なのか…なんて事はどうでもよくて。

2019年5月30日
iPhoneアプリから投稿

小説家と映画監督は嘘つきでないと務まらない。
そう思っている僕はそれなりに面白く観られた。
武蔵が21歳、小次郎が50歳。そんな設定も効果的だった。人間の野心を巧く操る人たちのズルを片方で描き、自分の欲望に気付きながら他に道なしと覚悟せざる得ない若者。得意な才能を授かってしまった人は辛い。この世に、その才能が適合すればいい。しかし、中々そうは問屋が卸してくれず末路は悲惨。そんなコトを感じながらも、まるでホントの武蔵はこんな奴だったんだ!と思ってしまった。監督の術中に見事にハマってしまった。

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はる

4.0昭和の頃を連想させる映画❗

2019年5月30日
スマートフォンから投稿

星🌟🌟🌟🌟何だか昭和30年代の時代劇を連想させる作品でした❗あまりセリフがないので最初主人公の武蔵の心情が分からず正直面白くなかったのですが…やはり殺陣のシーンになると俄然武蔵役の細田善彦の気迫の演技でスクリーンに釘付けになりました❗中盤から話の展開も速くなり普通のシーンもベテランに助けながら頑張ってました❗特に小次郎役の松平健の上手い演技に助けられた感がありました❗最近の時代劇と比べやっぱりちょっと違和感があったのですがそんな悪い作品ではないと思います❗

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ミリン一番搾り

3.5チャンバラには三味線

2019年5月29日
iPhoneアプリから投稿

名を上げたい若い武蔵と重鎮と化していた初老の小次郎。確かに見慣れたシーンとは違う。
吉岡一門との戦いも時間軸が意外。
武家社会が刀から知略の時代へ移って行くのをバックグラウンドに遅れてやって来た剣豪の生き様。
この後、五輪の書にどう繋がるのかも知りたくなかった。

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HigeKobo

3.0王道時代劇

2019年5月27日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

ベテラン俳優人の見事な殺陣、剣さばきがすばらしい

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daikokumai

2.0ガッカリ

2019年5月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

宮本武蔵像想像してた方にはガッカリかな~
佐々木小次郎が50代?
新しい感覚の武蔵
私的には今までの武蔵が良いな~
ガッカリ(><)

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ヤオジュン

3.5意義のある作品

2019年5月26日
iPhoneアプリから投稿

これまで武蔵といえば、三船敏郎から木村拓哉まで、吉川英治原作の映像化が殆どでした。

そういう中で史実に沿った武蔵映画というのは初めてなので、意義があるのではないでしょうか。

何よりも佐々木小次郎が若い美剣士って設定ではないのが画期的です。これまでの映像作品には全くありませんでしたから。

三味線の音楽で畳み掛けながらの決闘シーンは非常に緊張感があり、実際の侍の真剣勝負はこんな感じだったのかなと感じました。

他の時代劇だと過剰なチャンバラ演出で、逆に興醒めしがちですが、全く無駄がありません。

本物の時代劇が観たい方にお勧めです。

ある女優がカメオ出演しているようなのですが、どこに出てたか分かりませんでした。←追記:パンフレットに記載ありました。

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ターソ

4.5渋いハードボイルド剣豪時代劇

2019年5月25日
Androidアプリから投稿

実に渋い時代劇です。フェクションというより実話に近いことを狙った作品であり、殺陣のシーンは特に見事でした。剣豪ものはこうではなくてはいけないと思う。昔、日本剣客伝という渋いドラマがあったがそれを彷彿させるような感じがした。BGMも少なめで時々静寂になるシーンとかあり今時珍しいと思いましたが、時々琵琶の音とか風の音とか右と左から聴こえるステレオ感は素晴らしいと思いました。
チャラ感がまったくない内容でハードボイルド剣豪時代劇であり年輩の方が好みそうなとにかく渋い設定ですが若い人にも是非とも観てもらいたい作品です。

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ねこすけ

3.5泥臭さが

2019年5月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

剣豪武蔵も初めから人を罪の意識も無くバタバタと切っていた訳では無く、転げ回りながら、殺されない様に人を切ってきたのですね。全編を通して浮いたものは何一つ無く、剣豪の人生を表現してます。

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ごっとん

4.5全く新たな武蔵像

2019年5月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

劇場公開に先立つ完成披露上映会で観賞。
これまで数多く映画化されてきた剣豪・宮本武蔵ですが、本作は全く異なる視点と演出による新たな武蔵像と彼を取り巻く人間ドラマを、「剣の道」を緯糸にして見事に織り上げた、近年稀にみる本格正統派時代劇の秀作です。

何より剣戟を核とする時代劇の常識を根底から覆す、登場する男も女も悉く一人も悪人がいない人物設定。皆が挙って己の主義・信条に狂信的なまでに忠実に直向きに生き、それゆえに起きる軋轢に互いに妥協することがなく、徹底的に葛藤し相争う。従って勧善懲悪という関係は全く生じず、全ての剣戟は、各々の正義対正義の苛烈で、息苦しいまでの鋭利で凄惨な激突で、終始息を呑むばかりでした。
史実に沿って最後の勝者となった武蔵には、ただ虚無感だけが残ったのだろうと思います。

極限まで凝縮された台詞回しの少なさの上にBGMも殆ど無く、短いカットが次から次へと重畳され、否が応でも緊張感と緊迫感が昂揚させられます。三上監督の前作『蠢動』同様に、モノトーンのやや淡色の陰鬱な画調、青年・武蔵の不安と焦燥に包まれた心象風景の如き画調を背景にして、恰も真空状態かの如き異様に張り詰めた空気がスクリーンのみならず観客席にも漂っていました。宛ら息も出来ないくらいであり、背筋が直立に矯正され身構えさせられていました。
生死の狭間での、生身の肉体がぶつかり合う激しい剣と剣の応酬には、一寸の狂い、一呼吸の遅れで生死を分かつ、一瞬一瞬の劇的な迫力に溢れており、特に一乗寺下り松の吉岡一門との決闘シーンでの武蔵の剣には、鬼神の如き尋常でない速さと鋭さがあり、ヒーローの華麗さや快活さは微塵もなく、ただ生きるための狂気に満ちた必死の気迫と剛毅さが有るのみです。

目まぐるしく場面が移りながら、ストーリーは整然と、且つ非常にテンポよく進んで無理な展開は全くなく、一方で無駄なシーンもない、誠に稠密な構成。
更に台詞も徹底的に磨かれ削がれた珠玉の言葉で書かれており、またやや仰角でのカメラアングルも人物への畏怖の念を自然と醸し出しており、三上監督の台詞・所作の隅々にまで神経を張り巡らせた完成度の高い細心の仕事ぶりが実感出来ます。
歌舞伎十八番「勧進帳」の名場面、弁慶と富樫による山伏問答を擬えた、冒頭での佐々木小次郎と沢村大学との出会いでの厳粛にして小気味よい遣り取りが典型ですが、言葉少ない台詞が、殆ど全て象徴的で重厚な言い回しで尽くされており、その結果、日本語が本来有する優美で風雅な美しさと、その一方での激越で壮烈な険しさを強く認識させられます。

武蔵にとって闘いに勝つことは手段であったはずが、いつの間にか目的化し、名を揚げ立身出世する過程としての試合が、それ自身が、即ち試合に勝つことが武蔵にとって唯一の生きがいと化していく、自然に変わっていくその変貌ぶりには、人が本来持つ獣性が曝け出されて、畏怖を感じます。
斯様に本作のテーマは、武蔵を俎上に載せて、情熱と闘志に満ちた若者の野望と大志を貪り喰って、時代は蟠踞し、そして胎動する。一人の個は、大きな時代のうねりの中で翻弄され浪費されてしまうが、そのエネルギーの躍動こそが、時代を変革させていくということだと感じます。

時代劇をアクション映画と看做す私見によれば、本作は冒頭からエンドロールまで途切れることなく“動”たる殺陣と殺陣に至る“静”たる所作が目まぐるしく展開しており、言わば殺陣アクションの和製ジェットコースタームービーともいえます。

ともかく、2時間の上映中、これほど終始臍下丹田に力を入れ続けた映画は初めてです。

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Keith