「戦地の未来を握るのはリーダーと馬」ホース・ソルジャー とえさんの映画レビュー(感想・評価)
戦地の未来を握るのはリーダーと馬
戦闘シーンは迫力満点で見応えがあり、
彼らの戦いはズシンと重みが残り、思った以上に感動した作品だった
2001年9月11日、同時多発テロを引き起こしたテロの首謀者タリバンを倒すため、その翌日にアフガニスタンへ向かった12人の陸軍特殊部隊の活躍を描く
彼らは、実在していた人たちで、機密作戦だったため、その存在は長い間隠されてきた
そのため、17年後の映画化となった
テロが起きたその日にクリス・ヘムズワース演じるミッチ大尉はチームを召集し、翌日にはアフガニスタンへ向かっている
その行動の早さに、まず驚かされる
しかし、いきなり現地に飛んだところで、人員も、兵器も揃えられるわけではない
そこで米軍は、当時、タリバンと対立関係にあった部族を利用し、手を組んで共に戦う
私は彼らの関係に複雑な気持ちになった
これまで、そうやって利用するだけ利用して捨てられた現地の人たちの中からテロリストが生まれてきた歴史があるからだ
しかし、その代わりではないけれど、そこで「タリバンが女子供にしてきた酷いこと」を並べたて、タリバンがいかに残酷な集団であるかを示し、もはや米軍には選択肢がないことを示す
さらにミッチは、アメリカのお偉いさんたちから「成果を出せ」と責められるが、現実は思うように事を運ぶことができない
そこから、実戦が続き、馬たちが大活躍する
なぜ、馬なのか
それは米軍と手を組んだ部隊が予算不足だったこともあるけど
馬でなければ入れないような、道と言える道の無い切り立った場所だったからだった
そして、どんな時も威厳を持ち、誰よりも先頭に立って部隊を率いたミッチ大尉の采配が、この戦闘の未来を握っていた
そして、その時、そこにあったのは、愛国心よりも、目の前にいる仲間たちと共に、早くタリバンを倒して、誰一人欠けることなく故郷に帰りたいという彼らの思いだった
その心情がリアルで良かったと思った