「忘れてはいけない過去を照らす」焼肉ドラゴン コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
忘れてはいけない過去を照らす
在日コリアン問題を正面から捉えていて、逃げてない。
理不尽な差別と貧困と暴力が支配する1960年代の大阪。
戦後、騙されて国有地を購入した形で住み着き、細々と焼肉屋を営む一家の姿が染みる。
演出の軽やかさと、父・龍吉役のキム・サンホの演技が、「明日への希望」を抱かせてくれたから良かったけども。
無論、創作であり、どこまで実態を反映させているかは判断がつかないものの、歴史から考えて、これじゃ済まない例もあったろうな、と。
けれども、『三丁目の夕日』みたいな、すっとぼけて能天気な「昔は良かった」的美化に比べて、はるかに心に刺さる作品になっていたと思った。
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