劇場公開日 2018年6月22日

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「史実とコメディを混ぜたエレジードラマ」焼肉ドラゴン isukeeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5史実とコメディを混ぜたエレジードラマ

2018年7月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

焼肉っていう美味しそうなワードに惹かれてついつい観たら 予想を超えて強烈なエレジーだった
三姉妹と息子それぞれの人生模様に焦点当ててストーリーが進むけど、
最後に全部を持っていくのは 隻腕のお父さんの激しい独白! あれは凄みがあった
済州島の虐殺事件から逃れてきたのね、謂わば難民だなって捉えた 全部失ってお母さんと出会って寄り添って 子供達を食べさせてっていう業を背負ってる
内戦の虐殺で難民になったり経済的困窮から日本へ渡っていたけど そこで待ち受けているのは 差別と貧困という苦難 つらいな
アボジ オモニ よくぞ頑張ったよ
ラストの帰結 報われなさ が 苦いけど
リアカー牽引しながらのお父さんの咆哮! あれは 負けてたまるか!っていうお父さんの決意表明に感じた

苦難の極みっていう場面なのに
舞い散る桜だったり花火にふれるシーンを被せてきて、辛くとも美しいことに感じ入ることで心を癒して明日に向かうお父さんとお母さん、
逞しく感じた
一方で、ナレーションが時生だったのは効き過ぎ!
勇気と悲しみを 同時に噛み締める良質なエレジー作品だった

伊助