「うたかたの夢のその先へ」エンジェル、見えない恋人 バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
うたかたの夢のその先へ
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透明な子供を生んだ母親が、人知れず透明なままの息子を育てる。やがて透明な息子は盲目の少女と友達になり、やがてふたりは恋に落ちる。
なんとも不思議な設定のファンタジックなラブストーリー。ネタバレになるが、エリナ・レーヴェンソン演じる母親は、物語の中盤で亡くなってしまう。普通に考えれば、透明な子供は狂女の妄想の産物に相違なく、母親の死とともに消えてしまうかと思っていた。
ところが息子は透明なままに存在を続け、成長して目が見えるようになった少女と愛を育む。解釈はいろいろあるだろうが、自分にとっては、妄想から生まれ、母親の心を支えていた存在が、また別の支えが必要な少女に受け継がれる物語であり、空想を信じる強い心を持った人が作った映画なのだと思う。儚いようで、楽観的な寓話である。
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