「見えない世界の全能感」エンジェル、見えない恋人 masakingさんの映画レビュー(感想・評価)
見えない世界の全能感
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見えなかった世界が見えたときの感触を、マドレーヌが答えた場面が興味深かった。
実際に見えなかった人が急に世界が見えるようになると、かえって見えないものの多さに驚くというのは本当のような気がした。
触覚に頼っていたときは、事物の裏側も含めて三次元で捉えていた世界が、急に二次元になったように思えるのだろう。
目が見えるようになったマドレーヌが、エンジェルの特異な存在に心を開くことができたのは、きっと見えなかったときに彼が全身で表現していた愛を思い出したからに違いない。
愛こそは全てというシンプルな真実を、オリジナリティ溢れるファンタジーで表現した、ちょっともの悲しくて美しい物語だった。
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