「純粋だか悲しい」エンジェル、見えない恋人 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
純粋だか悲しい
もの悲しさが付きまとう映画だ。
最初、透明な男の子エンジェルは、精神病院に収容された母親の作り出した虚像ではないのかと思わせる。しかし、近くに住む女の子との交流や成長、一時的な別れ、そして母親の死、成長した女の子との再会、彼女とのセックスを経て、透明なエンジェルの実体の部分がどんどん大きくなっていく。抑え気味だった人としての感情的な部分も、エンディングに向けて表現されるようになる。ただ、やはり、大人になってもエンジェルは透明なままだ。そして、登場人物がかなり少ないこともあるのだろうか、この家族は、ごく限られたところでしか、幸福でいることができないようにも感じられる。純粋でいようとすると、多くと関わることが難しいのだろうか。美しいけれど、なにか悲しさを纏う映画だ。
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