「やっぱり予習が」劇場版 幼女戦記 2638さんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり予習が
足らんかったァ…
2日前に友人に誘われ、TVシリーズ、原作、その他前情報を殆ど入れずに劇場に行きました。上映前にその旨を友人に伝えたところ、「2日あれば見れるだろうが」と叱られ、大まかな大前提(多分日本人のおじさんが神らしきものに転生させられた、大戦を経験していないっぽい架空の世界のドイツっぽい国の軍人、時々魔法)のみを教えてもらいました。その状態で見始めたので、大事な前提や世界観、キャラ一人一人のエピソードなどが全く分かっておりません。それでも面白いと思える作品でした。
作画に関しては、劇場版ですし十分な美しさだったと思います。人物の表情などの描写はもちろんですが、背景の町並みや、時折晴れる空の美しさが自分には印象的でした。だいたい曇ってたけど。それも中欧の特徴でしょうか。だからここぞというところで美しく見えました。
「主人公の思想は軍人としてもっともなもの」と早い段階で自分の中で腑に落ちたおかげか、見ていて主人公に引っかかるようなこともなく、ふんふんと眺めることができました。ナチズムやファシズムに関するレビューもあったので、引っかかる人は引っかかるんでしょうか。「歴史上の悪」が存在すると考えるような人は引っかかるのかもしれません。実は転生物でもあるらしい本作ですが、主人公の口から、人的資源、自由主義、戦争の勝ち方などの言葉が出たあたり、主人公は(性格はさておき)現代日本人の感覚を持っている人なんだなと感じました。そんな人があの環境に居て、更に「帝国は敗北する」という我々にとっての歴史的事実を知っていて、今後どうなる…という感じの作品なんでしょうか?
今回の映画は、戦術や戦略の部分はさほど「すっげー! 賢い!」という感じのものはなく、思想的思慮を観賞者に促す作品だったと思います。こういった思慮は人類普遍の命題ですが、それを変わった切り口から提供できるのがアニメの良いところですね。
ところで何で☆4なのかというと、上記の通り予習不足でシリーズ評価ができないのと、「もっと髪下ろしたところ見たいなあ」という個人的な欲求のためです。
正確には第一次対戦前の、旧ドイツ帝国をモデルにした国なので、ナチスはまだ出てきてないし、デグレチャフ少佐はコミュニスト嫌いだから、多分ナチス党が大嫌いなんじゃないかなと。