「カタルシスが足りない」クワイエット・プレイス しろくまさんの映画レビュー(感想・評価)
カタルシスが足りない
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びっくり箱のような映画。怖い、というより、びっくりする。
音を立てたらエイリアン(だよね?)に殺される、という秀逸なワンアイディアの勝利。
ラスト、お母ちゃんのドヤ顔がカッコいいのだが。
いまいち、不完全燃焼なんだな。
カタルシスを得るためには、エイリアンをもう2〜3体倒して欲しかった。
子供と夫の敵討ちだ!そして、ここから人類の逆襲だ!、と。
しかし、あのエイリアンに、ここまで人類は無力だろうか、という疑問は残る。
ライフル程度の火器で殺せるし(もっと硬いのかと思ってた)、滝や遠くの花火の音ぐらいで誤魔化せられるのなら、対処のしようはあったように思えるのだが。
思うに、こういう映画って、敵に対する「考察」が重要なのではないか。ゴジラでもゾンビでも、敵の性質を分析し(たいてい科学者みたいな役が出てくる)、その情報が観ている側にも共有されることで、映画の中の「ルール」が明確化し、映画の中の世界が形作られるのだ。
本作に関しては、もう少し説明があれば、と思った。
それと誰もが思うことだろうが、あの状況で子作りするか?!
冒頭で殺されてしまう一番下の男の子の死を、家族のみんなが悔んでいて、そのことがクライマックスにつながる脚本は家族の絆を描いていて、なかなか観せる。
あと、イヤホンの音楽で夫婦で踊るシーンが素敵だ。
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