「スタンダードSFホラーと認識したんだけど」クワイエット・プレイス いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
スタンダードSFホラーと認識したんだけど
クリックして本文を読む
間違っているかどうか分らないのは、あまりこのジャンル映画を観ないから。リドリースコットのエイリアンの系譜かと思うのだけど、違うかな?
とにかく、効果音、BGMを含めた『音』という武器を、ストーリー内容も含めて全て有効に使われている点が極めて秀逸である。
テーマは、家族愛、そして子供の成長と言った事だろうと思う。実際の現実でこういう世界ならば、直ぐに人類など肉一片も残っていないのだろうから、作品中のご都合主義は展開上、仕方がない。それ以上に余りある演出の妙を強く感じる作品だ。これ程、音を上手に使いこなす方法は今までの映画ではあまりないんじゃないだろうかと思わせる。息をつかせぬその脅かしの仕掛けに、観てるだけなのに神経は衰弱してゆく。それに、今作品の親切心を垣間見る、丁寧なフリと回収も有難い。
結局、ラス前までそのクリーチャーの弱点である“ハウリング”に気付かずに、父親を失ってしまう展開も含めて、ニクいストーリーである。ラストの母親のドヤ顔でエンドにバツっと落ちるのも面白い。本物の滝、そして地下室へ流れ出る水との対比、タイミングを捉えての場面転換等もホラーをきちんと踏襲されている作品だ。これから人間の復讐が始まる予感を十二分に演出させてのラストは称賛に値するシーンである。階段から突き出る釘の2回目を予想させてのミスリードも心憎い演出である。かなり練った今作品、相当堪能させてもらった。
コメントする