劇場公開日 2018年9月28日

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「音を出せない世界のつらさ」クワイエット・プレイス とえさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0音を出せない世界のつらさ

2018年9月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

エンドロールまで全て観終わった後に、
「はぁぁぁぁぁぁ」
という、大きな、大きなため息をついた

なぜならば!
この映画の世界観があまりにも怖くて
私も、息をしてはいけないような、声を立ててはいけないような
その緊張感に身体をこわばらせていたからだった

世界は、敏感に音を感知する何者かによって支配され
「音を立てたら即死」の状況にあった

そんな中でも、エヴリン(エミリー・ブラント)とリー(ジョン・クラシンスキー)の夫妻は、幼い3人の子供たちと共に、何とか生き延びていたのだが…

これはもう、昔から「うるさいっ!!」と、先生から叱られて生きてきた私には、「はいっ!即死!!」の世界だった!

そして、この映画は、観客をその世界に導くのがとてもうまい!
何度も、何度も、お見事!!
と思った

私たちは、日頃、意識して音を立てていることがある
例えば、人と話しをしたり、物を叩いたりする音だ
そういう音は、我慢をすれば良い

しかし、無意識に音を立ててしまうこともある

ふとした瞬間に物を落としてしまったり、夢中になっていて、音が立つことを忘れていたり…

この「音を立てたら即死」では、そういう音が、とても厄介なのだ

どんなに気をつけていても、どうしても音が立ってしまうからだ

この映画は、その「無意識下での音」をとても自然に取り入れている

あぁ、あぁ、ある、そういう時、音を立てちゃう時ある!!
と思うし、それがとても自然な流れで起きるから「それダーメー!!」と思う

で、音を立てたらどうなるのか??

その耐えきれない恐ろしさは、ぜひ、映画を観て体感して欲しい

さらに、そこに、両親の子供たちを思う愛情も加わって、最後は、怖さと感動で、私の顔はぐちゃぐちゃだった

監督と主演は、エミリー・ブラントと、彼女の夫、ジョン・クラシンスキー

そのクラシンスキーは、脚本も担当しているのだけど、
きっと夫妻で
「もしも、音を立ててはいけない世界だったら」と想定して日常生活を送り、「どう気をつけても出てしまう音」を研究したに違いない

それぐらい、とても自然な流れだった

正直、途中で何度も「もうやめてー!!」と思ったけれど、最後まで観て良かった(笑)

そのおかげで、今は、声を立てて笑える幸せを噛みしめている
平和な世界に住んでいて良かった

とえ