「反戦の本質」30年後の同窓会 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
反戦の本質
リンクレーターは幾つかの象徴的な対比を見せておき、そのどちらかを肯定することも、否定することもしない。
ベトナムからの帰還後、疑問を持ちつつも政府否定しなかったもの(ドク)と否定したもの(サル)。反信仰と信仰(時間差をおいてミューラー一人で表現)。与えられた情報に疑問を持ち真実を知りたがったもの(サル)とそうでないもの(ドク・親友の母親)。生(ワシントン達)と死(息子)。
3人組の構成はベトナムとイラクに対す米人の立場を象徴する縮図。共産主義から自由を守るためにベトナムくんだりまで出征した父親が、「愛する者を守るため」に大量破壊兵器など保有していなかったイラクで命を失った、一人息子の遺体を引き取って葬送する。最後は、アメリカ社会の縮図たる3人のベトナム帰還兵にFlag折り畳ませる。
リンクレーターは何も言わない。生々しい戦闘は、聞かせはすれども決して見せない。最後に、若い命が、こんなにも簡単に失われ続けている事実だけを、静かに、ゆっくりと、過剰な演出をすることなく、私達に突きつける。こう言われてる気がする。「これで良いと思っているのですか?」
その答えは、ただただ流れる涙でした。
心に残る名作。
反戦の本質は、人の心を動かすことに他ならずイデオロギーは邪魔であることを、この映画「も」示してくれたと思う。Last Flag Flyingとは、最後の、ただ一つのリンクレーターのメッセージなのに。この邦題はありえないし、名作の意義を1mgも伝えてくれていない事が残念です。
ちなみに、昨日測った体重は60,000,000mgを軽く超えてました。。。。
bloodtrailさん
こんばんは。コメント頂き有難うございます。また教えて頂き有難うございます。本当に何のために戦うのか、結果誰に殺されてるのか、やるせない気持ちになりますね。