劇場公開日 2019年2月22日

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「不良少女A」アリータ バトル・エンジェル odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0不良少女A

2019年9月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 サイボーグの舞台はテクノロジーの理屈から近未来、多くのSFで描かれる未来はまるで歴史を逆行したような世界、人間は欲深く凶暴で争いは絶えない、格差は拡大し植民地的隷属と支配に二極化、生き残り組はゴキブリと同じ強かさだけが適応の術、従って未来は総じて暗く退廃的で暴力的に描かれる。対極としての救世主、アリータ、幼気ない少女と暴力性の同居は必然なのだろうか。かって女性形サイボーグはハニートラップか敵を油断させるための偽装が相場だった。URM(火星連邦共和国)はなぜ少女を最終兵器に形造ったのだろうか。アリータを再生したイド先生はアトムの天馬博士と重なる、強さは説明の付かない先天性ということにしている。ギャップのある特異キャラはおそらく掲載されたビジネスジャンプ誌の読者層分析の産物だろう、過激さを増したローラーゲームも含めてエンターテインメントのツボが私とはかけ離れていて戸惑う。シリーズ化を狙っているようで続編はキャメロン監督の真骨頂、ならず者相手の喧嘩もどきでは美少女アリータにはそぐわない、好戦的な原作の呪縛を一旦捨てて強靭で優しい心をもったアリータに再構築してほしい。

odeonza