万引き家族のレビュー・感想・評価
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感動作というより、衝撃作。
この作品、観れば観るほど新しい感想が湧いてきそうな、どこまでも奥行きのある映画だった。せめてあと一回は映画館で観たい。
今までのどの是枝監督作品とも違う、全く新しい家族のカタチだった。血の繋がりを超えた、キズナがあった。それでも、後半は畳み掛けるように家族の秘密が明らかになる。明かされていく秘密がどれも重く、直視できないほど辛い。
キャストは皆、それぞれのキャラクターを出していて見応えがあった。脇役も非常に豪華だったけれど、決して輝いてるというわけではなく、その役としてちゃんとその場所に居たので、より作品にリアリティが増した。やっぱり凄いのは安藤サクラさん。と、松岡茉優さんも凄まじい表情の連続だった。1シーンたりとも見逃せない。
個人的には、高良健吾さんの役が特に印象的だった。
観ている側からしてみればそこまで不思議には思わないかもしれないけれど、実際あの立場に自分が立っていたら、と考えると少し怖くなった。
刑事の顔と父親の顔の両方を兼ね備えた大人は、子供からしたらどんな風に見えるのか。子供の表情が示していることは、きっと大人には伝わらないものなんだろう。
何度も他の方が言っているけれど、本当に考えさせられる作品だった。正しい答えを見つけることが難しい作品だった。
「ありのまま」の家族の一例、に見せるすごさ。
こんなに生々しいってあるだろうかと思った。お互い苦しい状況の中親しい2人のうち片方が辞めなくてはいけない状況での会話や、血の繋がらない家族の狭い家の中での愚痴、そしてその会話の中身の生々しさ。そんなところを描く映画ってなかなか無いと思う。
中でも安藤サクラさんの取り調べのシーン、特に厳しい言葉にふと涙がでてしまうのを必死にごまかそうとするシーンや、「拾ったんです。誰かが捨てたのを。」の一言の場面は、完全に演技の域を超えていたと思う。あれはもう、「映画」を観に来ていると分かっている僕にとっても映画ではなく「現実」だった。
エンディングに向かって収束しないストーリー展開も、作品によりリアリティを生んでいると思う。監督が「こうなってほしい」というものを捨てて描かれた結果だと思うし、それによってこの映画が「メッセージのある映画だったなあ」ではなく「問題提起」として観る人それぞれの解釈を促すような作品になったのかな、と思う。
こういう悲しい気持ちになるけれど観なくてはいけない映画というものが、商業主義の世の中で最高の賞をとるということにも感動した。この映画を多くの人が観るということは、「泣ける」とか「面白い」映画がどうしても好まれる今ものすごく大きな事だと思う。
あとひとつ、樹木希林さんが食べ物を食べるシーンのなんでしょう、あの独特な雰囲気は。
演技と演出に驚き鳥肌が止まらなかった…
試写会で鑑賞して以来2回目を鑑賞しました!
まず試写会で観た時はただただ放心状態で、役者の演技と脚本と撮影のカメラの位置などなど色んなところで驚かせていただき、結末を理解してからもう一度観たいと思い再び鑑賞しました✨
1回目より感動。涙まで出てしまいました。
この作品の凄さはまず映像作品だということ。
どういうことかと言うと小説にはまず出来ないのです。
リアルな家族を描くためにあえてごちゃごちゃしたり、沈黙があったり、笑いがあったり。
映画の良さを存分に引き出していたと思います。
次に役者の演技力。
登場人物全てに物語があって、チョイ役の役者もほんのちょこっとだけでも存在感を出している。
だがやはりメインの役者たちには度肝を抜かれる。
結末を理解してからもう一度観ると、この芝居はのちのこの感情を暗示していたのか。この台詞の意味はこういうことだったのかと鳥肌がぶわぁぁとなった。
そして全員に共通している上手なところは表情の演技だろう。
台詞のない中で表情だけでどういう心情を表しているのかを観客に伝えているシーンが多いが、どの役者も上手い。この作品はこの役者の表情がなければおそらく成立しないであろう。
最後に演出だ。
特に自分が好きなのはカメラの位置である。
観客に訴えているかのように役者に寄って撮るシーンもあれば、家族の温かさや子供の活発さを伝えたいために引いて撮っているシーンなど、どのシーンにも意味が込められていて驚きだった。
特に花火のシーンが1番好きなのだが、このシーンは見えない花火をみんなで覗き込んでいてそのカメラの位置は見事だった。
更にはそういった幸せそうなシーンの裏に、貧困問題に苦しんでいる人々の小さな幸せを描いていて何か心苦しいものも私は感じた。
今回2回目を鑑賞して改めて受賞したことに納得して、映画というものの素晴らしさを感じた。
文字だけじゃ通じない感情も人にはある。
家族とは一体なんなのか。そういった観客への問いかけも見事だったと思います。
ラストもああやって描くことで人々にこれからどうなるのかと考えさせてくれる。
家族の温かさを描いているが"当たり前"をぶち壊した作品でもあるのではないかとと自分は思いました!
最高😆✨
最低な映画。気分が悪くなった 親は選べないというのはよく伝わるが、...
これが受賞したんですね…
3世代の化け物女優
凄く良かった…。 あの人達の関係は家族だったし、お金が無くても幸せ...
松岡茉優さんがいい
押し寄せる感情の渦
妻と2人で見たが、鑑賞後は2人とも1時間ほど言葉が出なかった。
安直な解釈や感想を拒絶するような映画。
要素としては貧困や虐待といった現代社会の病巣に対する怒り、といったものはあるのだろう。
しかし本作では、治や信代、初枝にも、観客から糾弾されて然るべき過去や行動があり、一筋縄ではいかない。
結末にしても、子供2人の末路は対照的で、この「家族」が子供にとってどんな存在だったのか、についても容易な解釈を許さない。
彼らの過去もすべてが語られるわけではないので、この「家族」が成立した経緯がすべて分かるわけではない。例えば亜紀がなぜここで暮らしているのかも、よく分からない。
でも、物語の各場面で、それぞれが抱える感情は痛いほど伝わってきた。逆にそこから彼らの過去を推理するような造りの映画。
4番さんとの亜紀、終盤の正面からの長回しシーン(特に信代!)、ラスト近くのバスの車内での祥太、ラストシーンのじゅり、いずれも感情の渦がスクリーンから飛び出してくるようなシーンだった。
子役2人は他では見たことがないほど自然な演技。これは是枝監督の得意技なのだろう。
松岡茉優はとても良かったが、この俳優陣の中ではまだ少し引いているというか、遠慮しているように見えた。物語中の亜紀の立場の不明確さがそう見させたのかもしれないが。
樹木希林とリリーフランキーは安定感抜群。
安藤サクラは…圧巻。
分かりやすく懇切丁寧に監督の意図を見せる映画ではなく、善悪や真偽も判然としない、いわば人生の不条理そのもののような映画だが、画面から溢れる感情の渦に身を任せれば、自分なりの結論は自然と得られる、そんな映画だった。
考えさせられる
盗んだもの
家族の絆とは
納得
この映画がパルムドールを取ったというニュースを見て、公開前なのに納得してまう顔ぶれ。心待ちにしていた公開初日に鑑賞しましたが、この日の前日、虐待で亡くなった女児の痛ましいニュースで、日本中の人々が傷ついていました。「許して」と記していた5歳児。そんな時期だった事もあり、更に心に沁みる内容でした。
ゆりちゃんの後ろ姿が、いじらしくてたまらなかった。
虐待されても、親を求める子どもの気持ちは、理不尽でも否定できない。そして、血が繋がらなくても、無償の愛をそそげる人もいる。
「産まなきゃ親になれない」「痴情のもつれ」と言い放った婦警の言葉は、少数派の感情をないがしろにする権力を象徴しているよう。演じた池脇千鶴まで嫌いになりそうでした(笑)
駄菓子屋のおじさんが、万引きを咎めなかったあのシーンは、とても深いです。あの瞬間、あの子は大事な事を学び取ったのではないでしょうか。子どもを育てるのはもちろん親の役目だけど、今の世の中、「教育」のあり方はどうだろう。。そんな問題提起も感じました。
やはりパルムドールはこんなもの
あともう少し‼
考えさせられる作品
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