万引き家族のレビュー・感想・評価
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どうこの物語を納得するか。
淡々と話は進む。
映画を見るほとんどの人にとっては現実では起こりえないことである。一方で映画の登場人物のうちの誰かには不思議と感情移入することが出来ると感じた。
この映画を見たあとにどのように自分の中でこの物語を納得するか、が皆それぞれ違うと思う。
私としては、永遠に続く幸せで無くても、たとえ刹那的な幸せでも、無いよりはある方が良くて、良い経験として記憶に残ることは良いことだと思った。
母が言った「本当に幸せだったから、これくらいならお釣りが来る」というセリフに全てが込められてると思う。
ずっと続く幸せではない、と分かっていても、こわがらず思い切ってその幸せを掴むことも悪くない。そんなことを思わせてくれた映画だった。
日本のどこかで起きているよう
タイトルだけは知っていましたが内容は今回の視聴をきっかけに知りました。
評判作だったゆえに期待しつつも、なんとなく自分は好きじゃない系統な気はしつつ視聴。
みんな自分の利益を求めて集まり、ここで過ごしているうちに、利益だけではない愛する想いが生まれる。
これが大きなテーマであり軸だと思いますが、
一人一人の抱える悩みや葛藤が混ざることで話が複雑になっていきます。
話の簡潔なあらすじの感想だけだと表現しきれない気持ちが視聴後ありました。
とにかく思うのが、この話は実際にありそうな話、ということです。
たまにワイドショーで見る「なぜこの家族はこんな複雑な構成なんだ?」といった感情。
この映画を見ると、こうやってなんとなく集まるんだなぁと思うし、そこに異論を唱える人も居ない。
なるほどなぁ。。となります。
生きづらさを抱える人たちを過ちを犯す前に救える世の中になれば、、というのは綺麗事ではありますが、そんな気持ちになりました。
誰もが満たされない心を抱えている
血のつながりはなくても、肩を寄せ合って生きていれば絆が生まれて助け合って生きていける、、、はず?
現代社会の抱える問題を散りばめ、家族とは何かを社会に問うているのかと思ってみていた。
が、あの家族は我々一般庶民そのものではないだろうか?
別社会で生きている家族は、お金で何も無かったことにしようとするし、警察は一般庶民の心情を何も察してはくれず、自分たちの論理をただ押し付けてくる。
これこそが社会の構図そのもののような気がしてならない。
一般庶民が手を取り合い、助け合いながらその社会を生き抜こうとしてもムリなのか!
警察官の「それって、ホントの優しさじゃないよね、、?」がそらぞらしく耳に残る。
本当はだれもが満たされていないんじゃないだろうか。
お迎えは来ない
派手な演出がないので、さらっと話が進んでいくが、見てしばらくしてから、なんかじわじわくる。「捨てる」「拾う」「選ぶ」、そんな単語があらわす人間模様。おばあちゃんは自分で選んで、あの夫婦を引き入れた。夫婦はこすっからく生きていても、凍える子供を拾った。血を分けた子じゃなくても、母になりたかった。父になりたかった。なので、愛を与えた。でも、祥太は愛情だけで育つ時期を過ぎてしまった。社会に出て、他人と関わって生きる能力を、身に付ける時期に来ていた。それは、あの夫婦には与えられないものだった。諦めたように、寂しげに祥太を見る二人。「家族」が解散となった瞬間だった。
ぬくもり、ふれあい、やすらぎ。大人だって必要だけど、小さい子供には特に必要。この家でゆりは愛されることを学んだ。彼女はまだ信代の愛が欲しい。どうしていなくなっちゃったんだろう。また迎えに来てくれないかな。外を見る後ろ姿が切ない。どうか、あの子に手を差し伸べる人が、再び現れますように。
しかし、本当に演技合戦だ。樹木希林、安藤サクラ、リリー・フランキー、この三人は当然として、松岡茉優も体はったし、わずかな出番ながら池松壮亮も印象強かった。柄本明もさすが。高良健吾と池脇千鶴をこう使うとは贅沢。そして、山田裕貴がこんな役で出ていたとは、公開当時は気付かなかった。あと、毎熊克哉がいい男。信代に同感!
初見は映画館、他はフジテレビの放送で。
「ベイビーブローカー」に続いて2作目の是枝監督作品
「家族とは」「幸せとは」色んなことを考えさせられる内容でした。
最後に安藤サクラさん演じる母が刑務所の壁越しに話すシーンが心に残っています。
男の子が放置されてた場所と車のナンバーまでちゃんと覚えていたんですね。
今まで本当の親が現れなかったということは子どもがいなくなったのに捜索届けも出さない親だったってことですよね?
あの男の子が本当の親を探すのか、それとも血の繋がりはないけど擬似家族として過ごした自分が刑期を終えて出てくるのを待つのか。
それを安藤さん演じる母は賭けたのかな?という気がしました。
あの家族の行く末は見た人それぞれの心の中にあるんだろうな。
ただどうしても共感しえなかったこと。。。
題名にもなっているのでこの作品の主軸であるのだろうが「万引き」
この家族は万引きや車上荒らしを生業にしなきゃいけないほど困窮していたか?
おばあちゃんの年金もある。
賃金は安いかもしれないけど両親も働いていて妹?娘?もアルバイトしてた。
なのでどうしても生活のためには万引きするしかないよね。という気持ちにはならなかった。
万引きや車上荒らしなど犯罪を犯さなくとも、細々でも真っ当に生きてたらあの家族は別の道があったのでは…と思いました。
リリーフランキー、安藤サクラ、
個人的にはそこまで
偽りの家族を描くことで、家族、人の繋がりを考えさせられる映画。 血...
女優さんあっての映画
自分が成長してから観ると見え方が変わった 当時は意味がよく分からな...
自分が成長してから観ると見え方が変わった
当時は意味がよく分からなくてつまらなかったけど4年経って観ると感じ方が変わった
法的には悪でも道徳的には善だと思う
それに血を越えた絆もあると少し感じた
が、結局本物の家族にはなれず綻んでいき崩壊する
このラストにする必要はあったのか
ネグレクトの親がこれを観たって堪えるわけがない
そんな道徳心は持ち合わせていないだろうし
そうならないように警鐘鳴らしたってなるやつはなるし
色んな社会問題を散りばめたって何も変わらないし映画一つで変えれない
それならエンターテイメントとして気持ちよく終わってもいいんじゃないか
少し観ていて辛いのはこういう社会を見てみぬふりしている自分が分かっているからだろうな
良い映画なんだけど気分は良くない
ただ一つ良い所は、上辺だけキチンとしている家族を装っている家族より、寄せ集めでも仲良く絆のあるこんな家族の方が家族だ
賞は獲っても面白いかは別。
6人の普段の生活を淡々と描いていて、 物語の起伏は大きくない。 食事をしている風景が多く、 リリー・フランキーと安藤サクラの性交の場面も描かれる。 樹木希林が自宅で急死したのは驚いた。
関西テレビで映画「万引き家族」を見た。
劇場公開日 2018年6月8日
家族ぐるみで犯罪を重ねる一家を描いた映画。
リリー・フランキーは食品や釣り具を盗んでいる。
時々は車上荒らしもやってる
安藤サクラはパート先で物品を盗んでいる。
子どもたちは商店で食品や日用品を盗んでいる。
松岡茉優は風俗店で働いている。
樹木希林は松岡茉優の両親から金を受け取っている。
一見家族に見えるこの6人は実は本当の家族ではない。
6人の普段の生活を淡々と描いていて、
物語の起伏は大きくない。
食事をしている風景が多く、
リリー・フランキーと安藤サクラの性交の場面も描かれる。
樹木希林が自宅で急死したのは驚いた。
女の子を虐待していた母親役で片山萌美が出ていたのは意外だった。
松岡茉優の両親の役で緒形直人と森口瑤子が出ていたのはちょっともったいないと思った。
リリー・フランキーといえばマンガ「おでんくん」の作者だが、
役者としてここまで上手いと今はこちらの方が本業だと言えるだろう。
アニメ作品の声優としても上手いと思った。
リリー・フランキー55才
安藤サクラ32才
松岡茉優23才
樹木希林75才
柄本明70才
片山萌美28才
緒形直人51才
森口瑤子52才
是枝裕和56才
上映時間は120分。少し長さを感じる。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
疑似家族と不幸と不遇は、盗みとはリンクしない‼️❓
とてもやるせない気持ちに…
考えさせられる家族のカタチ
【鑑賞のきっかけ】
本作品は、「誰も知らない」(2004年)や「そして父になる」(2013年)で、家族の在り方を描いてきた是枝監督が、新たな発想で、家族とは何かを問う意欲作と感じ、興味深く鑑賞することとしました。
【率直な感想】
本作品で描かれるのは、貧しいけれども明るい5人家族。
そこには、日雇いの父・治と、クリーニング店勤めの妻・信代がいて、息子の祥太、信代の妹・亜紀、祖母の初枝がいた。
家族の生活の頼りは、祖母の年金であったが、足りない部分を「万引き」で賄うというのが、家族だけの秘密。
そんなある日、近所の団地の廊下でひとり佇む少女を、見かねた父が連れて帰る。「ゆり」と名乗る少女は、6人目の家族となっていく…。
「万引き家族」という題名なので、犯罪を何とも思わない人たちなのかと思いきや、そこで描かれるのは、本音を言いながらも、明るく仲良く暮らす家族の姿でした。
住んでいる一軒家からして、どこか昭和の高度経済成長期の、貧しいけれど、強くたくましい家族のような気がしてしまいました。
ところが、この一家のひとりひとりには、ある事情があったのです。
物語が進行するにつれ、次第にこの家族が、「万引き」だけではなく、普通とは違う一家であることに観客は気づき始めます。
このギャップが大変に興味深いところで、家族以上に家族的な一家、それぞれが思いやりの心で、お互いを支え合っているような一家が、その見かけとは全く違う家族であることに戸惑いを隠せないことでしょう。
ここで観客は家族を結びつけているもの、いわゆる絆とは何かを考えさせられることと思います。万引きを容認するような家族であれば、結びつきは単なる「お金」なのか?でも、そうとばかりは言っていられないようなことが、物語後半のある事件を通して明らかになっていきます。
家族以上に家族的と言えば、「ゆり」という少女は、両親から虐待を受けていて、その一家は、家族であるはずなのに、家族的でない家族と言え、この「万引き家族」とは、全く真逆の位置関係にあるのも興味深い点でした。
【全体評価】
万引き家族のそれぞれの役者たちの演技の素晴らしさ、そしてそれを引き出した是枝監督の力量に圧倒された傑作として、満足度の大変に高い作品だったと思います。
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