劇場公開日 2018年6月8日

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万引き家族のレビュー・感想・評価

全692件中、21~40件目を表示

4.5どうこの物語を納得するか。

2023年1月8日
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鑑賞方法:VOD

淡々と話は進む。
映画を見るほとんどの人にとっては現実では起こりえないことである。一方で映画の登場人物のうちの誰かには不思議と感情移入することが出来ると感じた。

この映画を見たあとにどのように自分の中でこの物語を納得するか、が皆それぞれ違うと思う。
私としては、永遠に続く幸せで無くても、たとえ刹那的な幸せでも、無いよりはある方が良くて、良い経験として記憶に残ることは良いことだと思った。
母が言った「本当に幸せだったから、これくらいならお釣りが来る」というセリフに全てが込められてると思う。
ずっと続く幸せではない、と分かっていても、こわがらず思い切ってその幸せを掴むことも悪くない。そんなことを思わせてくれた映画だった。

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YK

4.0かんたんに答えの見つからない問い

2022年11月19日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

家族とはなんだろうかという問いが提示される。さらに、貧困、虐待、犯罪。答えを見つけるのは難しいし、難しいからこその問いかけであろう。

リリー・フランキー、樹木希林、安藤サクラ。子役もよかった。

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惑星

3.0なぜかあまり響かなかった。 どうしてだろう。

2022年9月8日
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なぜかあまり響かなかった。
どうしてだろう。

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井唯

3.5日本のどこかで起きているよう

2022年8月14日
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鑑賞方法:TV地上波

タイトルだけは知っていましたが内容は今回の視聴をきっかけに知りました。
評判作だったゆえに期待しつつも、なんとなく自分は好きじゃない系統な気はしつつ視聴。
みんな自分の利益を求めて集まり、ここで過ごしているうちに、利益だけではない愛する想いが生まれる。
これが大きなテーマであり軸だと思いますが、
一人一人の抱える悩みや葛藤が混ざることで話が複雑になっていきます。
話の簡潔なあらすじの感想だけだと表現しきれない気持ちが視聴後ありました。
とにかく思うのが、この話は実際にありそうな話、ということです。
たまにワイドショーで見る「なぜこの家族はこんな複雑な構成なんだ?」といった感情。
この映画を見ると、こうやってなんとなく集まるんだなぁと思うし、そこに異論を唱える人も居ない。
なるほどなぁ。。となります。
生きづらさを抱える人たちを過ちを犯す前に救える世の中になれば、、というのは綺麗事ではありますが、そんな気持ちになりました。

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りりか

4.5誰もが満たされない心を抱えている

2022年7月19日
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血のつながりはなくても、肩を寄せ合って生きていれば絆が生まれて助け合って生きていける、、、はず?
現代社会の抱える問題を散りばめ、家族とは何かを社会に問うているのかと思ってみていた。
が、あの家族は我々一般庶民そのものではないだろうか?
別社会で生きている家族は、お金で何も無かったことにしようとするし、警察は一般庶民の心情を何も察してはくれず、自分たちの論理をただ押し付けてくる。
これこそが社会の構図そのもののような気がしてならない。
一般庶民が手を取り合い、助け合いながらその社会を生き抜こうとしてもムリなのか!
警察官の「それって、ホントの優しさじゃないよね、、?」がそらぞらしく耳に残る。
本当はだれもが満たされていないんじゃないだろうか。

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emukocyan

5.0お迎えは来ない

2022年7月16日
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鑑賞方法:TV地上波

派手な演出がないので、さらっと話が進んでいくが、見てしばらくしてから、なんかじわじわくる。「捨てる」「拾う」「選ぶ」、そんな単語があらわす人間模様。おばあちゃんは自分で選んで、あの夫婦を引き入れた。夫婦はこすっからく生きていても、凍える子供を拾った。血を分けた子じゃなくても、母になりたかった。父になりたかった。なので、愛を与えた。でも、祥太は愛情だけで育つ時期を過ぎてしまった。社会に出て、他人と関わって生きる能力を、身に付ける時期に来ていた。それは、あの夫婦には与えられないものだった。諦めたように、寂しげに祥太を見る二人。「家族」が解散となった瞬間だった。

ぬくもり、ふれあい、やすらぎ。大人だって必要だけど、小さい子供には特に必要。この家でゆりは愛されることを学んだ。彼女はまだ信代の愛が欲しい。どうしていなくなっちゃったんだろう。また迎えに来てくれないかな。外を見る後ろ姿が切ない。どうか、あの子に手を差し伸べる人が、再び現れますように。

しかし、本当に演技合戦だ。樹木希林、安藤サクラ、リリー・フランキー、この三人は当然として、松岡茉優も体はったし、わずかな出番ながら池松壮亮も印象強かった。柄本明もさすが。高良健吾と池脇千鶴をこう使うとは贅沢。そして、山田裕貴がこんな役で出ていたとは、公開当時は気付かなかった。あと、毎熊克哉がいい男。信代に同感!

初見は映画館、他はフジテレビの放送で。

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ぷにゃぷにゃ

4.0「ベイビーブローカー」に続いて2作目の是枝監督作品

2022年7月6日
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「家族とは」「幸せとは」色んなことを考えさせられる内容でした。

最後に安藤サクラさん演じる母が刑務所の壁越しに話すシーンが心に残っています。
男の子が放置されてた場所と車のナンバーまでちゃんと覚えていたんですね。
今まで本当の親が現れなかったということは子どもがいなくなったのに捜索届けも出さない親だったってことですよね?
あの男の子が本当の親を探すのか、それとも血の繋がりはないけど擬似家族として過ごした自分が刑期を終えて出てくるのを待つのか。
それを安藤さん演じる母は賭けたのかな?という気がしました。
あの家族の行く末は見た人それぞれの心の中にあるんだろうな。

ただどうしても共感しえなかったこと。。。
題名にもなっているのでこの作品の主軸であるのだろうが「万引き」
この家族は万引きや車上荒らしを生業にしなきゃいけないほど困窮していたか?
おばあちゃんの年金もある。
賃金は安いかもしれないけど両親も働いていて妹?娘?もアルバイトしてた。
なのでどうしても生活のためには万引きするしかないよね。という気持ちにはならなかった。
万引きや車上荒らしなど犯罪を犯さなくとも、細々でも真っ当に生きてたらあの家族は別の道があったのでは…と思いました。

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UKmimiko

4.0リリーフランキー、安藤サクラ、

2022年6月30日
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松岡茉優の演技の幅に脱帽。

人恋しさが、偽りではるが、家族を作っていた…

特に安藤サクラが、取り調べで受けた質問に、、声を声を詰まらせ、何度も涙を拭うシーン…
完全に、役に入り込んでるなぁと思った。
凛の歯が抜けるエピソード、セミの抜け殻のくだり、雪だるま…
アドリブだろうか…オリジナリティがあってよかった。

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トッキー

1.5個人的にはそこまで

2022年6月29日
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最初は、単に社会的階層が底辺の家族が万引きを繰り返しながら生活するヒューマンドラマ的な話と思って見ていたが、単なる家族ではなく、それぞれに事情のある関係性だと分かる。
だんだんと関係性が明らかになる流れは興味深い。

映画というよりドキュメンタリーのような雰囲気。
笑いや感動があるわけでもなく、世の中への風刺を淡々と描いている感じ。

ただ、同じように社会的階層の風刺を描いた作品で言えば、パラサイトの方がおもしろい。

評価が高く気になっていたが、個人的には退屈な場面が多々あり、そこまでではなかった。

敢えてありがちな感動ストーリーにしていないところが良いのかもしれない。

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た

3.0偽りの家族を描くことで、家族、人の繋がりを考えさせられる映画。 血...

2022年6月21日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

偽りの家族を描くことで、家族、人の繋がりを考えさせられる映画。
血の繋がり以上に繋がれることもあるのかもしれない。家族以上に癒される繋がりがあるのかもしれない。
家族ではないけれど、たとえバラバラになっても心は繋がっていくんではないだろうか。
樹木希林の存在感と演技力はさすがとしか言えない。他のキャストもやはり良かった。子役の自然な心の変化もすごかった。
キャストの演技力を最高に引き出せるのも、是枝監督だからだろう。

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よっしー

3.0女優さんあっての映画

2022年6月16日
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全員赤の他人ではなく
それなりの関係があっての家族。
家族というテイだが
それぞれがよりどころであり
終わらそうにもそれができない。

おばあちゃんが死んで
家の持ち主、年金、民生委員等
どう立ち回ってもいつかはバレる。
それでもこの関係を終えれない。
場当たり的でとてももろい。
この家族であるから
心の隙間を埋め、依存し、
偽りの家族であっても
それにすがるしかなった人たち。

分岐点がいくつかある
治の骨折。
信代の仕事の解雇。
亜紀の男性客との出会い。
初枝の死。
駄菓子屋での万引きバレ。

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to

4.0自分が成長してから観ると見え方が変わった 当時は意味がよく分からな...

2022年6月14日
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鑑賞方法:TV地上波

自分が成長してから観ると見え方が変わった
当時は意味がよく分からなくてつまらなかったけど4年経って観ると感じ方が変わった
法的には悪でも道徳的には善だと思う
それに血を越えた絆もあると少し感じた
が、結局本物の家族にはなれず綻んでいき崩壊する
このラストにする必要はあったのか
ネグレクトの親がこれを観たって堪えるわけがない
そんな道徳心は持ち合わせていないだろうし
そうならないように警鐘鳴らしたってなるやつはなるし
色んな社会問題を散りばめたって何も変わらないし映画一つで変えれない
それならエンターテイメントとして気持ちよく終わってもいいんじゃないか
少し観ていて辛いのはこういう社会を見てみぬふりしている自分が分かっているからだろうな
良い映画なんだけど気分は良くない
ただ一つ良い所は、上辺だけキチンとしている家族を装っている家族より、寄せ集めでも仲良く絆のあるこんな家族の方が家族だ

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コルチゾるくん

3.0賞は獲っても面白いかは別。

2022年6月13日
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鑑賞方法:TV地上波

全体的にドキュメンタリータッチで作られている為、かなり好き嫌いが分かれやすい作品だと思います。
外国人がまさに好きそうな設定や演出、演技が多いため、賞を獲るのも頷けます。が、正直面白くもないし、そんなに深くもない作品。考えさせられそうで以外と何も考えさせられなかった。
個人的には単調感が否めないので、観ていて飽きました。

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FUNAO

3.06人の普段の生活を淡々と描いていて、 物語の起伏は大きくない。 食事をしている風景が多く、 リリー・フランキーと安藤サクラの性交の場面も描かれる。 樹木希林が自宅で急死したのは驚いた。

2022年6月12日
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鑑賞方法:TV地上波

泣ける

悲しい

怖い

関西テレビで映画「万引き家族」を見た。
劇場公開日 2018年6月8日

家族ぐるみで犯罪を重ねる一家を描いた映画。

リリー・フランキーは食品や釣り具を盗んでいる。
時々は車上荒らしもやってる
安藤サクラはパート先で物品を盗んでいる。
子どもたちは商店で食品や日用品を盗んでいる。
松岡茉優は風俗店で働いている。
樹木希林は松岡茉優の両親から金を受け取っている。

一見家族に見えるこの6人は実は本当の家族ではない。

6人の普段の生活を淡々と描いていて、
物語の起伏は大きくない。

食事をしている風景が多く、
リリー・フランキーと安藤サクラの性交の場面も描かれる。

樹木希林が自宅で急死したのは驚いた。

女の子を虐待していた母親役で片山萌美が出ていたのは意外だった。

松岡茉優の両親の役で緒形直人と森口瑤子が出ていたのはちょっともったいないと思った。

リリー・フランキーといえばマンガ「おでんくん」の作者だが、
役者としてここまで上手いと今はこちらの方が本業だと言えるだろう。
アニメ作品の声優としても上手いと思った。

リリー・フランキー55才
安藤サクラ32才
松岡茉優23才
樹木希林75才
柄本明70才

片山萌美28才
緒形直人51才
森口瑤子52才
是枝裕和56才

上映時間は120分。少し長さを感じる。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。

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ドン・チャック

3.0疑似家族と不幸と不遇は、盗みとはリンクしない‼️❓

2022年6月12日
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何度かの鑑賞で、今回はテレビ録画。
万引には共感できないのに、何故、何度も鑑賞するのか、自分の深層心理に問う。
松岡茉優の演技が、池松と化学反応を起こす時。
小さな少女が奇跡を起こす時。
それは切実で、胸に響く。
松岡茉優は万引ではなく風俗、少女は万引の何たるかすら知らない。
少女を恐ろしい親に返す罪、万引きをさせる罪、この映画の罪は、日本の自殺や交通事故死の罪を超えるだろうか、自問自答する。
何かを考えるために、是非。

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アサシン5

2.0(○´∀`)ゞいやぁ

2022年6月11日
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鑑賞方法:TV地上波

最初はすごい面白いし、俳優、女優陣の演技が素晴らしいのはわかるけども!最後の終わり方胸糞もんでした。。
残念過ぎる…もったいない…
よくこれでカンヌ取れたなって思っちゃいます。
最後まで妥協しないで?

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timu

3.5是枝監督らしい家族の描き方

2022年6月11日
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鑑賞方法:TV地上波

素晴らしい作品ですね。
外からみる家族と本当の家族についてしっかりと問題提議されていますね。
噂通りの良い作品でした。

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A1_Godzilla

4.0とてもやるせない気持ちに…

2022年5月30日
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今年25本目。

貧困家庭が本当にそれっぽく見えた。世帯収入のランクが最下層にいるから変に比較せずに達観している感じとか、下品な話し方とか、卓を囲って鍋に対して皆で箸をつっついてるとこが。

内容については強烈な後味があった。子供たちは仮初めの家族だったとはいえ拠り所がそこにしかなかった。その家庭は万引きはするけど笑顔はあった。しかし家族の秘密が明かされ、離れ離れになってしまう始末。最後の男の子と女の子のカットが本当に虚しい。

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いしばし

5.0邦画で一番好き

2022年5月3日
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鑑賞方法:VOD

やっぱリリーフランキーは汚い役に合うなあ

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あたおか

4.0考えさせられる家族のカタチ

2022年4月4日
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鑑賞方法:映画館

【鑑賞のきっかけ】
本作品は、「誰も知らない」(2004年)や「そして父になる」(2013年)で、家族の在り方を描いてきた是枝監督が、新たな発想で、家族とは何かを問う意欲作と感じ、興味深く鑑賞することとしました。

【率直な感想】
本作品で描かれるのは、貧しいけれども明るい5人家族。
そこには、日雇いの父・治と、クリーニング店勤めの妻・信代がいて、息子の祥太、信代の妹・亜紀、祖母の初枝がいた。
家族の生活の頼りは、祖母の年金であったが、足りない部分を「万引き」で賄うというのが、家族だけの秘密。
そんなある日、近所の団地の廊下でひとり佇む少女を、見かねた父が連れて帰る。「ゆり」と名乗る少女は、6人目の家族となっていく…。

「万引き家族」という題名なので、犯罪を何とも思わない人たちなのかと思いきや、そこで描かれるのは、本音を言いながらも、明るく仲良く暮らす家族の姿でした。
住んでいる一軒家からして、どこか昭和の高度経済成長期の、貧しいけれど、強くたくましい家族のような気がしてしまいました。

ところが、この一家のひとりひとりには、ある事情があったのです。
物語が進行するにつれ、次第にこの家族が、「万引き」だけではなく、普通とは違う一家であることに観客は気づき始めます。
このギャップが大変に興味深いところで、家族以上に家族的な一家、それぞれが思いやりの心で、お互いを支え合っているような一家が、その見かけとは全く違う家族であることに戸惑いを隠せないことでしょう。

ここで観客は家族を結びつけているもの、いわゆる絆とは何かを考えさせられることと思います。万引きを容認するような家族であれば、結びつきは単なる「お金」なのか?でも、そうとばかりは言っていられないようなことが、物語後半のある事件を通して明らかになっていきます。

家族以上に家族的と言えば、「ゆり」という少女は、両親から虐待を受けていて、その一家は、家族であるはずなのに、家族的でない家族と言え、この「万引き家族」とは、全く真逆の位置関係にあるのも興味深い点でした。

【全体評価】
万引き家族のそれぞれの役者たちの演技の素晴らしさ、そしてそれを引き出した是枝監督の力量に圧倒された傑作として、満足度の大変に高い作品だったと思います。

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悶