万引き家族のレビュー・感想・評価
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世間は見て見ぬ振り。
家族の実態が淡々と明らかになって行く過程は目が離せなかった。
登場人物のリアルな日常とセリフに興味を引き付けられた。
それと同時に上から目線で観ている自分がいた。自分とは住む世界が違う、どちらかと言えば関わりたくない人たちの日常を。
だけど次第にこの家族をとても羨ましく見守って観ていた。
登場人物の素性がわかった時には特に驚く事もなく現実社会でよく耳にする話しだなと納得していた。が、その現実社会は実は普通ではなく異常な状態である事にエンディングの音楽でハッと我に返ったのである。
この感覚の根源は自分自身なのか社会のせいなのか。
現実は見て見ぬ振りである。
2020年の東京オリンピックに向けて日本に対する世界の関心がピークになろうとしている今、賞を獲ったことでこの映画は世界中に知れ渡ることとなり、同時に日本の実情をも知らしめること間違いない。
美しい国。おもてなしの国。クールジャパン。万引き家族。
優しさ
冒頭よりの子役の万引きシーンは、闇金ウシジマくんを見てるようで汚いモノを見る感覚になった。
万引きがこの映画の重要要素でないのに、タイトルに付けたのはインパクトをつけて底辺臭を雰囲気付ける為と理解した。
それぞれに家族ゲームに寄せる想いが違うのがいいね。金、優しさ、温もり、ママになること、師匠、母性など求めて寄り添っている。ここでの悲しさは萎縮して生活しなければならないこと。子供たちはそんなことを感じず、屈託無く生活している点が良かった。
あと印象に残ったシーンは、皆さま言われるように安藤さんの取り調べシーンと、エンディングの婆さんに習ったと思われる数え歌をうたうシーン。最後に偽物家族の絆を感じ、優しさを想像できた。
いい映画でした!
タイトルなし(ネタバレ)
疑似家族の始まりから終わりまでを淡々と描いた作品でした。
EDクレジットが無機質なインストだったのが作品に合わせている感じがしてよかったです。
りんが元の家族の元へ戻ってしまったとき、警察に「身体に傷があった。虐待ではないか」的なこと言わなかったのなぜだろうとは思いました。時間経ってて治ってるとか信じてもらえると思ってないとかな気はするけど
2018-69
確かにこれはハリウッドには作れない作品。
だからパルムドールなのかもしれない。
皆さん上手いんだけど、安藤サクラさんの演技がすごかった。
涙を吹いても吹いても、涙がこぼれるところはすごいと思った。
リリー・フランキー、この人は天才。
皆さん、普段通りの家族っぷりを見せてくれるのでたまにセリフが聞き取れない(笑)
でもあんな感じだよね、家族で話すときって。はっきり言わんもん。
セリフらしくなくて良かった。
また、荒川区っていう舞台がいい。
個人的にお隣の台東区には縁があるので、日暮里とか南千住とかあの辺の庶民的な雰囲気がよくわかるし、樹木希林さんみたいなおばあちゃん、パチ屋にいそう。
ほんとにあの辺はいまだに人情の街で、知らない人でも全然喋りかけてきますからね。
他人といえど、ほっとけないみたいなところ。
血の繋がりだけが家族なのか?
答えはNOだと思います。
虐待のニュースとか観ると、胸が痛むし、腹立たしいし、あれは家族じゃないと思う。
この家族、色々問題あるけど、見終わると家族でした。
ちゃんと繋がってた。
皆んなが家で晩御飯を食べてるシーン、家で過ごしているシーンはもう演...
何で繋がるかで変わる未来。
満席の客席。途中小さな地震がありましたが、誰も反応しなかったのは、さすがは東京の人。
事前番組で是枝監督がノートに「犯罪で繋がる家族」と書いてから考えていった作品と聞き、家族のいろいろな形を考えながら興味を持ってみにいきました。しかも10年ぶりくらいに母親と2人で行くという。とてもエモいことをしました。笑
血の繋がっている家族でもうまくいかないこともあるし、何か違う繋がりの家族でうまくいくこともある。人の繋がりの理由なんて、何でもいいんじゃないかと、お互いが必要としあえる、支え合える存在であるならば。血の繋がりがあれば、世間体がいいし、顔も似てるし、他人とは思えない、自分のせいで生まれて来たんだから、責任感がわきやすいというだけ。
ただ、今回の繋がりは社会的に許させることではないから、引き離された。未来のある賢い子供が、真っ当な道を歩むために、新しい道を切り拓いたということ。
最後の流れは、善悪だけでは語れないと思いながら、でも世間は善悪だと思いながら、もやもやした気持ちで見守っていました。
突然画面に現れる高良さんがのイケメンがすごくて、いままで下町の薄汚い感じできてたのに、突然画面に爽やかすぎる異物が現れたと、、、、笑 あのようなお仕事の方だから、思いっきり差をつけたんですかね。。
みんなが幸せになって欲しい、と心から願う映画でした。
無知による貧困の連鎖
年金不正受給、児童虐待…今、日本が抱える問題を詰め込んだ作品。
私は父親が複数回離婚を繰り返し、継母に育てられました。
歳が近いので母というより歳の離れた従姉妹のような感覚でいましたが、結局一緒にいた年月が長いので、色々衝突はありましたが実母よりも心は通っています。
実母とは社会人になり一度暮らしましたが、互いに歩み寄りたいけど何を考えてるかわからないという手探り状態が続き、結局別々に暮らすほうが楽で、たまに食事する関係に戻りました。
だから、成長期に誰といるかは非常に影響します。その人と良好な関係なら、結局年月が長い方が家族になってしまうのです。
風邪ひいたときに作ってくれたお粥、夜更けまで一緒に遊んだオセロ、初潮でオロオロしてたときに教えてくれたこと、受験に合格したら泣いて喜んでくれたこと…一緒にいてくれた人が本当の家族になるのは自明の理です。
検察の言う「本当の母親の方がいいでしょう、産まなきゃ母親になれないんだから」なんて正論は通じないんです。
そして、優しさやいたわりだけで子供を育てられるというのも間違いです。
治たちは、りんと翔太から勉強の機会を奪ってしまっているのですから。
治たちはお金の上手な使い方も知りません。
初枝の年金六万(だったと思われます)と、二人で五万ずつ稼いだとしても16万はいくのではないでしょうか。家賃がかからないのですし、ほぼまるまる使えると思います。私は手取り20万くらいで家賃で三分の一はもってかれますから、光熱費など生活費抜くと下手したら彼らより自由なお金は少ない。
お酒を少し控え、お菓子などのジャンクフードを無駄に買わず、料理の仕方やレパートリーを増やしたり工夫すれば万引きもしなくてすみます。
翔太だって、図書館に行けばいくらでも本を読めるのに。無料のパソコン講座もあるし、子供は見学料が無料の施設もある。
しかしそういったことに頭が働かないのが、貧困による無知なのではないか。
治の「これ(万引き)しか教えられることがなかったんです」というセリフは胸に刺さります。
児童虐待に関して、りんの状態を近隣住人が通報しないことにも苛立ちを覚えます。
家庭内暴力を受けた信代が、「本当に好きだったらギュッとするんだよ」ってりんを抱きしめる場面もしみます。
ケイト・ブランシェットの言う「見えない人々」を生まないために、社会のセーフティーネットはどうあるべきかという問題を突きつけます。
初枝は自分の寂しさを埋める代わりに、彼らの受け皿になったのでしょう。彼女が浜辺で呟いたのは、きっと「ありがとうございました」なのではないでしょうか。
しかし、想像する以上の展開を見せなかったのも事実。監督の考える着地点というのを提示せず、世間で起きている事実をそのまま見せて放り投げている、という見方もできます。
解決できない問題をそのまま提示するのであれば、ドキュメンタリーでもいい。フィクションならではの、着地点を提示しなかったことに若干の不満も覚えます。
一家が離散したあとに実家に戻されたりんちゃんが死んでしまい、それが社会にどう波紋を投げかけるかというところまで描いても良かったのではないでしょうか。
あくまで「家族」のことだけを描きたかったのであれば、あのラストで良かったのでしょうけど、あまりに予想の範疇を越えずに「あー、もちろんそうなるよね、で?」という自分も少なからずいたのでした。
尋問中も彼らに心情を語らせすぎて、せっかく積み上げた〈演技の行間〉が台無しになりかけた。信代の「復讐したかったのかもね」というセリフは陳腐だったと、私は思います。
かりそめの家族の心のひだを丁寧に描写した、俳優陣の演技は(監督がそういう撮影手法をとったこともあり)非常に自然体で素晴らしいものでした。
日本のどこかにいるであろう人々を体現し、観客の心に社会へのわだかまりを芽生えさせたことは間違いないと思います。
カンヌ(西洋社会)はもしかしたら、これほど貧困に喘ぐ日本人の生活を見たことが見たことが無かったのではないでしょうか。
過去の受賞作をみても近年、貧困がキーワードになってます。貧困問題は、世界の共通認識なのだと改めて思います。
※余談
皆で隅田川の花火の音を聞いてるとき、初枝が「隅田川花火は毎年見にいってたけど土砂降りにあったからもういいわ」と言ったのは、樹木希林のアドリブかなと思ってニヤッとしてしまいました。
あの伝説の土砂降り生放送の時に、樹木希林もいましたもんね。
倫理観のない家族
万引き家族というタイトルから、貧乏で万引きで生計を立てている家族の話なのかなと思っていましたが、貧しいというよりもむしろ倫理観がない家族の話でした。倫理観がないから万引きをしても気がとがめないし、怪我で仕事が休めるとなったらラッキーと思うような人たちです。
でも、それって彼らが倫理観が元々ない人々というよりも倫理観を失わざるをえなかった、誠実に生きるために必要な考え方をその境遇によって奪われた人々なんじゃないかと思います。『万引き家族』というタイトルは万引きをする家族ではなく、(道徳的なものを)万引きされた人々の集まりという意味なんじゃないかと思いました。
この家族は最後に散り散りになってしまいますが、それはお互いが大切だったから離れることを決意したように感じました。
ちょっと気になったのが松岡茉優と池脇千鶴の役柄なのですが、松岡さんが演じた亜紀だけはこの家族から切り離されているような印象を受けます。つながりがおばあちゃんだけで、この家族を愛していたかと言うとそうではない、本当の家族への当て付けで一緒に暮らしていたと思うのでこの役の必要性を感じません。松岡さんは熱演していて良い役者だと思いますが、亜紀役がいなくても話として成立するのでは?むしろ亜紀がいることで是枝監督の映画の意図が読みづらくなってしまったように思います。
警察役?の池脇さんの演技についてもなぜ憎たらしい演技をさせたのだろうと疑問です。取り調べのときにあんな嫌なかんじで、弱っている相手を泣かせて追い詰めるような話し方をするでしょうか。もっと淡々としていた方が心に響いたと思います。信代(安藤サクラ)がかわいそう、という感じを出したかったのかもしれないですが。
批判的なことを書きましたがこの映画は観て良かったです。賞を取る映画はやっぱりすごい。面白かったです。
家族のカタチ
切ない…
一言でいうと…切ない…
娘が小二の頃に音読してた「スイミー」
弱い者は塊になり結束すれば強い者に勝つ
赤い目のスイミーは樹木希林
天に召された事で分解してしまった…
擬似家族六人が、皆、笑顔で怒鳴り声は皆無…
でも、その笑顔の奥に潜む深く悲しい闇をそれぞれが抱えている…
笑顔の多い人ほど、深い哀しみを持つとは、まさにこの映画の事。
賛否両論あるけど、私は観て良かった
雑然とした散らかした部屋…でも、誰も片付けなさいとか言わない緩く温かい家庭の群像…
やはり躾は必要ですが、緩い家庭は愛情いっぱいなのかもと少し反省💧
なんて…子育て中の親に気づいて欲しい映画なのかも知れない。
安藤サクラの涙を拭うシーンにグッときます。
なんて切ない涙なんだろう…
樹木希林もリリーフランキーも、辛さを隠して淡々と生きる様が見事です。
家族って自分の全てをさらけ出せる場所
擬似家族の大人が隠していた過去が暴かれた時、全ては動いた。
万引きシーンはどうかと思うけど、これが自然なんだろう
受賞したことで全世界に発信されることは喜ばしい事ではあるけど…万引きは…少し引っかかります^^;
サブタイトルに、家族の絆を本当の親から万引き?盗んだと書かれている事をしっかり表現して欲しいですね。
前に報道で知りましたが、現実に戸籍を持たない子供達が存在するみたいですね…
それを取得するのにも手続きに日数がかかるらしいと…
どこがいいのか意味不明
ややネタバレ?
家族が家族であるために
必要なものは血であるのか
寄せ集めの集団が演じた家族ごっこ
寄せ集め故にまともな手段で生きていくには辛くて
正義が本当に正しかったのか、悪人は悪なのか
様々な事を考えました
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