万引き家族のレビュー・感想・評価
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なんだかなぁ〜
ちょっと極端かも知れないけど
虐待を受けて育った私から見たら……
たぶん、ごく普通に育った方達にはなんとも理解し難い姿でしょう。
この映画の主人公達を漠然と自分達とは全く違う人間だと思って見てるとよけい分からないと思います。
私は虐待を受けながら育ち、成人して家を出たあとも学歴の無さから低賃金の仕事にしか就けなかったりでなかなかうまく行かず無一文になったこともありました。
販売業の仕事した経験からあれほど憎んでいた万引きだってしちゃおうかと魔が差したことなんて何回もあったし他にもここでは書けないような事を考えていた。
だから罪を犯す人と普通の人に差なんて無くて誰だって道を踏み外してしまう可能性は充分にあることも、血の繋がった家族だからって素晴らしい絆があるわけでないこともこの時期の体験から学んでいた私は主人公たちの姿をすんなりと受け入れる事か出来ました。
じゃああの頃の私が実際一度も道を踏み外さず立ち直れたのは人に恵まれたからです。
この映画に出てきた駄菓子屋のおじいちゃんや、虐待されている少女を親から引き離した主人公たちのような人でした。
彼らは決して自己責任だと言って私を突き放さず、生活保護の申請も薦めてくれたし受給開始後も就活しやすいよう支援事業所も探してくれました。おかげで今は仕事も安定して生活保護も利用していません。
しかしそれでも平均より収入が低く、生育環境で一度開いてしまった差を埋めるのは容易ではないことも実感しています。
だから最初現代の貧困をテーマにしてるのかと思いこの映画を見たら貧困以外の社会問題をたくさん入れていて、驚くと同時に涙が止まらなかったんです。
そして救いのないラストで感極まって号泣。涙声を押し殺すのにだいぶエネルギー使った。
正直、万引きはそんなに関係ないと思えるほどメインの描写が重い。
大多数の人たちが気にしているであろう万引きで生計を立てるやり方は生活するに困るため商品が必要なものの、買うためのお金を合法的に得る手段が無い状況を分かりやすく描写するために出したのかもしれません。
これは教育格差によって学ぶ機会が乏しかったりすると普通になり得る状況です。就ける仕事の幅が狭まりますから。
なので社会問題が重なってしまった悲しい結果なんでしょう。弱者に厳しいと、追い詰められた弱者は道を踏み外して新たな被害者を出す可能性が高くなる。そうなると結局国民全員が損するというメッセージもあるんじゃないでしょうか。
あと主人公達の家が物でゴチャゴチャ散らかっているのに、裕福な家庭の家はすっきりシンプルにまとめられているのもリアル。貧しいゆえ満たされない心を物で補おうとしてしまったり、知識がないゆえ駄目な金の使い方して家が散らかるのは私も同じでした。
だけど難しいですね。
こういった社会問題に普段から気にかけていないと示唆するシーンに気づかぬまま「訳の分からない映画」で終わってしまう。
理解できたら理解できたで不快に感じてしまう人がいると思います。
今まで認めたくなくて見てみぬふりしていた世界を否応なく突きつけてくるんですから。
児童虐待。
障害者の風俗通い。障害者が抱える劣等感。自分は必要とされていないという絶望。
未成年の風俗の仕事。
学校に行けない子供。
貧困からの教育格差
血のつながった家族の絆は強い、という理想の家庭像を世間が押し付ける影で出てくる犠牲。
自活できるほど良い仕事に恵まれない大人。
少ない年金で孤独に暮らすお年寄り。
これらの問題を、注意して見ていないと気づかないくらいの自然さで物語にぶっ込んでます。
こうして運悪く社会から見捨てられてしまった人達になにか気にかけた事はあったか?
全部、本人の問題だ自業自得だと片付けて見てみぬふりしてこなかったか?
なのに、テレビやネットの中だけで伝えられる一部の情報だけで全部分かった気になって、「お母さんならそんなことしない。本当の家族はそんなんじゃない」と身勝手な決めつけでしかない事をあたかも正しい事かのように押し付けてこなかった?
それで、一人の幼い子供が虐待を受ける家庭にまた戻され、傷つけられ、充分な教育を受けられる機会に恵まれなくなったとしても「どうせ他の誰かが、政治がなんとかするでしょ」と他人事に思ってない?
一度ちゃんと考えてくれないか?これらの問題について。
……こんなことを静かに静かに伝えてくるような映画だと感じました。
じゃあどうすればいいの?という問いに答える存在が駄菓子屋のおじいちゃんなんだろうし、非合法的とはいえ虐待されてた女の子を親から引き離して助けた主人公達なんだろうし。
血がつながっていなくたってお金が無くたって一軒の家に集まって過ごす主人公達ののほうが本当の家族に見えるのがこの映画の肝かのかなと思いました。
家族というのは自然に出来るものではないという事なんでしょうか。
前述した虐待を受けて育った経験から
「冷めた肉親よりも優しい赤の他人」
「家族は自然になるものではなく、努力してするもの」
という考え方が元々ある私はこの描写を違和感なく受け入れられたけど、大多数の人にはやっぱりしっくり来ないんだろうな。
上映が終わったあと劇場の中で「なんかよく分からなかった」と戸惑う声がちらほら聞こえていたし、号泣してたのも私だけだった(笑)
まあごく普通の人生においてこんな生活は縁遠いものですからね…。本当にごく普通に育った人からしたら石油王の1日、みたいに非現実的だと思う。。でも現実なんです……これがまた気が滅入る。
観客達のこの「よく分からない」という反応もまたこの映画の一部に感じられて感慨深い。
でも誇張でもなんでもなくこの日本でもこんな人達がいます。皆が気づかないだけでこんな世界が本当にあります。
そんなことを映画にして多くの人達に伝えようとしたのだから是枝裕和監督はすごいですね。
そしてこの映画に込められた想いを感じ取ってカンヌ国際映画祭のパルムドールを授けたこの世界に希望を感じます。
この映画を作ってくれて感謝の気持ちさえあります。
私も他人事で済まさず困っている人達を助けられるよう常日頃から気をつけようと思います。
本当にありがとう。
意図的に底の浅い貧困から、考える。社会問題。
基本的に日本の貧困なんて、たかが知れてると思う。
今、体さえ健康なら、仕事なんていくらでもある。
建前言うな!って意見もわかるけど、
生きるために、なんでもする覚悟あればの話だけど。
なんでもっても、犯罪じゃないよ。
ひとつ例を挙げれば、殺人の犯人が、何年も普通に仕事して、何年も潜伏してたじゃないですか。
そんな日本社会の問題と、家族の本当の絆とは何か?
を考える映画なんじゃない?
他人だけど家族を明るく描くと、海街ダイアリーになり、
社会問題とからめると、万引き家族になる。
貧困とか、虐待とか、本当に解決したいなら、
政治家か、官僚になって
根本、法律から変えるしかない。
いろいろ問題もあるけど、社会的に救いの道は結構あるよ。
映画では、フランキーが実際、事件発覚後になんらかの支援により、家に住み、生活してた姿描いてた。
もちろん、解決すべき問題も多々あるのも事実だけどね。
あと、自分に今すぐ自分に何が出来るか?
って問題意識持ってた、立派な人も、いるみたいだね。
簡単に出来事の一つは、挨拶。
ひとり暮らしのご老人に、こんにちは!
子供の通学時に、おはよう!
すべては、そこからスタート。
ご近所づきあいの、大切さと、面倒くささ
を、見直して、良い折り合いの付け方があればなー。
お役所仕事と、馬鹿に、しがちだけど、
役所の人も、民生委員のひとも、結構相談に乗ってくれるよ。
映画としては、演技みんな素晴らしかった。
それだけでも、見る価値あると思う。
子役の自然な演技は、特筆もの!
安藤、松岡も、評判どうり良い!
で、星4つです。
考えさせられる作品
色々な目線で見てほしい
楽しい映画では無いが、、、。
容赦ない子どもの目線
よくこの映画を『御涙頂戴』とかいう人がいるが、しっかりと見ていないのでは?
本編で描かれているのは胸が詰まるような生々しい子どもの成長だ。
多くの方が丁寧なレビューをされていると思うので個人的にグッときたところを1つ。それはしょうたもりんも自分にとってのあるべき家族の形を模索し始めるところ。
しょうたは万引き一家の歪さに気づき、りんは元の両親に違和感を覚える。特にラストのりんの目線にその強い思いを感じた。
何度も見返したいほどのディテールが作り込まれた秀作です。
最高にイミフ
ネグレクトされた子供を盗んで耄碌ババァの家(他人)に寄生している底辺カップルの話(意味不明)
ババァはと言えば旦那に棄てられた腹いせに再婚した旦那の孫を何故か自分の下で生活させている(意味不明)
やたらとババァに懐いてるオーストラリアにいるはずの旦那孫(風俗嬢)
設定が無茶苦茶なのに伏線回収も満足に出来なく、R15指定くらいの映像も出るわもう滅茶苦茶です。
「盗んだのは絆です」もう意味不明過ぎて腹痛い。
六人にとってあの家は「楽園」
公開後すぐに一回目の鑑賞。ノベライズを読んで見落とし部分を含めておさらいし、まもなく二度目の鑑賞。それから、レビューを書けずにいた。
昨日、本を借りたいという知人に、渡すときに「どんな話?あらすじ知ってるから感想言っていいよ」と言われて、この映画の想いをしゃべりだした。
しゃべりだしたら止まらなくなった。
ショウタって名前はってことから始まり、この六人はどんな人たちなのか、花火のシーンのアングルの秀逸さや、「ありがとうございました」や「とうちゃん」の声にならないつぶやきから、最後には信代が菩薩様に見えた感想にいたるまで。しゃべるのをやめたのは、胸が詰まってしゃべれなくなったからだった。
そりゃあ万引きを肯定なんてするわけがない。犯罪であることに疑いはない。だけど、法にのっとった正義が、すべて正義なのか?ってずっと考えている。「万引きくらいしかできない」弱い人間も生きていける社会であるべきだよなって思う。
是枝干拓の映画は、面白い
さすがパルムドール受賞
人間の性を見せつけられる演出に拍手!
素晴らしい!
とりあえず安藤サクラさん最強説。
子役の2人も本当にかわいくて演技も上手で。
内容も、重くて余韻が残るけれど、でもスッと心に入ってくるような作品でした。切なくてもどかしくて、どこか温かさもあり。語彙力がないのでどう言葉にしていいかわかりませんが、いい映画でした。観てよかった。
因みに観終わった直後もふつうに感動しましたが、家に帰って布団に入っても余韻が抜けず、色々なシーンを思い返していたらなんだかじんわり泣けてきました。きっとこれは後から来るタイプです。後から映画に込められた思いや監督が伝えたかったのであろうことがじわじわと理解できて感動します。ラストシーンの素晴らしさも。
だから、観おわってすぐに「よくわかんないかった!つまんない!」と考えることをやめずに、せめて一日だけでも、この映画のことを思い返してみてください。
誰も幸せになってない
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