万引き家族のレビュー・感想・評価
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何が正しいかなんて分からない
立ち位置、見え方で色々なものや思いや考えが変わる。
頭では分かっていてもやはり多角的に見ようとしなければ中々見えないし、気付かない。
それくらい人って普段は一面しか見えてないと思う。
自分からしたら治なんてマジでクズで馬鹿で嫌悪感しか抱かないタイプの人間だけど、信代にとっては愛おしい人であるし、祥太やりんにとっては助けてくれた恩人でもあり、父親らしい一面も見せている。
あのあと、果たして誰がどういう風になるかは分からないけど本当に良かったと思える人は誰なんだろう?と。
願わくばせめて祥太とりんが不幸にならないで欲しいなと思わずにはいられなかった。
是枝ブルー
是枝監督が作る画の、なんとも言えない雰囲気が好きで、是枝ブルーとでも言うんでしょうか、いいなぁ。
さて、話題の映画はひたすら闇を描いて話が進んでいく。
もう笑っちゃうほど闇しかない。一層R指定なんかせずに、教育現場でも流して、コレがジャパンだよ、って事を子供にも教えたらいいと思う。港区あたりで生活してる人はほんのひと握り、こんな家族だって意外と近くにいるかも知れないって。
絶望的な話が続いていく中、一瞬垣間見える父性や母性に気持ちが救われる。ラストの演出も心揺さぶられる。
昔は貧しくても慎ましやかに生きられた。今は貧しく慎ましやかにしてたら社会に気づいてすらもらえない。
切ない映画だった。
でもとても長い。途中退席したくなければ直前にトイレを済ませて欲しい。
しかし、是枝監督はいい子役つかまえるなぁ。
この子役達が数年後、また驚くような芝居を見せてくれることを期待してます。
それと、レビュー見てて怖いなって思った。
自分は映画の感想や備忘録に使ってるんだけど、“許す”とか“許さない”みたいなのが混じってて、そう言うのに触れると残念な気持ちになるんだよね。観ない選択だってあるじゃない?それでよくない?
ただ生きる
リリーフランキー演じる治は、一見冴えないコソ泥中年なのだが、運命的に救いが必要な人間に出会い、受け入れ、救済する。
冬の寒い日にアパートの廊下で凍えていた少女。
前夫に殺されるところだった行きつけのスナックの女。
車上荒らし中、パチンコ屋の駐車場で車内に置き去りになっていた赤ん坊。
皆、治が出会わなければ、この世に居なかったであろう人々。
世間の人の目に触れられず、この世を去ってからようやく気づかれる人々。
治は、生活するのに必要なだけ盗み、救われた人々とただ生きる。季節の移ろいと心の触れ合いを糧にただ生きる。
この作品は社会的事件をモチーフに、実際に居る、居たであろう人々に、焦点を当て問題提起しつつも、
治の存在によって、寓話となり、救済の物語になっている。
時代が代わるたび、繰り返し見直されるであろう名作である。
強い女たち
この作品に登場する女性たちは、皆強い女たちだった。昨今の顔だけよくて芝居はてんでダメな女優とは比較にもならない。それほどの強さを感じる映画だった。
安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林の三者は素晴らしい強さを見せつけ、各々の女魂を見せてくれた。「ああ、これが女優だな」と改めて感じさせてくれる演技。それぞれ世代の違う女たちが、それぞれの個性を最大限に生かしていた。
そんな彼女たちの最後に待っているのは、理解はできるが納得のいかない、当然の結末。
安藤サクラと松岡茉優の池脇千鶴を睨み付ける眼に注目しつつ、女性の強さを感じる映画。
深すぎてわかんなかった
映画を見終わったあと意味がわからなくて感想などを見る中で意味を理解しようとしています。。
社会問題を集めた映画だったんですね
この映画を否定する人は心無いって言ってる人がいるけど、少なくともその人達も映画を見ることができている富裕層の中の一人で、ホームレスを横目に通り過ぎているのだからあんまり人として変わらないんじゃないかなー
社会問題って誰が解決するんだろうー
というところまで考えて何かボランティアでもしようかな、という気持ちにさせられたのはこの映画を見たメリットだと思います。
いつまでも胸に残る作品でした
パルムドール受賞もあって、少しのんびり目での鑑賞です。
まずリリー・フランキーを始めとするキャスト達が実に絶妙。彼らの芝居を見ているだけで楽しいのです。
中でも安藤サクラが素晴らしく、ケイトブランシェットが絶賛していたのも納得の演技でした。
そして樹木希林。彼女の芝居には化け物じみたものさえ感じました。実に自然なのに存在感がものすごいんですね。
美術面でも細かい配慮が感じられ、とてもごちゃごちゃした家の中も、なぜか居心地の良い美しさを感じます。是枝作品に見られるあの色使いも良いんでしょうね。
また本当に無駄なカットがなく、最初から最後まで実にきれいに収まっています。ラストの止め方も美しく、全体的にカメラがとても上手だった印象です。
根底には万引等犯罪が横たわっているものの、彼らには家族の絆をとても強く感じ、歪ながらもその家族像には愛おしさすら感じるのです。
どこから見ても優しさに溢れた家族が、この作品では描かれていました。
「捨てたんじゃないです。誰かが捨てたのを拾ったんです」
劇場を後にしてからも、このセリフがずっと胸に残っています。
美しくて、本当に素晴らしい作品でした。
この映画は救われない。 最初が仲のいい"家族"だっただけに、最後の...
この映画は救われない。
最初が仲のいい"家族"だっただけに、最後の終わり方は非常に胸糞悪い。
でも心のどこかでこうなってしまうのではないか、と心配していた。
普通のような家族。女の子拾ってきて暖かく迎え入れ、そしていつの間にか家族同然として全員楽しい日々を送っていた。
このまま終わるわけが無いと思っていたのだが、やっぱり最後はああなってしまって…。
せめてちょっとだけでも何か幸せに感じる演出があって欲しかった。
でも素晴らしい。
構成、展開、終わり方。全てが完璧で、さすがパルムドールといった映画だ。
今年心に残るかなり上位の映画になることは間違いないと思います。
この映画がつまらん?
この映画のテーマは万引きじゃないですよ。
万引き美化してるように見えます?万引きはダメだよって言ってるようにしか自分は思えなかったですけどね。
この映画のテーマは人と人の繋がり、本当の優しさとは?、家族って?、愛とは?……。今の日本に痛烈な皮肉と嫌味、綺麗なものだけを見過ぎている人たちに真実を教えてくれてる映画です。
万引きや年金の話なんてどうでもいいんですよ。見せたい描きたいのはそんなところじゃないと思いますよ。
絆、ハートですよハート。
奥田さんの娘さんに海で樹木希林さんが、亡くなる前『あなたよく見ると綺麗だね 綺麗よ………』
あの一連のシーンが好きです私……。
深いし本当に優しい映画ですよ………。
この映画良くないって言う人とは自分友達になれませんね。
後半警察とのやりとりなんて正に今の日本、愛の無い上っ面だけで人と話す人たち。そうじゃないだろ?って
スクリーンに向かって思わず声が出そうになってしまった自分。
少なくともこの映画のテーマを理解できる自分は、向こう側の人間じゃない。
とりあえずよかった。
これからも精進して生きていきます。
この映画は良い映画ですよ。
現代のこの国に生きる私たちに向けられた優しさと厳しさ
是枝監督の映画を観ていると不思議と今まで自分が生きてきた中で出会った誰かを思い出す。
あるとき突然夜逃げしていなくなった近くに住んでいた一家の事とか、給食費が払えず学校になかなか来なくなった同級生とか。
ある時まで一緒に普通に過ごしていたはずの子の家庭が少し道を逸れて、普通の生活が出来なくなってしまう。でも、彼らはその後もどこかで生活を続けていて…そんな人たちの事を思い出す映画だった。
そしてこの映画を観て思うのは現在も現実の社会で続く痛ましい事件の数々。犠牲になるのは罪もない人たち。
育ってきた環境や、ふさぎ込まれた世界の中でしか生きてこられなかった人たちがこの社会のどこかにいて、何かのきっかけで爆発するときがやってくるのだろうか。
身内の支えがなくなったとき、辛い状況に置かれた人々はどう生きて行かなきゃいけないのか、同じ時代に生きる者として深く突き刺さる作品だった。
私には良さが全く分からない
キャストの演技が上手い。
良い点はただそれだけ。
何も残らない。
何も感動しない。
伝えたいことは分からなくもないが
個人的には、
伝え方が中途半端だから
感情移入できないのかな
そういった印象の映画だった。
…不完全燃焼感が…なんというか…。
終始イライラ…こんな映画は今までにない。
好き嫌いは別れるかも。
以上。
こんなにエンドロールに違和感のある映画は初めてだった ミッドタウン...
こんなにエンドロールに違和感のある映画は初めてだった
ミッドタウン日比谷で見たけど、こいつらはどんな気持ちでみてんだろ
まあ、私含め
映画の中も外も私もみんな自分のことばっか考えてた
せつない。
悲しいというか、せつない。
何のつながりをもって
「家族」というのか。
血の繋がりだけが「家族」じゃない。
勿論、殆どの場合、それが「家族」ではあるのだけど。
私はこの万引き家族は「家族」と思った。
特別「家族」らしいことはしてないけど
それこそ「家族」なんじゃないかと。
「産まなきゃよかった」と思うなら、
殴って寒空に出しっぱなしにしとくなら
もう、それは、「家族」ではないんじゃないかと。
いろんな「家族」の在り方があるとは思うけど、
結局、助け助けられお互い成長しながら「家族」って造られていくのだなぁ。
なんとも言えない人間ドラマ
なんていう一言ではまとめられない作品。
本当に是枝監督は人間模様が絶妙で惹き込まれる。
そしてキャスティングが逸材。
皆さん素晴らしい役者さん達だけどなんといっても安藤サクラさん。
終盤の事情聴取を受けながら泣くところは本当に素晴らしい。
松岡茉優ちゃんもいっきにファンになった。
ところで松岡茉優ちゃんは本当の家族の元へ帰ったのだろうか..
賞を取りこんなに話題になる前から観たくてたまらなかった作品。
ようやく観れて良かった。
久しぶりの日本の映画を観て感動。
ちょー久しぶりに日本の映画を観たから楽しめた!
最初のシーンのロングテイクとロウアングルのカメラ目線が良かった。
豪華なキャスト・子役など含めて◎
なぜかは知らないけど、エロなシーンのカメラアングル中途半端で嫌だった。
お話おばあちゃんが亡くなったシーン泣けた!
この映画が賞をとって正解だと思った!
今まで日本の映画でも海外映画でも無い一面を観れた事が嬉しかった!
もっと雨のシーン出して欲しかった!
ひかる
見えない花火と、蜜柑、ビー玉、雪だるま
初枝おばあさん(樹木希林)の年金と、日雇い労働(リリー・フランキー)やクリーニング工場のパート(安藤サクラ)、風俗店での仕事(松岡茉優)、それに万引きなどの犯罪で暮らしている一家。
一家には小学校学年ぐらいの少年(城桧吏)もいるが、学校に通っていない。
そんな一家はある日、ネグレットされた幼女(佐々木みゆ)を見つけ、いたたまれなくなって、一緒に暮らし始める・・・
といったところから始まる物語で、家族という最も小さな社会集団を撮り続けてきた是枝裕和監督の集大成ともいえる作品。
フィルムで撮影したと思われる(エンドクレジットに「フィルム現像」という役割があった)画面は、これまでの是枝作品の中では、もっとも暗く沈んだ画面で、台詞も耳をそばだたせないと聞き取れないほど不明瞭。
雑然とした一家の家のなかは、ごみごみとしていて、リアル。
どちらかというとあまり好きなタイプの画づくりなのだけれど、観ているうちに、登場人物から目が離せなくなってきます。
「盗んだのは、絆でした。」という謳い文句や、一家団欒の雰囲気が漂うポスター写真などから、わかりやすいヒューマンドラマにみえるように宣伝されているが、内容はそうではなく、家族という最も小さな社会集団と、いわゆる一般社会という大きな社会集団(終盤登場する警察が代表)とを対比して描いています。
そこで描かれるのは、正しいことと正しくないことの境界線のあやふやさと、「正しいこと」を決めつける危険さ。
たしかに、一家がやっていることの多く(そう多くないのかもしれない、成人した3人は何かしら仕事をしている)は、犯罪だったとしても・・・
演出で、はッとさせれたシーンがいくつかあり、是枝監督らしいなぁと思ったのは、
中盤の墨田川の花火大会のシーン。
縁側に、ばあさんと日雇いがふたりならんで音を聞いているところへ、ほかの皆が集まって来て、音を愉しむ。
たぶん、この映画の肝。
花火は見えない、見えないけれどそこにある、音でわかるじゃない、あるってことが・・・
見えないけれど、あるもの。
そして、それは美しいものであるはず。
美しい花火を見えないところで音だけ聞く、というのは、花火の観方としては「正しくない」だろうけれど、それはそれでも善いのではありますまいか。
その他、同じようなモチーフを用いる演出も是枝監督らしい。
少年が幼女の万引きを庇って、自らが店員に追いかけられるようにして、高架道路から飛び降りるシーン。
飛び降りた少年の姿は見えず、その代わりに道路に散らばる蜜柑が映し出される。
少年の中からはじけ出たような、丸い蜜柑・・・
もとの両親ももとに戻された幼女が眺めるビー玉の数々。
色とりどりの丸い綺麗なビー玉・・・
丸いものは、もうひとつ。
雪の日の夜に、日雇いと少年のふたりがつくった雪だるま・・・
丸いものは、何かの象徴。
こういうモチーフをうまく使うあたりが是枝監督らしいですね。
わかりやすいヒューマンドラマドラマではないですが、これぞヒューマンドラマといえる映画で、心にずっしりと来ました。
安藤サクラと松岡茉優、それに樹木希林
安藤サクラのよさの全てが出ている。松岡茉優が風俗嬢を演じている。これに、真冬に外にいたので拾ってきた5歳くらいの女の子ゆり/りんが入るのだが、樹木希林が凄みのある老女を演じている。四人の女性たちと二人の男。タイトルは万引き家族、全編ほぼそのような物語なのだけれど、この家族がどのように出来上がっていったかを知るとより深みは増すだろう。長い時間をかけて撮っていったのではないかという気がする。柄本明が出ている。
暴力シーンはほぼない。しかし、傷ついた人々ばかりがいる。暴力シーンが隠されているために迫力に欠ける部分はある。想像力で補うしかない。
是枝裕和がこれまでテーマにしてきた現代日本の抱える諸問題が、つねに提示され、居心地はけしてよくない。翔太という名前がキーワードか。
万引き、誘拐、死体遺棄等々、犯罪のオンパレード。「誰も知らない」の別バージョンとも言える。
凄まじいインパクトを貰える映画
インパクトのある場面ばかりだった。スーパーで万引きしたり駐車場の車の窓ガラスを割る場面からコロッケを買う場面まで。季節は冬から夏か。元から貧乏だった家族は劇の終わりに向けて不幸な出来事が重なり家族の状況は苦しいものとなる。家の中は薄暗くこの家族の存在を体現しているかのようだ。所々これはPG12でいいのかと思うような箇所もあるがより多くの観客に見てもらおうという気持ちからなのではないかと推測する。しかしこの作品が地上波放送されるのが待ち遠しい。
賛否両論の代表作
まず、終わり方がすっきりしないので何も考えずに観る方にとったらお金無駄にした、と思うかも知れません。
しかし、さまざまな可能性を考えていく方にとったら深く余韻に残る映画となっていると思います。
好き嫌いはとてもはっきりする映画だと思います。
私はとても好きの部類でした。
それは、この映画を正当化している訳でなく、日本の社会や人との絆、罪など様々な問題が上手く取り上げられており、有るべき作品だと感じたからです。
また、監督と演者とで作品を作り上げているのがとても伝わってきており、演技力のある役者さんばかりだったので人物にとても惹き込まれました。
子役の使い方も上手く、ある意味子供が主人公のようにも感じられます。
この映画を否定する人は心がない、とかでもなくこの様な家族の在り方や問題の投げかけ方が人によって好みがあると思います。
理解し難い現実を描いているからこそ、今まで社会とどう付き合ってきたかどのような考え方を持っているのか、そのような人々によって評価は大分別れます。
恐らく、仲の良い友人同士で観に行っても真逆の感想になることもあるかと思います。
私は、映画館で観て良かったです。
集中してこの作品に向き合うことが必要であったと思うからです。
おためごかしでも家族は家族。絆は絆。愛は愛。
子どもを万引に利用する。自分の身が危うくなれば子どもを見捨てて逃げる。お婆さんが死んでも届け出ずにそのまま年金をもらう。相手のためではなくて、自分の寂しさを埋めるために、生活をともにする。筋書きだけを追っていくと「この疑似家族に本当の絆なんてなかった。」という結論付けもできるだろう。でも『自分を犠牲にしてでも相手を思いやることができなければ、「絆」がない』なんて誰が言えるだろう?そんな高潔な人間がどこにいるんだろう。自分が損なわれない範囲で相手を大切にするということは、相手を大切にしないよりずっといいことじゃないか。寒い冬に家出した少年を迎えに怪我した足を引きずって迎えにいく父親のシーン。音だけの花火を聴きに家族全員で縁側から顔を覗かせるシーンには、確かに愛や絆があったと思う。愛や絆は、ニュースや取り調べで掘り出された後付けの筋書きじゃなくて、瞬間瞬間の細部に宿るものだから。
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