万引き家族のレビュー・感想・評価
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信じたい
なにかとても美しいものを観た気がする、なんなんだろう。
ストーリーを思い返せば、薄汚いものばかり見せられていたんじゃないかとも思うんだけれど。
こんなはずじゃなかった人生の吹きだまりに、立ちのぼった陽炎のようなものだからでしょうか。必死で目を凝らして見つめてしまった。
ゴミ袋を一人で蹴って、そして立ちすくむ。たまらなく胸に迫りました。
それぞれの本当は欲しかった人生が、陽炎の中でゆらめいて、やっぱり消えて。
でも、そこでしか育むことのできなかったものは確かで力強い。そう信じたいのです。
キャストが見事にハマってました。子ども達が素晴らしかったし、当代一の女優さん達の競演は見応えありました。
樹木希林はもとよりですが、安藤サクラ×池脇千鶴、すごかったぁ。
アキの母親、森口瑤子も絶妙でした。
家族愛というより…
個人的には、家族愛というよりも、貧困などの問題を抱えている者たちに対する世間の冷たさがテーマかなと感じた。
少ない年金で孤独に暮らす老人、その年金を当てにする子供の居ない夫婦、風俗で働く未成年、学校に通えない子、虐待を受けている子、これらの人々は幸せに生きて平和ボケしてる我々の視界には入らない。
血の繋がりは無くても、家族だと思うなら家族だと思う。ただ、血の繋がりがあろうと無かろうと、時に家族は壊れてしまう。
家族の絶妙なバランスを保っていたおばあちゃんが亡くなる。そして治の万引き置引き行為に祥太が疑問を持ち始めたところで「この家族はもうすぐ終わるんだろうな」と予感した。
正直、万引きをしなくても済むくらいの収入があれば、こんなに早く家族が壊れることはなかったと思う。治は愛情はあれど、万引きくらいしか教えられない甲斐性なしの情けない男だが、この情けない姿こそが現実的なのだ。
アラサー女の私としては、信代が警察に詰問され、言葉にならず泣くシーンはかなり心をえぐられた。シクシク涙を流すでもない、わーわー鳴咽を漏らすでもない、無意識に流れ落ちてしまう涙を手で拭っても拭っても涙は止まらない。子供たちにとって自分は母親になれていたのか?自分の自己満だったのか?
そうだ、子供たちに親が必要というより、この夫婦にとって子供が必要だったのだ、と感じた。治と祥太の別れのシーンでも、未練を残しているのは治なのだ。
バラバラになった家族。でも、あのとき、お互いに必要だったのは間違いないのだ、と私は思う。信代が言う通り、楽しかった、のだ。もう一緒に居られないけど。
亜紀が風俗のバイトの時に実妹の名前であるさやかと名乗ったり、治の本名は祥太であったことなどは色々考えた。亜紀はさやかに憧れていたのか?治は自分が成し得なかったことを祥太に託したかったのか?うーむ、皆さまの考察も知りたい。
さすがパルムドール
見る前から嫌が応にも情報が入ってきたこの映画。
見終わった感想は、とても考えさせられる作品でした。
やっていることは悪いことなんだけど、全ては悪じゃないというか…非常に世の中を斜めからフォーカスしたメッセージ性を感じました。
見る人にとって捉え方が違う作品のようにも思えました。
こんな現実があるんだけど、みんなどう思う?みたいな。
なので評価が別れると感じます。
是枝監督の作品で個人的に好きなのはアングル。
万引き家族全員で花火をみているシーン。
安藤サクラが何と呼ばれていたか警察から聞かれたシーン。
挙げればキリがないですが、とても印象に残る描写が多かったです。
個人的には少ない人数で見る事をオススメします。
万引き家族は本当の家族でないけれどアットホームな感じでこれが理想な...
万引き家族は本当の家族でないけれどアットホームな感じでこれが理想な家族だな思いました最後はいろいろと考えさせる内容だったけれど凄く感動しましたそれに是枝監督作品の中で一番バルムドールに相応し作品だと思いました
何が幸せなのかを問われている気がした。捨てられないモノにあふれた汚...
何が幸せなのかを問われている気がした。捨てられないモノにあふれた汚れた家、素麺の食べ方など、隅々までの細かい描写に生活感が溢れ、虚構の家族がより現実的に感じられた。
血の繋がりが心の繋がりとはかぎらず、とは言っても血の繋がりほど濃い...
血の繋がりが心の繋がりとはかぎらず、とは言っても血の繋がりほど濃いものもないと、何とも反発する二つの間を行ったりきたりしてしまう感じ。多くを語らず進む世界は色々考えさせられた。
何に驚いたって池松壮亮の出番が一瞬過ぎてまじ‼︎ってなったよー!ww4番さんーー‼︎
何が正しいかなんて分からない
立ち位置、見え方で色々なものや思いや考えが変わる。
頭では分かっていてもやはり多角的に見ようとしなければ中々見えないし、気付かない。
それくらい人って普段は一面しか見えてないと思う。
自分からしたら治なんてマジでクズで馬鹿で嫌悪感しか抱かないタイプの人間だけど、信代にとっては愛おしい人であるし、祥太やりんにとっては助けてくれた恩人でもあり、父親らしい一面も見せている。
あのあと、果たして誰がどういう風になるかは分からないけど本当に良かったと思える人は誰なんだろう?と。
願わくばせめて祥太とりんが不幸にならないで欲しいなと思わずにはいられなかった。
是枝ブルー
是枝監督が作る画の、なんとも言えない雰囲気が好きで、是枝ブルーとでも言うんでしょうか、いいなぁ。
さて、話題の映画はひたすら闇を描いて話が進んでいく。
もう笑っちゃうほど闇しかない。一層R指定なんかせずに、教育現場でも流して、コレがジャパンだよ、って事を子供にも教えたらいいと思う。港区あたりで生活してる人はほんのひと握り、こんな家族だって意外と近くにいるかも知れないって。
絶望的な話が続いていく中、一瞬垣間見える父性や母性に気持ちが救われる。ラストの演出も心揺さぶられる。
昔は貧しくても慎ましやかに生きられた。今は貧しく慎ましやかにしてたら社会に気づいてすらもらえない。
切ない映画だった。
でもとても長い。途中退席したくなければ直前にトイレを済ませて欲しい。
しかし、是枝監督はいい子役つかまえるなぁ。
この子役達が数年後、また驚くような芝居を見せてくれることを期待してます。
それと、レビュー見てて怖いなって思った。
自分は映画の感想や備忘録に使ってるんだけど、“許す”とか“許さない”みたいなのが混じってて、そう言うのに触れると残念な気持ちになるんだよね。観ない選択だってあるじゃない?それでよくない?
ただ生きる
リリーフランキー演じる治は、一見冴えないコソ泥中年なのだが、運命的に救いが必要な人間に出会い、受け入れ、救済する。
冬の寒い日にアパートの廊下で凍えていた少女。
前夫に殺されるところだった行きつけのスナックの女。
車上荒らし中、パチンコ屋の駐車場で車内に置き去りになっていた赤ん坊。
皆、治が出会わなければ、この世に居なかったであろう人々。
世間の人の目に触れられず、この世を去ってからようやく気づかれる人々。
治は、生活するのに必要なだけ盗み、救われた人々とただ生きる。季節の移ろいと心の触れ合いを糧にただ生きる。
この作品は社会的事件をモチーフに、実際に居る、居たであろう人々に、焦点を当て問題提起しつつも、
治の存在によって、寓話となり、救済の物語になっている。
時代が代わるたび、繰り返し見直されるであろう名作である。
強い女たち
この作品に登場する女性たちは、皆強い女たちだった。昨今の顔だけよくて芝居はてんでダメな女優とは比較にもならない。それほどの強さを感じる映画だった。
安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林の三者は素晴らしい強さを見せつけ、各々の女魂を見せてくれた。「ああ、これが女優だな」と改めて感じさせてくれる演技。それぞれ世代の違う女たちが、それぞれの個性を最大限に生かしていた。
そんな彼女たちの最後に待っているのは、理解はできるが納得のいかない、当然の結末。
安藤サクラと松岡茉優の池脇千鶴を睨み付ける眼に注目しつつ、女性の強さを感じる映画。
深すぎてわかんなかった
映画を見終わったあと意味がわからなくて感想などを見る中で意味を理解しようとしています。。
社会問題を集めた映画だったんですね
この映画を否定する人は心無いって言ってる人がいるけど、少なくともその人達も映画を見ることができている富裕層の中の一人で、ホームレスを横目に通り過ぎているのだからあんまり人として変わらないんじゃないかなー
社会問題って誰が解決するんだろうー
というところまで考えて何かボランティアでもしようかな、という気持ちにさせられたのはこの映画を見たメリットだと思います。
いつまでも胸に残る作品でした
パルムドール受賞もあって、少しのんびり目での鑑賞です。
まずリリー・フランキーを始めとするキャスト達が実に絶妙。彼らの芝居を見ているだけで楽しいのです。
中でも安藤サクラが素晴らしく、ケイトブランシェットが絶賛していたのも納得の演技でした。
そして樹木希林。彼女の芝居には化け物じみたものさえ感じました。実に自然なのに存在感がものすごいんですね。
美術面でも細かい配慮が感じられ、とてもごちゃごちゃした家の中も、なぜか居心地の良い美しさを感じます。是枝作品に見られるあの色使いも良いんでしょうね。
また本当に無駄なカットがなく、最初から最後まで実にきれいに収まっています。ラストの止め方も美しく、全体的にカメラがとても上手だった印象です。
根底には万引等犯罪が横たわっているものの、彼らには家族の絆をとても強く感じ、歪ながらもその家族像には愛おしさすら感じるのです。
どこから見ても優しさに溢れた家族が、この作品では描かれていました。
「捨てたんじゃないです。誰かが捨てたのを拾ったんです」
劇場を後にしてからも、このセリフがずっと胸に残っています。
美しくて、本当に素晴らしい作品でした。
この映画は救われない。 最初が仲のいい"家族"だっただけに、最後の...
この映画は救われない。
最初が仲のいい"家族"だっただけに、最後の終わり方は非常に胸糞悪い。
でも心のどこかでこうなってしまうのではないか、と心配していた。
普通のような家族。女の子拾ってきて暖かく迎え入れ、そしていつの間にか家族同然として全員楽しい日々を送っていた。
このまま終わるわけが無いと思っていたのだが、やっぱり最後はああなってしまって…。
せめてちょっとだけでも何か幸せに感じる演出があって欲しかった。
でも素晴らしい。
構成、展開、終わり方。全てが完璧で、さすがパルムドールといった映画だ。
今年心に残るかなり上位の映画になることは間違いないと思います。
この映画がつまらん?
この映画のテーマは万引きじゃないですよ。
万引き美化してるように見えます?万引きはダメだよって言ってるようにしか自分は思えなかったですけどね。
この映画のテーマは人と人の繋がり、本当の優しさとは?、家族って?、愛とは?……。今の日本に痛烈な皮肉と嫌味、綺麗なものだけを見過ぎている人たちに真実を教えてくれてる映画です。
万引きや年金の話なんてどうでもいいんですよ。見せたい描きたいのはそんなところじゃないと思いますよ。
絆、ハートですよハート。
奥田さんの娘さんに海で樹木希林さんが、亡くなる前『あなたよく見ると綺麗だね 綺麗よ………』
あの一連のシーンが好きです私……。
深いし本当に優しい映画ですよ………。
この映画良くないって言う人とは自分友達になれませんね。
後半警察とのやりとりなんて正に今の日本、愛の無い上っ面だけで人と話す人たち。そうじゃないだろ?って
スクリーンに向かって思わず声が出そうになってしまった自分。
少なくともこの映画のテーマを理解できる自分は、向こう側の人間じゃない。
とりあえずよかった。
これからも精進して生きていきます。
この映画は良い映画ですよ。
現代のこの国に生きる私たちに向けられた優しさと厳しさ
是枝監督の映画を観ていると不思議と今まで自分が生きてきた中で出会った誰かを思い出す。
あるとき突然夜逃げしていなくなった近くに住んでいた一家の事とか、給食費が払えず学校になかなか来なくなった同級生とか。
ある時まで一緒に普通に過ごしていたはずの子の家庭が少し道を逸れて、普通の生活が出来なくなってしまう。でも、彼らはその後もどこかで生活を続けていて…そんな人たちの事を思い出す映画だった。
そしてこの映画を観て思うのは現在も現実の社会で続く痛ましい事件の数々。犠牲になるのは罪もない人たち。
育ってきた環境や、ふさぎ込まれた世界の中でしか生きてこられなかった人たちがこの社会のどこかにいて、何かのきっかけで爆発するときがやってくるのだろうか。
身内の支えがなくなったとき、辛い状況に置かれた人々はどう生きて行かなきゃいけないのか、同じ時代に生きる者として深く突き刺さる作品だった。
私には良さが全く分からない
キャストの演技が上手い。
良い点はただそれだけ。
何も残らない。
何も感動しない。
伝えたいことは分からなくもないが
個人的には、
伝え方が中途半端だから
感情移入できないのかな
そういった印象の映画だった。
…不完全燃焼感が…なんというか…。
終始イライラ…こんな映画は今までにない。
好き嫌いは別れるかも。
以上。
こんなにエンドロールに違和感のある映画は初めてだった ミッドタウン...
こんなにエンドロールに違和感のある映画は初めてだった
ミッドタウン日比谷で見たけど、こいつらはどんな気持ちでみてんだろ
まあ、私含め
映画の中も外も私もみんな自分のことばっか考えてた
せつない。
悲しいというか、せつない。
何のつながりをもって
「家族」というのか。
血の繋がりだけが「家族」じゃない。
勿論、殆どの場合、それが「家族」ではあるのだけど。
私はこの万引き家族は「家族」と思った。
特別「家族」らしいことはしてないけど
それこそ「家族」なんじゃないかと。
「産まなきゃよかった」と思うなら、
殴って寒空に出しっぱなしにしとくなら
もう、それは、「家族」ではないんじゃないかと。
いろんな「家族」の在り方があるとは思うけど、
結局、助け助けられお互い成長しながら「家族」って造られていくのだなぁ。
なんとも言えない人間ドラマ
なんていう一言ではまとめられない作品。
本当に是枝監督は人間模様が絶妙で惹き込まれる。
そしてキャスティングが逸材。
皆さん素晴らしい役者さん達だけどなんといっても安藤サクラさん。
終盤の事情聴取を受けながら泣くところは本当に素晴らしい。
松岡茉優ちゃんもいっきにファンになった。
ところで松岡茉優ちゃんは本当の家族の元へ帰ったのだろうか..
賞を取りこんなに話題になる前から観たくてたまらなかった作品。
ようやく観れて良かった。
久しぶりの日本の映画を観て感動。
ちょー久しぶりに日本の映画を観たから楽しめた!
最初のシーンのロングテイクとロウアングルのカメラ目線が良かった。
豪華なキャスト・子役など含めて◎
なぜかは知らないけど、エロなシーンのカメラアングル中途半端で嫌だった。
お話おばあちゃんが亡くなったシーン泣けた!
この映画が賞をとって正解だと思った!
今まで日本の映画でも海外映画でも無い一面を観れた事が嬉しかった!
もっと雨のシーン出して欲しかった!
ひかる
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