万引き家族のレビュー・感想・評価
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映画フリーク向けwww
日本の底辺を描いた映画です。これ以上は、ネタバレなので割愛しますが、日本が抱えている様々な問題(児童虐待、日雇い労働等)を凝縮して映画にすればこうなるのかぁ、と思っています。また、監督の丹念な調査に基づいた映画で、パルムドールを受賞するのは、納得できます。一緒に見ていた他の観客から、「よくわからんかった。」との感想が聞こえてきました。確かに、映画に係ったことがある人でないと、分らないような描写がある映画です。まぁ、評価が二手に分かれる映画で、シネリテラシーが要求されます。
胸が締め付けられる
私は裕福でもなく、かといって貧困でもない
至って中間、一般的な家庭で育ってきたけど
これからのことを考えてると
いつ社会的に弱い立場になるかわからない。
高学歴でもないし派遣社員で収入も安定してないけど
実家暮らしだから食べるに困る訳ではない。
けれど実家は賃貸で親が亡くなれば
今の生活は一変すると思ってて、
このままじゃいられないのは薄々思ってる。
そうなったときに、
自分の力でなんともならなくなったら
きっと簡単に落ちると思う。
この映画に描かれている人達と比較してしまえば
恵まれてる状況だと考えられるかもしれない。
様々な社会問題を詰め込んだ作品で、
世間が思う型にはめた幸せに押し込まれた
ばらばらにされた家族。
それは本当に本人達にとって幸せなのか?
正しい正しくないで言えば
正しくないのだけど、そうする形でしか
生きられなかった人もいる。
それを世間から見たら甘え、自己責任と言う。
政治家は票を得るための大多数の人のためにしか
政治をしない世の中。
誰のための政治なのか?
最近、バラエティ番組でいかに
外国からみた日本が素晴らしいか、という番組が
増えたような気がして、違和感があった。
たしかに素晴らしい面もあるのだけど、
綺麗な部分しか見せないようにしている感じ。
日本人が自作自演で日本の素晴らしさを
日本人に思い込ませようとしてるような。
この映画が国際的に評価を得たことで、
なんとなく安心感がある。
だって、風景だけで見たらこの映画に
(一般的な)日本の素晴らしい風景なんて殆どない。
散らかった家、風俗、犯罪、淀んだ空気感。
その中で際立つ、歪な家族のつながり。
綺麗なものの裏で、こういう世界がたしかに
存在してて見ぬふりされるまま
見つかったらマスコミに好き勝手言われ、
世間の冷たい目と本当の事を知ろうとしない世の中。
実際に報道されたニュースの中に、
どれだけ本当のことがあったんだろう。
どれだけの本当のことが隠されてしまったんだろう。
そして私も、どれだけ見ないふりをしているのか。
まだ自分は大丈夫だ、
なんて言い聞かせながら
いつ自分がそうなるかもしれない不安の中で
抗いながら比較することで安心してしまう
自分の汚さ、ずるさ。
そういうことを考えさせられる作品でした。
家族愛、人の気持ち、色んな物がある映画
宣伝から気になってましたが、話題作になっており、更に気になり観てみました。
安藤サクラさんの演技力はすごいです。
ママって呼ばれてましたか?お母さんって呼ばれてましたか?
なんだろね。その一言だけで表情から感情が溢れ出てました。
演技が上手い人ではないとできないことだと思いました。
出ている人が、全員演技力が高いため引き込まれました。
子役のしょうた役の子の演技もすごく自然で
どこにでもいる子供で、拾われたりんちゃんも
自然な演技で、松岡茉優さんはもちろん、樹木希林さんの表情を見てるだけで胸が苦しくなりました。
リリーさんもやはり演技派ですね。
盗んだんじゃない。拾ったんだ。
誰かが捨てたものを拾っただけ。
お金だけで繋がっているわけではなかったと思います。
みんながみんなを支えてたと思います。
好きだから叩くは嘘だよ。
好きだったらこうするのってりんちゃんをぎゅっと
抱きしめて涙を流すシーンでは胸がグッとなりました。
海辺で樹木希林さんが、遠くで楽しそうにしてるみんなへ向かって、声は出さずに口だけを動かして何か言ってました。
後から解説を見てわかりましたが
『ありがとうございました』と言っていたそうです。
その後すぐ亡くなってしまい、死期を察してそう言っていたように見えました。
ところどころ、どれが誰で誰がどれで、どの人がどの立ち位置なんだ?嫁?息子?孫?とわからなくなってしまう部分がありましたが、解説を見ればすごくよく分かりました。
一人一人が主役になってる映画のように見えました。
全員にスポットが当たってました。
ハッピーエンドにはなりませんでしたが、見て良かったです。
りんちゃんのこの先ぐ不安で仕方ないです。
ラストが意外とパッて終わってしまって、もっと先が見たくなる感じでした。
社会的に見たルールとしてこの家族がしてきたことは犯罪です。
でもそれで救われた命があり、もし誘拐してなければ死んでしまってたかもしれません。
なにが正義でなにが悪か、ルールだけで判断するのは難しいです。
安藤サクラさんは逮捕されるほどの悪いことをしたのでしょうか。
ってゆう麻痺なのか、そんな感情が溢れました。
その人にしかその人たちにしかわからない事が世の中にはたくさんたくさんありますね。
真実なんて誰にもわかりませんね。
紛れもなく6人は家族だったと思います。
4番さんが物凄く贅沢な使われ方してましたね笑
花火?
歩いても歩いても、で是枝ファンになった私からすると段々とテーマが重くなって、自分のこととして映画に入り込んで観るのが、難しくなってきているように思います。
別に是枝監督に言われなくったって、家族の間には愛情や優しさがあるのがいいと思うし、日本は長く平和が続いたせいか、綺麗な水がどんどん流れるところと、流れが悪く澱みつつあるところがはっきりし過ぎてきちゃって、なんかまずいぞ、なんか変だぞって感じは結構みんなあるんじゃないのかな。40過ぎて国のありように悶々とする身からすると、映画の中身がこうだったことより、成功を収めた上であの安倍の申し出をきっぱり断ってくれたことがほんとに良かった。
この映画を思い返して良かったのは、あの少年の前向きさ勇敢さかな。あの少年が、優しいけども間違っているあの偽家族、弱さで集った居心地の良さ、そこから決別をはかった勇気。そしてそのきっかけが、あの女の子に盗みを始めさせたくないという衝動からきたところに、グッときた。あの環境にあって心根がきれいだったことに。
少年のおかげでみんな改めて現実と向き合っていくことになる。リリーフランキーはおじさんに戻ると言う。もとの現実には戻るけどもそれが以前とは違うのは、みんなお互いに愛情をやりとりした経験、絆を持ったということで、それを胸に、厳しいであろう現実にそれぞれが向かっていく。
それこそが本来の家族の役割のひとつなんだと、いまこのレビューを書きながら思いました。
あの女の子が薄暗い団地の廊下から、自らビールケースに登って見る、明るい外の景色の中に何を思うのか、そこに果たして出ていけるのか。容易ならぬ環境にあることを想うと100%で明るくはなれないし、この映画をハッピーエンドではないという人が多いけど、ハッピーになれる可能性を秘めたエンディングなんだと思う、というより思いたい。
あの少年は捕まる気だったにも関わらず飛び降りる必要があったのか。そこまでしないと変わらないと思ったんだろうか。みかんが弾みながら広がっていったのを見て、最悪死んじゃったのかと思って観てたので、なんとも残酷な演出に感じたけど、それがいい転機になったことを思うと、もしかしてあれは花火だったのかなと思う。少年は花火の音しか知らなかったけど、その少年がまさに死にものぐるいで打ち上げた(打ち下ろした)、痛々しくも盛大な花火。恵まれた環境にいる人は、頑張ろうとしている人の、決死の、地味な花火を見逃さないようにしたいものだ。
内容が理解できない、ピンとこない人は幸せな人
経験した人しかわからない、という感想を書かれている方がいますが、本当にそう思います。
話がピンとこない、なんだかよくわからない人は凄く幸せな家庭で生まれ育ったんだと思います。
柴田家の人々は全員、いわゆる「機能不全家族」で育った人ではないかと思いました。親から充分に愛されず、愛着障害を抱えて、その足りないものを求めているうちにここに集まったように見えました。
私の主人はまさに殴る蹴る、家に入れてもらえないという虐待を受けて育ったそうです。映画の中の、犯罪に走るほど貧しくても、愛情のある雰囲気になんだか羨ましく感じたそうです。
私も殴る蹴るはありませんでしたが、愛情の絆を築く能力のない親に育てられました。
実家に戻されたりんが、母親にじゃけんにされたあと、服を買ってあげるからこっちへきなさい、と言われたシーンにドキッとしました。たとえ殴られなくても、怒鳴られたり、絶えず言葉で圧力をかけられている感じで、何をしてもらうにも親の機嫌をうかがっていた自分と重なりました。
同じ親に育てられた弟は、不器用、ぐずと言われ続けて育ったあげく、働く気力がわかない、とワーキングプア状態です。
まともな家庭で育っていないことで、自分の能力を信じることができず、ケチな泥棒となった父親が、間違っていることはわかっていても、万引きしか教えられない、子供に何もまともなことを教えてやれない、というやるせない言葉がひしひしと身に沁みました。
まともな家庭で育った人なら、なぜ働いて食っていけないのか、と思うだけで、そう思える健全な心が育たなかった、ということがそもそも理解できないと思います。
りん(じゅり)のその後の人生が気になりました。
いい家族
小湊鉄道! と思った。
いい家族の話だった、という印象。
家族のそれぞれが、それぞれの技で収入を得る、というところがよい。
一方、フィクションの部分は勿論あるにせよ、根本的なところでは、ここに描かれる層を生む政策を、政府は採っているのだと考えさせられた。
さて、小湊鉄道。この線で海水浴に行くというのは映画の中の世界として、ある程度大きな街に住む家族が気動車で海水浴に行くということがあるだろうか? 時代設定はいつだったのだろう? と思った。
そうしたら、都バスが出て来て「みんくる」が付いていた。現代の東京か。
都会から気動車で海水浴というのは、1970 年頃に思える。京都や大阪なら、もう少し後まであった?
ところで、PG12 か。
思った以上に良かった
この父親は確かに社会的にいけない事をしているが、それによって小さな命が救われたのは事実。
男の子もパチンコ屋さんの駐車場から誘拐したんだけど、もし何もしなかったら亡くなっていたかもしれない。いずれにせよ本当の親よりも愛情に包まれ、二人の子供は幸せだったと思う。
社会のルールに縛られていて、SOSを出している子供を救えないのであれば犯罪でも正義なのでは?と思う。その制度のせいで虐待で亡くなる子供のニュースを聞くぐらいなら、誘拐でも愛情もって育ててくれる方がまともに思える。この家族は社会の底辺でも幸せそうだった。ラスト色々な事実が分かり、壮絶だが人間味があり考えさせられる作品です。けど、最後に女の子が親元に戻されたのは残念。ラストの終わり方はもう少し見たかった。
カンヌ国際映画祭で受賞した意味があります。
信じたい
なにかとても美しいものを観た気がする、なんなんだろう。
ストーリーを思い返せば、薄汚いものばかり見せられていたんじゃないかとも思うんだけれど。
こんなはずじゃなかった人生の吹きだまりに、立ちのぼった陽炎のようなものだからでしょうか。必死で目を凝らして見つめてしまった。
ゴミ袋を一人で蹴って、そして立ちすくむ。たまらなく胸に迫りました。
それぞれの本当は欲しかった人生が、陽炎の中でゆらめいて、やっぱり消えて。
でも、そこでしか育むことのできなかったものは確かで力強い。そう信じたいのです。
キャストが見事にハマってました。子ども達が素晴らしかったし、当代一の女優さん達の競演は見応えありました。
樹木希林はもとよりですが、安藤サクラ×池脇千鶴、すごかったぁ。
アキの母親、森口瑤子も絶妙でした。
家族愛というより…
個人的には、家族愛というよりも、貧困などの問題を抱えている者たちに対する世間の冷たさがテーマかなと感じた。
少ない年金で孤独に暮らす老人、その年金を当てにする子供の居ない夫婦、風俗で働く未成年、学校に通えない子、虐待を受けている子、これらの人々は幸せに生きて平和ボケしてる我々の視界には入らない。
血の繋がりは無くても、家族だと思うなら家族だと思う。ただ、血の繋がりがあろうと無かろうと、時に家族は壊れてしまう。
家族の絶妙なバランスを保っていたおばあちゃんが亡くなる。そして治の万引き置引き行為に祥太が疑問を持ち始めたところで「この家族はもうすぐ終わるんだろうな」と予感した。
正直、万引きをしなくても済むくらいの収入があれば、こんなに早く家族が壊れることはなかったと思う。治は愛情はあれど、万引きくらいしか教えられない甲斐性なしの情けない男だが、この情けない姿こそが現実的なのだ。
アラサー女の私としては、信代が警察に詰問され、言葉にならず泣くシーンはかなり心をえぐられた。シクシク涙を流すでもない、わーわー鳴咽を漏らすでもない、無意識に流れ落ちてしまう涙を手で拭っても拭っても涙は止まらない。子供たちにとって自分は母親になれていたのか?自分の自己満だったのか?
そうだ、子供たちに親が必要というより、この夫婦にとって子供が必要だったのだ、と感じた。治と祥太の別れのシーンでも、未練を残しているのは治なのだ。
バラバラになった家族。でも、あのとき、お互いに必要だったのは間違いないのだ、と私は思う。信代が言う通り、楽しかった、のだ。もう一緒に居られないけど。
亜紀が風俗のバイトの時に実妹の名前であるさやかと名乗ったり、治の本名は祥太であったことなどは色々考えた。亜紀はさやかに憧れていたのか?治は自分が成し得なかったことを祥太に託したかったのか?うーむ、皆さまの考察も知りたい。
さすがパルムドール
万引き家族は本当の家族でないけれどアットホームな感じでこれが理想な...
血の繋がりが心の繋がりとはかぎらず、とは言っても血の繋がりほど濃い...
何が正しいかなんて分からない
是枝ブルー
是枝監督が作る画の、なんとも言えない雰囲気が好きで、是枝ブルーとでも言うんでしょうか、いいなぁ。
さて、話題の映画はひたすら闇を描いて話が進んでいく。
もう笑っちゃうほど闇しかない。一層R指定なんかせずに、教育現場でも流して、コレがジャパンだよ、って事を子供にも教えたらいいと思う。港区あたりで生活してる人はほんのひと握り、こんな家族だって意外と近くにいるかも知れないって。
絶望的な話が続いていく中、一瞬垣間見える父性や母性に気持ちが救われる。ラストの演出も心揺さぶられる。
昔は貧しくても慎ましやかに生きられた。今は貧しく慎ましやかにしてたら社会に気づいてすらもらえない。
切ない映画だった。
でもとても長い。途中退席したくなければ直前にトイレを済ませて欲しい。
しかし、是枝監督はいい子役つかまえるなぁ。
この子役達が数年後、また驚くような芝居を見せてくれることを期待してます。
それと、レビュー見てて怖いなって思った。
自分は映画の感想や備忘録に使ってるんだけど、“許す”とか“許さない”みたいなのが混じってて、そう言うのに触れると残念な気持ちになるんだよね。観ない選択だってあるじゃない?それでよくない?
ただ生きる
リリーフランキー演じる治は、一見冴えないコソ泥中年なのだが、運命的に救いが必要な人間に出会い、受け入れ、救済する。
冬の寒い日にアパートの廊下で凍えていた少女。
前夫に殺されるところだった行きつけのスナックの女。
車上荒らし中、パチンコ屋の駐車場で車内に置き去りになっていた赤ん坊。
皆、治が出会わなければ、この世に居なかったであろう人々。
世間の人の目に触れられず、この世を去ってからようやく気づかれる人々。
治は、生活するのに必要なだけ盗み、救われた人々とただ生きる。季節の移ろいと心の触れ合いを糧にただ生きる。
この作品は社会的事件をモチーフに、実際に居る、居たであろう人々に、焦点を当て問題提起しつつも、
治の存在によって、寓話となり、救済の物語になっている。
時代が代わるたび、繰り返し見直されるであろう名作である。
強い女たち
深すぎてわかんなかった
いつまでも胸に残る作品でした
パルムドール受賞もあって、少しのんびり目での鑑賞です。
まずリリー・フランキーを始めとするキャスト達が実に絶妙。彼らの芝居を見ているだけで楽しいのです。
中でも安藤サクラが素晴らしく、ケイトブランシェットが絶賛していたのも納得の演技でした。
そして樹木希林。彼女の芝居には化け物じみたものさえ感じました。実に自然なのに存在感がものすごいんですね。
美術面でも細かい配慮が感じられ、とてもごちゃごちゃした家の中も、なぜか居心地の良い美しさを感じます。是枝作品に見られるあの色使いも良いんでしょうね。
また本当に無駄なカットがなく、最初から最後まで実にきれいに収まっています。ラストの止め方も美しく、全体的にカメラがとても上手だった印象です。
根底には万引等犯罪が横たわっているものの、彼らには家族の絆をとても強く感じ、歪ながらもその家族像には愛おしさすら感じるのです。
どこから見ても優しさに溢れた家族が、この作品では描かれていました。
「捨てたんじゃないです。誰かが捨てたのを拾ったんです」
劇場を後にしてからも、このセリフがずっと胸に残っています。
美しくて、本当に素晴らしい作品でした。
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