万引き家族のレビュー・感想・評価
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皆が
そして父になる??
一人一人は素晴らしい。景色もいい。以上。
いろいろ考える、刺さる映画。
今更ながらDVDで見た。
テーマがテーマなだけに全体的に暗い。
雰囲気が「そして父になる」と似ているように感じたが、こちらのほうがよりどっぷりとした深さを感じた。
セクシーなシーンがあるので子供やファミリーで見るのにはあまり向かないと思う。
全員、演技がすごいです。
リリーフランキーさんの「こんな人いそう感」すごい。もう「その人」そのものだ。安東サクラさん、演技に引き込まれる。その度に魅力が増して行く。子役の子もすごい。ちょっとした表情が無言なのにわだかまりを感じさせる。
最後の方の安東サクラさんの答えるシーンはずしっと刺さるものがあった。とても芯の強い人、の役なんだけど、初めて人に見せていなかった一面を感じた。
勝手に保護してしまったのはいけないことだ。ただ、彼らには事情があったのだ。徐々に明かされていく秘密もサスペンス感があってドキドキする。謎解きが好きな人も楽しめると思う。
見終わった後のやりきれない複雑な思い、ボーゼン感がすごい。
個人的にはいろんな方向から刺さる映画でした。
思った以上に面白かった
俳優陣が凄すぎる。 父ちゃん母ちゃんもばあちゃんもおねえちゃんも子...
うわー・・・
うまくいかねーな、世の中は!
経緯はともかく本当の思いやりのキモチがあれば
それでいいじゃない、という結論にならない、やりきれなさ。
そして愛情ってなんだろう
0か100しかないのだろうか。90点ではダメなのだろうか
そんなことを考えさせられる
池松壮亮演じる聾唖と、池脇千鶴演じる性悪警官は、
この繊細な映画では大味すぎた。そこだけが惜しい。
ズシリ
是枝監督の熱心なファンという訳ではないけれどスルーはできないこのタイトル。軽い気持ちでは見れないと先延ばしにしてたがようやくデマンドで。
擬似家族、曖昧な繋がり、それでも狭い部屋に片寄せあうように生きる人達。
家族とはなんだろうか?監督はいつもそれを問うてくる。
リリーフランキー、安藤サクラ、そして樹木希林。演技を感じさせないような演技。実際にそこに住んで居るような。そして二人の子供の存在感が素晴らしい。
実際に貧困状態にある者にとっては決して絵空事ではない切実さを突きつけてくる映画でもある。これから先の日本が避けて通れない問題であるのだ。
そんなことを考えた映画でした。
家族のあり方について考える
是枝監督は数々の作品で、これまでも「家族のあり方」について問題を提起してきたと捉えている。
『そして父になる』や「海街diary』。
今回のそれも、同じく家族のあり方について考えさせる作品であったと感じた。
とある歪な、一見「バラバラ」な6人が一つ屋根の下に暮らしているーーー。血の繋がりはないし、年齢も性別もバラバラだ。家計は苦しく、生計を立てる手段として常態化しているのが万引き、紛れも無い「万引き家族」だ。
作品が進むにつれ、そこには色々な形の愛があり、確かな家族がそこにはいたのだ。
しかし、つまらない定規によって簡単に家族はバラバラになり、突如として歪さが露わにされる。
この作品に出会うまで疑問にも思っていなかった定規。見終わった今となっては、それは本当に信じるべき定規だったのだろうか...。
その定規によって、一つの家族がつまらない「集団」という括りにされるのであれば、その定規は手放していいものなのかもしれない。
なぜならそこに愛はあったのだから。
家族の存在意義は、家族に伝播させ、残るものがあるかどうかだと思う。
しょうたが興じたビー玉遊びはゆりの中に活きているし、6人で身を預けた海の青はまたゆりの脳裏に強烈な思い出として焼き付いている。
作中で描かれた愛は書ききれない。
ゆでたてのトウモロコシから立ち上る湯気、花柄のワンピース、音だけ見上げた花火、ラムネの中で転がるビー玉...セミを追いかける少年の背中にかけられる「お兄ちゃん」という声、触れ合う肌、賞賛の言葉、存在を肯定する言葉たち....。
愛を受けた者はおそらく人に愛を与えることができるのだと思う。
傷ついた人に愛を与えることは実は難しいことではない。
それは例えばそっと傷口を撫でてあげることだったり、抱きしめてあげることであったり。
簡単に思えることも、時として難しく簡単でないことを知る。
対極的な存在として描かれる“じゅり”の実の父母の登場でそれには突如気づかされる。
一見外見は所謂「バエ」たビジュアルで登場する彼ら。しかし一度蓋を開ければ、あくまで愛を表現するために、彼らの傷口に触れればそれは禁忌行為であり、娘を抱きしめることさえこの人間には難しい。
簡単なことは時として難しく簡単ではない。
なぜだろう。改めて、今私はやはり、信じてきた定規でくくったこの歪な家族が、貧しくて卑しいように思えるはずなのに、私は今愛しくてたまらないのだ。
万引き家族
犯罪と常識の境目 歪でも確かな家族の形
今は良くても、いつか必ず破堤するし、取り返しのつかないことになるのは考えればすぐにわかるのに、それを考えない。要らない物でも盗んで集めて家の中は不潔な上に不要な物で溢れている。
貧困の連鎖、教育格差、社会的倫理観の欠如。それはこの人達だけの責任ではないし、でもだからと言って誰かが簡単に止めれるものでもない。
そもそもこんな風に偉そうに誰かが止めようとする必要もないのかもしれないと思うくらい、劇中での彼らはとても幸せそうだった。
社会の規律を守ることは結局犯罪の抑止力にもなるけど、だからと言ってその規律通りにしようとすると必ず歪みが生まれる。
彼らは人の痛みがわかり、傷ついた弱者を守りたいと思う心優しい人達だし、実際保護されたりんは元の家にいた時とは比べ物にならないくらい人の優しさに触れられただろう。
でも、やってることは万引きの強要だ。そのままずっと学校にも通わず(祥太同様みんな本当の家族ではないので公的サービスは一切受けられない)大人になるなんて無謀すぎるし、それが彼女や祥太にとって幸せなのかと言われると疑問だ。
映画を観ていると、つい万引き家族に同情してしまう。こういうのもありかななんてさえ思えてきてしまう。
彼らが平和ボケしてる恵まれた人間よりもずっと、りんの痛みを理解できたからこそ、関係ないと切り捨てられず、放って置けなかったこともよくわかるし、安藤サクラとのやりとりなんて涙なしには見られないくらい胸をえぐるものがあった。
むしろ生暖かい環境で苦労を知らずに生きてる人間の方が浅はかで、理解が足りないというか、理解ができないことが多いんだということに憤りを感じた。
祥太は万引きが悪いことだと知っていて、りんを仲間外れにしようとするけど、リリーに「役割を与えた方が居やすいだろ?」と言われて一応納得したような顔をする。でも駄菓子屋のおじさんとのやりとりの中で、やっぱりりんにはさせては駄目だと思う。
リリーのことは好きだし、慕っているけど、悪いことを平気でするしさせてくる彼への戸惑いも同時にある。
最後、りんが初めて自分から万引きしようとしたのを見て、これは駄目なことなんだと身をもって伝えたくなったのではないかと思った。万引きが生きる術だった彼にとって、捕まったらどうなるかなんて分からなかっただろうし、反射的に、お前は染まるな!と体が動いてしまった様に見えた。
家族って何で繋がってるの?金でしょ?というセリフ。
血が繋がっててもそんな家族も沢山あるだろうななんて思った。血が繋がってたって合わない人とは合わないし、愛が冷めた夫婦だってごまんといるだろう。
万引き家族は確かに金でも十分繋がっていた。生きるために必要だから。でも、心も繋がっていた。それはあまりに歪で、おばあちゃんとさやかの関係なんてもう怖すぎて、でも同時に切なくて、なんて形容すればいいのか分からないけど、人間らしい感情で確かに繋がっていた。
りんはなぜか虐待を受けていたことが伏せられ?元の家に返されてしまうけど、恐らく虐待は繰り返されるだろう。
なぜノブヨやリリーは虐待から保護したと言わなかったのか、子供が産めない哀れな女が他人の子供を誘拐してしまったという話に片付けられてしまったのか、そこはとてもモヤモヤしたけど、犯罪者の声など、誰もまともに聞いてはくれないと諦めてしまったのだろうか?そういう色眼鏡で人は見るものだし、相談員の対応もどこか呆れ哀れむような態度だったし、実際本当にノブヨの母性が誘拐を引き起こしたと本人も思ったのかもしれないが。
見終わった後、なんて余韻を残す映画だろうと一人で悶々としてしまった。まとまらないのでこの辺で。
賞を取る作品らしい出来
みてよかった
パターン化されたお芝居かな、また、と敬遠してました。でも見てよかった。出てくる地名も季節の過ごし方も格好も台詞も、子どもの頃から見たこと聞いたことあるようなものだった。でも、その時はまるで見えなくて、わからなかった現実を映画が見せてくれた。
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池脇千鶴さんを確認するために、飛ばしつつ再度鑑賞。そっかー、刑事さん役だったのか。最後の取調室での二人のやりとりはとても頭に残ってた:
「子ども産めなくて辛かったのはわかるけど」「あなたのこと、ママって呼んでたの?お母さんって呼んでたの?」。声とセリフだけで表情みえないけれど、きついなー、きついこと言って聞いてくるなー、と思った。それが、かの有名な、安藤サクラのあの涙、あの泣き方を引き出したんだろうか。
自分の子を愛さない親、貧困に陥っている子どもと若い人の有り様は、どんどんひどくなっている気がする。一方で、誰の子どもでも愛する大人たちは必ずいる。(2021.2.3.)
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