「【なんともいえない余韻!】偽物の家族が描く、社会と家族と人間の関係性」万引き家族 中野祐治さんの映画レビュー(感想・評価)
【なんともいえない余韻!】偽物の家族が描く、社会と家族と人間の関係性
万引き家族は、あの是枝監督の作品であり、家族の概念を一から考えるきっかけをもらえ、正しさとは何か?を考えさせられる作品でした。
物語は、血縁関係のない人々が一つ屋根の下で暮らす擬似家族の姿を描いています。彼らは万引きや詐欺といった犯罪行為を通じて生計を立てていますが、その中にも温もりや絆が感じられます。
この映画の魅力の一つは、観客に解釈を委ねる余白の多さです。
日常的な風景、出来事の中に、万引きという非日常の内容を加えていることによって、リアルな情景を想像しながらも、作中の人たちの気持ちになって物事を考えさせられます。
40代の私にとって、人生経験を通じて得た価値観や感情と照らし合わせながら鑑賞することで、より深い共感や理解を得ることができました。
また、映画全体に漂う静けさや淡々とした描写が、日常の中に潜む非日常を浮かび上がらせています。
社会の片隅で生きる人々の存在を、私たちがどのように見ているのかを問いかけているようにも感じられます。
この作品は、家族とは何か、社会とは何か、人間とは何かを
静かに、そして、力強く問いかける作品です。
40代という年齢でこの映画を観ることで、これまでの人生やこれからの生き方について深く考えさせられました。より考えを深めるために、このあと、講演やインタビューなどの記事をネットで見て、監督の思いをこの後調べてみようと思います。
ぜひ皆さんもご覧になってみてはいかがでしょうか?
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