「家族を称するなら相応の責任を果たすべき」万引き家族 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
家族を称するなら相応の責任を果たすべき
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特殊な家族のあり方を通じて『家族』というテーマを描くのが今作なのだろう。たしかに一見すると貧乏でも温かみのある良い家族に思える。リリー・フランキーのゆるい感じもその温かさに寄与していた。
しかし幼児のじゅりを保護して通報しなかったり、子供を学校に行かせなかったり、祖母の葬式を行わなかったり、夜逃げしようとしたりと、結局は日陰者の集団。家族を称するのに、その人生に対する責任を持つことができない。そこが目先のことしか考えておらず無責任。家族の良い部分だけを真似ているようにしか思えない。責任を果たせないのならば家族を作らず、一人で生きるべきだ。そんな無責任な彼らには同情も共感も覚えなかった。
公式サイトには「真の"つながり"とは何かを問う」とあるが、以上の理由から、この家族のつながりなどとても真の"つながり"とは言えないと思う。
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