「観た方はお気づきだと思いますが。」万引き家族 ぼるとぼーいさんの映画レビュー(感想・評価)
観た方はお気づきだと思いますが。
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終盤、バスに乗って振り返る祥太。
音声は入っていないが、「おとうさん」
ととらえられるように口を動かす。
劇中では、
そこで初めて"父"と呼ぶことになる。
本作は見終わった後に
決して「楽しい!」とはならないはず。
何か咀嚼のできないモヤモヤが残り
「どういう意味だったんだろう?」と
本作の意義を考えたくなる。
起承転結がぼやけているので、
わかりやすい「オチ」を求めていると
肩透かしを食らうのでは?
ただ、考えすぎないで思ったことを
観た人と話して自分なりに納得するのも
また醍醐味かもしれない。
現代社会の闇(=現実)を
隠すことなく淡々と語っていく。
一方で、お金や物だけではない幸せ
もテーマの一つ。
様々な背景を持って集まった集団は
よくある「家族もの」と一線を画した
異様な雰囲気が流れている。
劇中にあったように
「(リリーが胸を指して)ここで繋がってるんだよ」や
「(取調べ中の安藤) 子供が生まれたらみんなお母さんになるの?」など、
・夫婦ってなに?家族ってなに?
・他人同士の集団と何が違うの?
という答えのない、ずるい質問に対して
焦点を当てる。
また、キャスト陣の自然な演技も見所。
安藤サクラを筆頭として、
元々そこに存在していたかのように、
さもドキュメンタリーかのように時間が流れる。
是枝さんが関わった、
「エンディングノート」に繋がる部分もあるので是非。
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