「何ともいえないラスト。淡々と訴える、現代社会の陰。」万引き家族 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
何ともいえないラスト。淡々と訴える、現代社会の陰。
【賛否両論チェック】
賛:寄せ集めの家族が微笑ましく助け合う様子や、彼らに拾われる傷ついた少女の姿を通して、現代社会の暗部を赤裸々に描き出しているのが印象的。意外と豪華なキャストにも注目。
否:物語は思いのほか淡々と進むので、惹かれないと眠くなってしまうこと請け合い。予告編のミスリードや、ラブシーンも気になるところ。
都会の片隅で、肩寄せ合って暮らす5人。血こそ繋がっていなくても、その姿はまさに幸せな家族そのものです。そんな彼らが拾った、両親から虐待を受ける少女。それがきっかけとなり、5人の運命が大きく変わっていく様子を通して、現代社会が抱える様々な問題を赤裸々に訴えかけてきます。
ただ物語そのものは、特段の抑揚もなく非常に淡々と進むほか、結構あるラブシーンや切なすぎるラストにも、好みや賛否は分かれそうなところです。
そしてあまり言うとネタバレになってしまいますが、予告編で
「この人のことを言ってるんだろうな・・・」
と思わせていたことが、実は全然別のことを言っていたりとか、その辺のミスリードも少し裏切られた感はあるかと思います。
それでも話題作であることは間違いありませんので、気になった方は是非。
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