「是枝風味」万引き家族 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
是枝風味
平日朝イチ上映の客席は中高年ばかり。
先輩に対して申し訳ないけど、今回も上映中に携帯を見る、メールの着信が鳴る、おしゃべりする、食べ物を音を立てて食べるというのは、決まって中高年のお客なのだ。
もちろんごくごく一部の人なんだけど、本当に腹立たしかった。
まあ、いいでしょう。
物語は比較的淡々と進む。
大袈裟な演出は皆無。
それでも深くメッセージを我々の胸に刻みつけて、驚くほどサラッと終わっていく。
世の中で皆が普通に持っていると思われているものさえ、悪事に手を染めなければ手に入れられない人々がいる。
弱い者同士、身を寄せ合わなければ生きていけない人々がいる。
そうして手に入れたものも、決して永遠ではない。
全てはかりそめである事を皆感じている。
それでもそこには確実に「居場所」があった。
建物に阻まれて見えない花火を全員で見上げる姿のなんと幸せそうなことか。
正しく生きるってどういう事だろう。
家族ってなんだろう。
あの不協和音の様な音楽もあいまって、目の前に展開されているものが正しいのかどうかさえ、分からなくなってしまう。
安藤サクラの圧倒的な演技。
若手人気女優でありながら、松岡茉優の思い切った役どころも素晴らしい。
子供達の演技もすごい。
一部、批判的なツイートとかしてる奴らがいるが、おそらく映画を見てないか、まったく物語を読み取る力のない人なんだろうなと納得した。
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