「初日舞台挨拶にて」万引き家族 ジョーカーさんの映画レビュー(感想・評価)
初日舞台挨拶にて
素晴らしすぎる…監督とキャストとスタッフの力が合わさって出来た繊細な映画。これこそが日本の宝だよ。迫力やキャストのスター性ではハリウッドに劣ってしまう点もあるが、やはり邦画は素晴らしいと再認識させてくれた映画。
主人公の治を演じたリリーフランキーは相変わらずクズだなーと心の底から思わせてくれるが、それだけでは終わらない。心を奥底まで覗ける巧みな心情描写で心が揺さぶられる。予告でも使われているシーンでは鳥肌。まさに“そして父になる”
その妻の信代を演じた安藤サクラも素晴らしすぎる。カンヌ映画祭でケイトブランシェットを、「もし今回の審査員の私たちがこれから撮る映画の中で、あの泣き方をしたら、安藤サクラの真似をしたと思ってください」と言わしめたとにかく圧巻の演技。泣く演技以外にもいいシーンはめちゃめちゃありますよ!!
そして、その娘(後に本当の関係性が分かる)の亜紀を演じた松岡茉優。『勝手にふるえてろ』や『ちはやふる』でも日本最高峰の演技を披露してきた彼女はまた新たな境地へ。重要な会話も多々あるが、池松壮亮演じる“四番さん”とのシーンが印象的で震えた。
是枝監督ならではの雰囲気も良く、とても居心地がいい。ずっと見ていたい気分になった。後半からのトーンが変わったところもすごく好き。
コメントする