劇場公開日 2018年6月8日

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「是枝裕和の集大成」万引き家族 ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0是枝裕和の集大成

2018年6月13日
iPhoneアプリから投稿

是枝裕和がこれまで描いてきたことを総動員した、まさに集大成となる大傑作。生きることは食べること、性的な描写にも嘘がない。家制度からドロップアウトした人達(スイミー)が作る擬似家族こそ豊かに映るという皮肉。ラストカット、彼女の視線の先にあるのは希望だと思いたい

語り口が兎に角上品。言葉には言外の意味があり、「傷跡」「数え歌」などの反復描写が「絆とは何か」を雄弁に語っている。役者の演技も素晴らしく、特に安藤サクラの泣き演技には圧倒された(とケイト・ブランシェットが言ってました)。細野晴臣のミニマルな音楽が緊張感を生む。ちゃんと「面白い」作品

是枝裕和はエロスの作家で黒沢清はタナトスの作家なんかな。知らんけど

『万引き家族』は殊更に問題提起をしてみせるような作品ではないことは観れば誰でもわかる。観ればな。是枝監督もインタビューでそう語っている。これはひとりの女の子に向けて語られたミクロな作品。でも観れば誰もに何か響くものがあるはず。観ればな

ヒートこけし