「見えない花火を見上げる姿」万引き家族 コバヤシちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
見えない花火を見上げる姿
人の物を盗んではいけません。
人を騙してはいけません。
人を殺してはいけません。
法治国家において至極あたりまえの理念。
しかし、それらを外れた部分でこそ結び付き合う絆があり、人々がいる。
得てして幸せな姿に見えるが、やはりいつかは破綻していくもの。
見ることの出来ない花火を皆で見上げる姿にそれが象徴しているような気がした。
いかなる理由があるにせよ、大人が万引のやり方を子供に教えるなんて事はあってはならない。
それらがあたりまえの事だと子供たちに思わせてはいけない。
祥太が治の行動に疑問を持ち始める姿を見て、少しほっとした。
真っ当な家族があたりまえに幸せだと、誰もが思える世の中になってほしい、という願いが込められているような作品だと思う。
しかし、メディアで「感動」等の言葉を使って賞賛するような映画では無いような気がする。
賛否が出てあたりまえ。そんなに甘いテーマでは無い。
それにしても安藤サクラはやっぱり良い!
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