「見た人すべてが自分の感性を問われる作品」万引き家族 やさぐれ旅芸人さんの映画レビュー(感想・評価)
見た人すべてが自分の感性を問われる作品
封切りから数日たった平日のある日。
話題作とはいえ驚いたことに邦画ではひさしぶりのほぼ満席だった。
カンヌ映画祭でのパルムドール受賞というだけでは、平日の雨の中これだけの観客は集められなかったのではなかろうか。
館内を埋め尽くした半数以上が60代以上の老夫婦と見られる人々。
彼らをひさしぶりの観劇に動かしたのは間違いなく、先日の目黒での痛ましい事件であろう。
「子供を産めば誰でも母親になれるのか」
安藤サクラのこのセリフが
作品のすべてを表現していた。
社会の暗部を丁寧に描写したこの作品を
他人事ではなく、また表面的に捉えるだけでもなく、リアルな現実として「貧困」や「児童虐待」について一人一人があらためて考えるきっかけになればと切に思う。
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