「完全に見る人えらぶ」君が君で君だ 平一さんの映画レビュー(感想・評価)
完全に見る人えらぶ
危ない倫理観を越えてはいけない。所々でその一線を越えてしまっているような気がした。あくまで映画であり、フィクションであるがために存在して良いものだろう。こうした背徳感を伴うスリルは普通に生きていたらまず味わえない(はず…)、それを味わえた一定数はまずある程度の満足感を得ます。非日常を求め、劇場に足を運んでいるのだろうし。
この映画、観客参加型といってもいい気がするんですよね。そういったカメラの視点がいくらかありましたし。
見てはいけない、越えてはいけないものを仲間と共に共有する事って、男女問わずいつだって心踊る。(現にYOUだって気になっちゃってるし。)
初めの興味対象はどうでもよくなっちゃって、それをみんなでやってる事に快楽を感じる。そういう点ではこの映画、誰もがとは言えずとも、多くの人が何処かで経験した青春の一部分をうまく描いていると思います。
だがしかし、恐ろしいのは、この映画で起こった一部始終みたいなことは案外、身の周りでこっそり起こっていそうなところです。(そういう意味ではノンフィクション?)少し逸れて逸れると、とても危ない。
序文にフィクションだからと書いたものの、実はリアルに少し脚色してノンフィクションにしたところもあるのではないでしょうか。
自我を失った3人が失った自我を取り戻していく話か、、、自我を失ったというよりは、恋をするということを全うするために素の自我を捨てて、新たな自我を獲得して最後また自我の方から戻ってくるみたいな話か、、、3人ってのが良いですよね。協力するのは3人、補うのも3人、喧嘩するのも3人ですよね。3人組。プロジェクトAも3人、プロジェクトXも3人、、
恋をした人間が自我失なってめちゃくちゃなことしちゃうのって、結構大昔からから繰り返されてるんですよね(なぜか他人事)。それを表したコトバも多くあるし(多く挙げるとは言ってない)。そういう意味では意外と普遍的な愛の物語?ただその熱量の方向と度合いが全く異なるだけで、、いや、ほんとに全く、、、、
とは言え、全体通してスピードが速く見飽きることもほとんどなかったです。(松居監督、演劇出身とのことで、速いテンポ慣れしてるのですかね)
池松壮亮、狂気、目がイッてた、髪耳にかけるの色っぽい。好き。食べちゃう所とか、ホーリーモーターズのドニ ラヴァンのそれ。影響受けたってなんかのインタビューて言ってましたものね。
ハッとさせられるカットあり、。
松居監督二作目ですが、あなた体毛フェチ??(スイートプールサイドでした)