「屈辱のオヤジ狩り、27年越しのリベンジ」IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 オレさんの映画レビュー(感想・評価)
屈辱のオヤジ狩り、27年越しのリベンジ
凄惨な少年少女時代から27年、再びデリーに姿を現したペニーワイズとかつての約束を果たす為に故郷に戻ったルーザーズクラブの面々との死闘を描いた大ヒットホラー映画『IT』の続編。
ホラー映画らしからぬ肉弾戦な戦闘シーンをオヤジ刈りと評された爆笑エンドの前作から2年、 格段にパワーアップ?を果たした今作はペニーワイズの膨らむ縮む化ける燃える近寄る浮かぶ沈めるのありとあらゆる手段で怖がらせるバラエティ豊かなホラー演出になった一方でB級感満載のモンスターホラー的な要素もあり、前作とは一風変わった雰囲気に仕上がっていた。
それがダメだという訳ではないが前作同様にカメラワークと音の演出に頼ったビックリ系の演出に続き、暗闇から異形のバケモンが出てくる系の繰り返し感が強く、少し恐怖の表現にマンネリ感はあった。
ただ169分という長尺を利用した各キャラクターの前作描かれていなかった幼少期のトラウマと向き合う件やまさかのスティーブンキング御大のカメオ出演や『シャイニング』や『遊星からの物体X』などのオマージュ盛り沢山など小ネタが楽しく大いに楽しめた。
中でもスティーブンキングの口から飛び出た「結末が嫌いだ」というセリフがとんだブーメラン皮肉で見事だった笑。
そんでその肝心な結末の描き方だが、個人的には89年作の絶望のラストにしっかりと立ち向かい、なおかつオリジナリティを忘れない好印象のラストだった。
しっかりとペニーワイズの正体を描いた上で、さまざまな幻覚でルーザーズたちを苦しめる今までのピエロのペニーワイズの一面も描き、手をつけられない最恐の存在としてルーザーズたちを蹂躙していたが、その先に前作のオヤジ狩りエンドを超える爆笑のラスト、言葉責めが待っていた笑。
死ねだのクソだの小学生クラスの罵詈雑言のラッシュを浴び、巨大で異形な姿だったペニーワイズがどんどん縮んで行き、死んでしまうというまさか過ぎる豆腐メンタルが致命傷となり、またしてもホラー映画史上類を見ない爆笑ラストが誕生した笑。
そして絶命寸前のペニーワイズが赤の女王か初登場の時のアミダラにしか見えなくてさらに爆笑した笑。
前後作総括して全体的にルーザーズクラブの面々が子ども時代も大人時代もより深掘りされていて感情移入できるキャラクターになっていた。
ペニーワイズは映像やホラー表現は今作のビルスカルスガルドの方が面白かったが単純な怖さではTV版のティムカリーには敵わなかったかな。
ただべバリーの老婆の件は怖すぎた笑。
夢に出るわアレは笑。