「チュードの儀式は.......?」IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
チュードの儀式は.......?
前作の27年後にベニー・ワイズこと本名:ロバート・グレイがデリーの街に再び、何の前触れもなく突然現れる。原作は、モダン・ホラー小説の先駆者であり、ヒットメーカーでもあるスティーブン・キング。脚本は前作と同様、ゲイリー・ドーベルマンが務めていて彼は、「アナベル 死霊博物館(2019)」では初監督に挑戦している。しかも、今非常に売れている脚本家の1人と言える。
ペニー・ワイズの正体は?
I'm every nightmare you've ever had.
I'm your worst dream come true.
I'm everything you ever were afraid of.
映画の冒頭、不良グループに目をつけられたゲイの2人が、シコタマ殴られた後、そのうちの1人が川に落とされると川岸には”奴”がいた。
”IT”が、復活していつ何時、現れるかもしれない恐怖からか? それとも彼らの血の約束からか? マイクは自分の人生を賭してまで街に残っていた。その情報を得るとマイクは悟っていた。デリーの街から地方に散らばっている”ルーザーズ・クラブ”のメンバーに集まるように至急連絡をしなければならないことを............!? 中華レストランで再会した6人? (人数が?) 数 字の7は神に関する一般的なシンボルで、ユダヤ教では神聖なる契約や、その他聖なる目的での象徴として頻繁に使われ、例えば1週間の7という繰り返しの基本とする宗教的な数字となっているが、数字の6は、”不完全” を意味する! (しかし、他の人の考えでは、6は奇跡を生む数字と考えたり、魔よけの意味もあるとする人もいる。)
ホーチュン・クッキーの謎の言葉
”Guess Stanley Could Not Cut It” この不吉な言葉の後に.......!
奴を倒すには、自分たちの思い出の品を集めてネイティブ・アメリカンからマイクが盗んだとされる壺にそれを入れることで奴を封印できるはずだったが......? その思い出の品を集める過程でクラブのメンバーの各々が、子供の時の性的虐待・弟の失踪・いじめ・代理ミュンヒハウゼン症候群の母親・人とは違うジェンダー・等々、精神的に克服できずに心のどこかにしまい込んでいた忌まわしい過去、負の遺産、トラウマといったものに対峙しなければならず、しかも狡猾な邪悪な ”IT”がそれを見逃すはずがない。
もうこれ以上メンバーを失うわけにはいかない!!
そのことで奴によってメンバーが精神的に屈服されそうになる描写を1989年の時間軸と2016年の時間軸をNon-narrative形式やフラッシュバックと呼ばれる形式で交差するように描いている。全編を通じて、いかなるものにも自由自在に変身・変化することのできる事でルーザーズ・クラブのメンバーを精神的に追い詰めるペニー・ワイズ。つまりこの映画は、精巧にできたギミックを使ったゴア表現に留まることなく、体が大きくなったり小さくなったり、いきなり多量に湧いて出る擬人化のし難い変形・変態の魔物・怪物などの造形描写や耽美という言葉を失っている醜貌恐怖を追求したCGIをふんだんに使い、 jump scares horrorとして遺憾なく発揮されている。そして最後スタンの手紙を受け取ることで彼の真意をメンバーが共有し、感動を呼ぶこととなる。一つ忘れていたのは、いじめっ子のヘンリー。TV版ではもう少し存在感があったような........? ”IT”に操られ、メンバーを物理的に襲いに来ます。
この映画の批評として...........。
1873年にライバルのデトロイト・フリー・プレスの建物内のスペースを借りて創業を開始したアメリカのデトロイトにある主要新聞紙 Detroit News
'It Chapter Two' takes long, winding road to ending より
「映画”IT”は、額面通りの恐怖として捉えるのか、それとも潜在意識にだけ存在するものであるのか、決めかねていると同時に、結果としてゴチャゴチャとして訳の分からないものになっている。」
1995年以来、ソーシャルメディア、モバイルデバイス、ウェアラブルアプリに配信されているオリジナルのビデオを通じて全国的な対話を推進してきたジャーナリズムにおいて大胆をモットーとする。 Salon.com
"It Chapter Two": Penny wise is back in a fitting follow-up
— but is that a good thing? より
「全体として本作は、最初の映画の姉妹編として相応しく、多少の欠点はあるにしろ、映画としては、大いに期待できる作品となっている。」
第1作目「It(2017)」よりも興行成績では見劣りのする本作。それでも興行収入的には、ホラー全体の2番目に位置付けされているので好調な出足であることは間違いなく、いい結果が残せると期待されている。
バーモント大学トニー・マジストレール教授(過去に何冊かキングについての本を出版している。)がスティーブン・キングとのインタビューをまとめた本(題名:HOLLYWOOD'S STEPHEN KING)の中に彼は映画にカメオ出演することには、何もためらいもないというよりか、どちらかというと好意的にとらえていると述べていた。また別には、今住んでいる家は、彼の財力ならば、高級住宅地にある邸宅をいともたやすく買えるはずが、何の因果か、ブルーワーカーの人たちが多いとされる地域で特に事件や事故など色々と何かしら起こる土地柄をわざわざ選んでいる。家族の同意を得たのか、またこの本を読んでいくうちに理由がよくわかるものとなっている。
キングがあまり気に入らなかった「シャイニング(1980)」や彼を世に出した「キャリー(1976)」などをオマージュしていると思えるシーンも取り入れられ、またメンバーが逃げる途中、3つのドアが出てきて、その1つのドアを開けるとポメラニアンがいたりして、笑いを誘おうとする場面もあり、その事で思い出したのが、ある監督がコメディとホラーは共通点が多いと言っているように今作は、コメディ色も織り込んでいる。それでも、さすがに2時間50分近い映画となると.........? 何故か前作のほうがいい印象しか個人的には、残っていない。寡聞の者のタワゴトとして聞き流してください。それなら書くなってか?
この役者さんのことをどのように説明したらよいのか? ペニーワイズ役のスウェーデン俳優のビル・スカルスガルド。彼が鍛錬を積んだ特技として、顔がアップの場面では、目を斜視にしたり(両目を外側にですよ!コンタクトでもCGでもないとされている。)、また体を曲芸師張りに曲げて見せたりもできるようになった不思議な方です。彼の兄には、最近観た映画「ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち(2018)」で役柄から頭をそり上げて臨んだ14才、年の離れたアレクサンダー・スカルスガルドがいる。
"Your hair is Winter Fire, January embers........" ベバリーに送られた思い出の手紙。この送り主こそ真実の愛を愛する者と分かち合い、そして語り合うことのできる
"right man"
と呼ばれることが許される唯一の人。この映画の凄惨な場面に相反するかのように、アニミズムに精通している原作者の優しさと作品にかける思いがわかるもの.....
この映画全体を通して、印象に残ったというか、ただただ気色の悪い場面は、ベバリーが昔、父親と住んでいたアパートを訪ねたとき、今の住人として、ジョアン・グレッグソン演じるカーシュ夫人がいた。その老女の姿が奇妙奇天烈で違和感の何物でもなく、壁から首だけを出して離れた場所からこちらの様子をコソ~ッと見る場面は、個人的には、この映画最大のキモイ場面と呼べるものとなっている。
These were his friends, and his mother was wrong: they weren't
bad friends. Maybe, he thought, there aren't any such things as
good friends or bad friendsーmaybe there are just friends, people
who stand by you when you're hurt and who help you not feel so
lonely. Maybe they're always worth being scared for, and hoping
for, and living for..............
スティーブン・キングの友達観か.........?
やっと、おぞましいものから解放されたマイク。車の後ろ姿の余韻を残しながら....
そしてエンドロール.....
Finally パチパチ