劇場公開日 2018年9月21日

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「悪魔に呪いの祈りを」死霊館のシスター 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0悪魔に呪いの祈りを

2019年2月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

『アナベル』に続く、『死霊館』スピンオフ。
『死霊館 エンフィールド事件』で激怖登場した悪魔のシスター、ヴァラク。
時を遡り、過去に起きた恐るべき事件、誕生秘話と呪いの根源を描く。

…とは言っても、『~エンフィールド事件』の時は本筋にほとんど関連は無く、激怖“顔出し”登場程度。
本作も『死霊館』と直接的な繋がりは薄く、こちらはこちらで一本のホラーとして見れる。

1952年、ルーマニアの森の奥の修道院で、シスターの首吊り死体が発見される。
バチカンの命で、ベテラン神父と見習いシスター、死体の第一発見者で案内人の地元の青年が調査に赴く…。

まず、ムードや舞台はシリーズ最恐ではなかろうか。
古い時代。
人里離れた森の奥。
ひっそり建つ修道院…。
こんな所に一秒だって居たくない。

そこで腐乱したシスターの死体が発見されたのだからたまったもんじゃない。
それもさることながら、この修道院には今もシスターたちが住んでいるのだろうか…?
とても住んでるとは思えないほど半分廃墟と化している。
しかし、時折シスターたちの人影が…。

曰く付きの修道院。
中世時代、召喚されようとして、いったんは封印される。
が、戦争の襲撃を受け封印が解け、今また甦ろうとしている。
間違いなく、この修道院に存在している…。

さすが最恐悪魔だけあって、見る者を怖がらせる。何度かビクッドキッとした。
視界に入っては消えるその姿。
闇に浮かび上がるその姿。
鏡越しに突然現れる!
神聖な尼僧服に身を包んだ悪魔の形相…!

ムードは完璧だ。
しかし、話や演出は…。

不気味で不穏な演出はいい。
が、いざ現れて襲い掛かると、途端に恐怖が半減。
ゾンビみたいな姿や主人公たちと堂々対峙したり、何か少々B的モンスター・ホラー。
アナベル人形はチャッキーみたいに襲い掛かってきたりしなかったのに…。
“神vs悪魔”を背景にしているようだが、荘厳な闘いというより、視覚に頼った騒がしいアクション風。
序盤のムードは何処へやら、びっくりどっきりのアトラクションお化け屋敷。
静かなるじわじわ煽る恐怖や視覚的演出じゃないのが本シリーズの売りだった筈なのだが…。

修道院で何が起きたか調査。
ミステリー要素もおざなり。
信仰心や見習いシスターの成長なども描かれてはいるが、ドラマ的にもちと弱い。
後、これを言ったら元も子も無いが、本家は実話ベースだったのに対し、こちらは創作。その違いかなぁ…。

キャスティングには面白味が。
ヒロインの見習いシスターを演じるは、本家のヴェラ・ファーミガの妹、タイッサ・ファーミガ。
姉妹でシリーズ出演とは!
どうやら役柄に繋がりは無いようだが(ゴジラシリーズで言うと高嶋兄弟みたいな…?)、ひょっとしたら今後、何か繋がりが見えてくるかも。
繋がりと言えば、案内人の青年。こちらはエンディングで。

『アナベル』同様、本家ほどではなかったが、それでも標準以上の恐怖を楽しめる娯楽ホラー。
本作も続編作れそうだし、また別キャラのスピンオフ企画もあるようだし、アナベル人形と本家も第3弾が待機中。
ホラーの新たな代表格として、恐怖と呪いが広がり続ける“死霊館ユニバース”!

近大
浮遊きびなごさんのコメント
2019年2月24日

近大さん、きびなごです。

ええッ、オキシジェンをデストロイして
しまうアレが出るかもしれないんですか?!
さらに伊福部音楽まで?! マジですか?!
返信コメントを読んだ時に
声を上げて驚いてしまいました(笑)。

内心「昨年の『パシリム』続編みたいなことに
ならなきゃいいけど」と心配してもいるんですが、
少なくとも監督の原作愛はかなりスゴいですね。
ゴジラの背ビレを54'版に寄せたとか尻尾の先を
丸っこいデザインに戻したとかも聞いてますし、
オリジナル、特に初期作への畏敬の念を
しっかり感じます。いやもう楽しみ過ぎる!

まさかの寅さん新作にアベンジャーズ最終作に
SW最終作にと、今年も盛り沢山ですねえ。
近大さんの熱いレビュー楽しみにしてます!
こちらも頑張ってチマチマと書いていく所存です。

さてさて今回はこの辺で。
返信お気になさらず! それでは!

浮遊きびなご
浮遊きびなごさんのコメント
2019年2月23日

近大さん、お久し振りです。浮遊きびなごです。
とんでもなく今更ですが明けましておめでとうございます。

『死霊館のシスター』、ご覧になられたのですね!
仰る通りムードや舞台はシリーズ最恐レベルで大好きなんですが……やっぱりなんというか、怪異との戦いが物理的過ぎたきらいはありますよね。銃で倒せてしまうゾンビさん登場も「そっちの怖さが観たかった訳じゃないんだけどなあ」と。ヴァラクさんの顔面凶器度は相変わらず竹内力並みでしたが。

毎度こっそり読ませてもらっておりますが、相変わらずハイペース&高密度でレビューされておられるようで何よりです。
『アクアマン』の古代大海獣カラゼンには僕もテンションだだ上がり! 大興奮していたらいよいよ5月の『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』が待ちきれなくなってきておりますよ。キングギドラもラドンもモスラも予想以上にオリジナルリスペクトなデザインでしたし、メチャクチャ“怪獣映画”してそうな予告編でしたしね。

中途半端に暖かくなってきましたが、インフルエンザや花粉症にはお気を付けくださいね。ではでは!

浮遊きびなご