「種明かし映画とみるか、描写映画とみるか」天才作家の妻 40年目の真実 evie610さんの映画レビュー(感想・評価)
種明かし映画とみるか、描写映画とみるか
機内にて。ワンアイデアで100分を走りきる構成は好き嫌いが分かれそう。予告編でなんとなく予想できる範囲を超えない点は少しマイナスか。
逆に言うと、種明かしには焦点を置かず、主演Glenn Closeの胆力とノーベル賞の舞台裏という非日常の設定を楽しめたら良い評価になりえる。
夫の、ノーベル文学賞を喜ぶ作家、という人物像に最初大きな違和感を覚えつつ、徐々に明かされる「真実」によって納得させられる。
内容自体は近年のアカデミー賞で流行りの、「マイノリティー・抑圧されてきた者たちへの着目」という物語のひとつのように感じた。
個人的にはラストに不満が残る。観客に明かされ、妻が正面から向き合うことを決めた「真実」に、夫がどのような向き合い方をするのかを、この作品はほぼ描かない。
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