人魚の眠る家のレビュー・感想・評価
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人の命とは?「生きた死体」を巡る家族たちの複雑に絡み合う物語
前半は東野圭吾らしからぬ普通の家族ドラマかと思ったら、徐々におかしくなっていく母親の言動からそれぞれの想いが複雑に絡み合う心情サスペンスへと怒涛の展開があった。
様々な人間関係のサスペンスドラマを描いてきた東野圭吾の真骨頂ではないだろうか。
テクノロジーの進化により人間の生命までをも操れるようになった現代、そのモラルを問われ、そして「人の命とは」を改めて考えさせられる重厚な作品。
命と犯罪を天秤にかけるシーンでは観ているこちら側も言葉を失い、裁かれているようだった。
篠原涼子の演技がぴったり
篠原涼子はもともと好きじゃないけど、
母親として、妻として、
無邪気に、そして病的に、
どんどん感覚がおかしくなっていく演技は
とっても良かったと思う。
篠原涼子が包丁を振り回し、
死んでるのか生きてるのか~のセリフを言うシーンは
考えさせられた。
愛著と諦観
分子生物学の福岡伸一さんによると、生命とは自己複製のシステムだそうである。イメージとしては、砂浜の砂人形に絶えず砂が風で吹き付けられ、砂人形は新しい砂を常に取り入れて古い砂と入れ替えているというものである。生命とは川の流れの澱みのようなもので、一見すると変わらないように見えるが、中身は変化しつづけている。
本作品は、現実社会でもいまだに答えの出ていないテーマを、ひとつの家族の物語として掘り下げている。人の死を判断するのは脳死なのか心臓死なのか、慣習なのか法律なのか、理性なのか感情なのか、社会なのか個人なのか。そういった様々な角度から人の死について問いを投げかけてくる。日常的に馴染みの薄いこの問題が、平凡な日常にいきなり降り掛かってきたとき、人は何をどのように選択すればいいのだろうか。
篠原涼子は映画やドラマになると、CMやバラエティで見かける浅薄さとは打って変わって、豊かな表情に女の情念を感じさせる凄みのある演技をする。7月に見た舞台「アンナ・クリスティ」でもいい感じに乱れた女を演じていた。
本作品では、いきなり放り込まれた極限状況に戸惑い、我を忘れたり取り戻したりしながらオロオロと生きていく女性を演じていた。かなり難しい役だったはずだが、ひとりの女性としての整合性は取れていたように感じる。
西島秀俊は2代目社長の軽さを上手く演じていて、この浮薄さが新しいもの好きとなり、物語を進めることになる。この辺りの構成は流石に東野圭吾だ。かなり力業のストーリーであるにもかかわらず、無理なく自然に鑑賞できる。
人は人に名前を付けることで愛著が生じるとブッダは言っている。愛著はすなわち執着であり、執着は苦厄に結びつく。子供に執着することで精神の自由を失っていく親の姿が、なんとも悲しい。諦観に達することで自由を再び取り戻すには、大きな試練を乗り越えなければならない。時空を超えて壮大なテーマの作品であった。
考えさせられた
脳死に伴う臓器移植を取り上げた作品をいくつも観てきた。ドラマや映画は、どれも皆、最終的には臓器移植に至る結末で、そうならねば仕方ないのかな?と、何か心のどこかに引っかかるものが存在していた。
しかし、この作品の中で、これまでとは違った脳死を見せられ、考えさせられた。
脳死に向き合う家族の思い、それが綺麗事ではなく伝わってきた。
篠原涼子さんの、母親の愛情が時には狂気の様に変貌してしまうさまも伝わり、いい作品だった。
死の判断なんて出来ない
「人魚の眠る家」
主人公たちの決断に自分だったら、とか思ってしまいました
悩んでも悩んでもきっと答は無いんでしょうねぇ…
しっかり泣いてしまいました(笑)
子供たちと松坂慶子さんが良かったなぁ☺️
非常にリアルで見入ってしまう。
正直、そんなに期待していなかったけれど見てみたら非常に面白い。
考えられる範囲だったけれど非常にリアルなストーリー。篠原涼子の演技がまた非常に引き寄せられるものがある。
色々と考えさせられる複雑な映画だった。
予告を見て、なんとなーく大筋は分かっていたからこそ、ここまでいい作品に仕上がっていることに驚く。見ていて飽きない。
難しいテーマだ。終始硬い印象で進むストーリーの中にサブリミナルに織り込まれる子供たちの表情、演技がなんとも言えなかった。子供が可愛いし、演技が上手い。重苦しい中にもあの笑顔があるからこそ、主人公目線で映画にのめり込めた。
最初のシーンだけ、有耶無耶になって終わってしまうと思ったけれどしっかりとラストで回収していたし、もやもやは残らないストーリー。
西島秀俊目当てで見る人も多いと思うが、大当たり。
いいシーンも多いし、それを狙ったアップのショットも多い笑
人魚の眠る家。そのタイトルの意味もわかりやすい。
すごく考えさせられるセリフがあったが、そのセリフでタイトルの意味までしっかりと回収。素晴らしい。
マイナスだったのは映像の汚さ…
これはデジタルで撮られたんでしょ?暗いシーンが多いからノイジーになるのは分かるけれど、途中でフィルムっぽいグレインが多いシーンが見られるのは何故だろう。
フォーカスを無理やり合わせていないシーンが後半多くなるのは効果的だと思ったけれど、わざとフィルムグレインっぽいのを付けているシーンが何だか合わない気がしたなぁ。
堤監督、好きな監督だけによく見てきたが最近はつまらない作品が多かった。これは良かったです。
子役の皆さんが素晴らしい
扱っているテーマが良かったと思います。
ファンタジーのようでいて、技術大国日本において、十分ありうる未来という気がしました。その中で家族の愛、脳死に対する考え方、幸せとは何か?と考えさせられる内容でした。
ラストシーン、弟のお誕生日会のところが印象的です。
子役の皆さんが本当に素晴らしく自然で、これが台本なのだと思えないような演技でした。アクティングコーチについてお芝居に臨む前に準備されていたのだと聞きました。
そこでどんなことを準備でやっていたのか、とても気になりました。
アクティングコーチってあまり聞きなれない言葉だけれど、ハリウッドなどでは有名な俳優さんも一緒に準備したりすると聞きました。
日本でも、大人の俳優さんもアクティングコーチが入ったらどうなるのか見てみたいなと思いました。
普通の(いい)映画でした
ドラマとしての出来は他の映画と比べてかなり高いと思う。
それでもこの評価にしたのは
「自分が観たいものだったか」
「何度も観たい映画か」
という点ではNOだったため。
この映画はホラーでもサスペンスやミステリーでもなく、「脳死は人の死か」をテーマにした普通のドラマだという事に注意したい。
ホラーを想起させる演出があり、終盤どんでん返しがないかハラハラしていたが、気にせず安心して観てもらいたい。
暖かい涙ではなく、悲しみが強いため、自分はジワりこそすれ泣けなかったが、人によってはかなり泣けるかも。
余談だがこの映画最大のホラーは、坂口健太郎の彼女の存在。
かわいくて、ゆるふわで、動物病院のナースで、彼氏の趣味の話を喜んで聞いてくれて、結婚の約束や誕生日をほったらかしてかなり長期間放置しても一度謝っただけですべて許してくれる、包容力のある女性。
これこそ童貞の妄想が生んだ異形の存在なのかもしれない。
セリフが入ってくる。
自分だったら…と、想像ができない域であった。
だから、余計にグッときた。
いいセリフが、いいシーンで、いいタイミングでしっかり入ってくるのは、きっと土台がいいからだろう。
ラストの流れは、残すべきか外した方がいいのか、相当悩んだんだろうなあ。
堤監督は外したかったんじゃないかなあ。
脳死と臓器提供という医療問題を考えさせられる作品、自分にとっては終...
脳死と臓器提供という医療問題を考えさせられる作品、自分にとっては終末医療をふとちらつかされた。東野の原作がしっかりしているから見られたが、西島くんなんだかいつも突っ立った様な演技でどの映画でも同じ口調、爽やかな中年のつもりだろうが、あんた出すぎなんだわ。
守りたい大切な人
#人魚の眠る家
公開前から気になっていてやっと観に行けました。
人の死の判定は心停止? 脳死?
人は2度死なない!理解はしていても分かりたくない。 それが大切な人なら尚更。
人は皆狂ってでも守りたいものがあると号泣しながらそう思いました😭
冷静になれるか
死んでいるのに身体は生きている、だから死んではいないと、いや、死んでいるんだと冷静に我が子の事を判断できるだろうか…。
とてつもなく感情移入してしまい母親の行動が理解出来ます。子を愛する親なら奇跡だけを信じてそれが前向きだ、子供のためだと言い聞かせて周りが見えなくなるのは当然だと思います。
子供を本当に大切にしようと思わされました。
母親の子に対する異常とも思える愛
東野圭吾さんの次世代に起こり得る、脳死状態の我が子を助けたい母の異常な愛情とそれを出来得る最先端の技術を研究してる会社の社長の父親の力でで生きている娘。心臓手術する為アメリカに行く募金を子の為、運動している父親と出会うことで矛盾を感じる父親。取り巻く息子やいとこの悲しみ。問題を投げかけているのでしょう。最初に人魚と見間違えた男も子がドナーになるのはさすがと思いました。
期待の子役たち。
原作未読。
過剰な照明の光が気になったが、映画の世界観も不思議だったので敢えてだったのか、、?と、見終わって感じました。
子役の演技が、話題になっていたので、期待していました、意外と台詞は少ないのですね。
しかし、少ない台詞から役の豊富な情報量が伝わってきて、妹の子供役の子が「ごめんなさい」と言って泣きわめくシーンなど、見ていて抱きしめたくなりました。
今回は子役にアクティングコーチを付けて準備をしていたそう。
これから期待大の子供たちですね。
大事に育てていってほしい。
最大の謎(わかる方教えてください)
冒頭のシーンと ラストシーンが繋がらない。
服装・帽子 容姿から 推測するに 冒頭とラストは 時期は そんなに変わらないはず。
なのに 何故 突然 家が消失したの?それとも あの空き地は 別の場所なの?
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