「「死」とは」人魚の眠る家 りっつさんの映画レビュー(感想・評価)
「死」とは
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授業内でも取り扱ったテーマというのもあって、ずっと気になってた。私は脳死は死んでいることと同じだと考えていたけれど、でもどこかその考えに違和感を感じていた。体温が感じられるのに、心音が聞こえるのに「死んでいる」なんてやはりどこか納得できない。科学の進歩は素晴らしくて毎日恩恵を受けているけれど、どんどん本来人間があるべき自然な姿からはかけ離れていくように感じる。
科学技術によって瑞穂が笑みを浮かべるシーンの違和感。脳死のまま成長していく瑞穂への違和感。どこか納得できなくても脳死は「死」だと考えていた私だが、途中から瑞穂が生きているのか、死んでいるのか分からなかった。瑞穂は生きているが死んでいて、死んでいるが生きている。数十年前では考えられない矛盾が科学技術の発達の影響で起きていて、ついに中国では双子のクローンベイビーが産まれた。人間はどうなっていくのか少し恐怖を感じた。
私にとって今まで感じてきた脳死を「死」とする違和感への答えのヒントをキャラクター一人ひとりが教えてくれた映画だった。
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