シンプル・フェイバーのレビュー・感想・評価
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ステレオタイプを逆手に取ったブラックコメディ
リアリティなんて捨てて置け!とばかりに、戯画化されたキャラクターを演じるアナ・ケンドリックとブレイク・ライブリーの潔さよ。しかし物語が進むにつれて「空気を読めないサエない主婦」と「誰もが憧れるキャリアウーマン」というステレオタイプが、人間の裏と表を描くための装置だったことに気づかされる。
主人公の二人は、結局は「主婦」「美女」という世間が作り出した枠に押し込められた女性であり、そしてそれぞれのやり方でその枠を打ち破ろうとしたのではないか。ろくでもない人間しか出てこないブラックコメディだが、それでもこの映画の女性たちはどこか痛快なのである。
セルフイメージを玩具するかのようにハジケまくったアナケンとライブリーだけでも見応えがあるし、その先の皮肉をバシッと決めた監督にも拍手。普通にジャンル映画を期待すると、戸惑う人もいそうですが。
登場人物は(少なくとも大人は)皆クズ。
エンタメとして素晴らしい
第二作を見て、そして第1作を見た。
タイトルの語源
続編には明確に登場した言葉だったが、この作品にはエミリーがステファニーに「息子を学校に迎えに行ってほしい」と頼む際に使われた言葉に使われていた。
この物語のすべての始まり。
ただ、
全体的に鑑みて、この物語性にこのタイトルの組み合わせは少々違和感を覚える。
まるで、「GAPにエルメスを合わせるな」と言ったエミリーのボスの言葉のようだ。
しかし、それらすべては計算ずくであり、ミステリーやサスペンスと同様にコメディ要素があることが総じてのこのタイトルなのだろう。
この「ちょっとしたお願い」というのが物語を紡いでいくあたりの奥深さはなかなかのものだ。
違和感を感じさせつつ考えさせるという点が素晴らしいともいえる。
冒頭からステファニーの動画サイトで始まる。
この内容はアバンタイトルまで行く。
しかも最後まで動画サイトで締めくくっている。
この時代
今現在の時代
そして面白いのが、ステファニーの性に対する二次体験というのか同じことを繰り返してしまうこと。
頭で認識することと現実との差異。
あたかもエミリーの罠に嵌ってしまっていくような展開。
このどうしようもない感覚こそ、この物語で表現されている自然な人間性なのかもしれないと感じた。
理屈ではないのだ。
誰もが今現在の社会構造において、必死になって立ち位置を探っている。
様々なな要因とか理由とか、問題とか、大切なものとかを抱え込んで生きている。
さて、
その性格なのだろうか?
ステファニーはエミリーが消息を絶った理由を探し始めた。
ほんのささやかなお願いを聞いたことによって、そうなってしまった。
言ったのはステファニー自身ではあったが。
このあたりのコメディ要素はアメリカン人にとっての鉄板なのだろう。
邦画でいうところの「Allways 三丁目の夕日」のようなものだろうか。
この作品ではエミリーの背景がいまいちピンとこないような作りだったが、続編では明確になっている。
その辺が少しだけミスっていたようにも感じた。
続編もそれなりに面白かったものの、どうしても初回の問題を解決した部分にウエイトが置かれ過ぎていた。
なるほど~ そうだったんですね~ これを最初に見るべきだった。
ただ、
ステファニー 彼女のキャラは良かったと思う。
エミリーのように長身ではないが美形ではある。
ハリウッドで良くあの位置まで辿り着いたと言っていい。(偉そうにすいません)
彼女のキャラがあってのこの作品なのだろう。
似たような作品が多数ある中で、その間を縫うようにして表現したこの作品はなかなか素晴らしいと思う。
人生の誤算
この物語の裏テーマのように感じる。
この不条理
カミュやカフカが題材にしたテーマ
この他人が溺れる不条理の面白さこそ、最も人間味を感じることなのかもしれない。
まさにTragedy is Divine Comedy(悲劇こそ神のコメディ-神曲)
そういう見方もできるのかもしれない。
ほんまよくペラペラペラペラとよくしゃべる女やわ
何度観ても騙される〜‼️❓
観客は終盤に、驚くようなトリックが使われていることに気づく。 大ヒットし興行的に成功したことで、 この映画の続編が7年後に公開されることがすでに決まっている。
動画配信で映画「シンプル・フェイバー」を見た。
劇場公開日 2019年3月8日
2018年製作/117分/PG12/アメリカ
原題:A Simple Favor
配給:ポニーキャニオン
アナ・ケンドリック
ブレイク・ライブリー
ヘンリー・ゴールディング
リンダ・カーデリーニ
ジーン・スマート
ルパート・フレンド
「シンプル・フェイバー」とは「ちょっとした頼みごと」の意味
予備知識なしで見始める。
シングルマザーのステファニー(アナ・ケンドリック)とエミリー(ブレイク・ライブリー)はママ友になった。
お互いに酒を飲み、小さい悩みや秘密を共有した。
エミリーはステファニーに「ちょっとした頼みごと」をする。
それは「小学生の息子、ニッキーを学校まで迎えに行ってほしい」
ということ。
ステファニーはその頼みを快く引き受けたが、その後エミリーと連絡がつかなくなってしまった。
そして息子を預けたままエミリーが失踪して4日が経った。
驚いたことに、湖の底からエミリーは遺体で発見された。
ここまで見て、この映画がサスペンスミステリーだと判った。
謎に包まれたエミリーエミリーのことをステファニーは調べ始めた。
そしてステファニーが知ることとなったエミリーの秘密とは?
観客は終盤に、驚くようなトリックが使われていることに気づく。
大ヒットし興行的に成功したことで、
この映画の続編が7年後に公開されることがすでに決まっている。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
かかわった人全部負け
初めの10分は、何が起きるのかワクワクしながら魅入られました。典型的な尻すぼみ映画。アナ・ケンドリックとブレイク・ライブリーの顔合わせはいいケミストリーを生み出すようで役柄にもよくマッチしていると思います。
それにしても、かなり初歩的なトリックが使われていて、残念な気分になりました。クロはクロ、シロはシロかと思いきや、シロもクロだという結末には失望感が大きいです。原作がどの程度改変されたのか分かりませんが、このままなら、ひどい原作と言わざるを得ません。
アナの歌唱シーンはさりげなくダンスのおまけつきでファンにはうれしい演出。でも、映画の尺の長さを考えたら、思い切ってカットして良かったと思います。もう少し短くまとまっていたほうが、後半までの勢いができたはず。そのアナが、ストーリーを追っていく役なのに、途中で見る人の期待を裏切るような行動をするのでなんとなく嫌な気持ちになります。彼女を応援したくなくなるというか。
ブレイクは一見、悪役のようでいろいろ事情を抱えた難しい役柄。彼女にもう少し凄味があれば、奇抜な設定も説得力が生まれて引き込まれたに違いないと思います。女どうし秘密を告白する時に、お互いが嘘を見破るシークエンスは見事な心理戦で、映像が上手に見る人をリードします。この時のブレイクは見事な演技をしており、ファンとしては少し溜飲が下がりました。最近キャリアが落ち気味で、もう少し頑張って欲しいところ。
=====以下ネタバレ=====
ブレイクの役には不満しかない。現実直視で、実は視聴者の期待と興味は彼女に集まっているのに、安易な設定と最低限の説明だけで、役に説得力がなかった。双子を演じ分けるのに、顔のほくろのことにひとつも触れていないので気になってしょうがない。「タトゥーが一致するから本人」みたいな識別するなら、大胆な保険金詐欺を強調した演出にすればよかったのに。
アナの役にも不満が残る。コメディシーンでいい味を出しており、見る人の共感を得るのに、子供の世話をしているうちにブレイクの夫とも深い仲になるあたりは背徳感が漂い、その辺の葛藤が難しい。「女は複雑なのよ」とか言いたいのなら、まじめキャラは強調してほしくない。ブレイクが死んだ後、彼女のドレスとかバッグ、靴を処分するシークエンスでは、難しい心理描写があるだけに、二面性が上手く表現できてない。
監督にも、ちょっとがっかりした。女性を主人公にした映画を得意とするようで、今回メリッサ・マッカーシーとは組んでいないが、彼女のコメディは好きだっただけに、この顔合わせは新鮮で、新しい可能性に期待した分失望が大きい。
2020.2.19
弱肉強食
サスペンスではないですね・・・
親しくなったママ友が行方不明になり、謎解きに興じることになる主人公の物語。
う~ん、何とレビューして良いか悩むような作品ですね。
サスペンスとしては特筆すべきものはなく、特にラストの展開は雑に感じられ戸惑いを覚えます。
ただ、それでも面白く感じるのは主人公ステファニーの人間性と、それをコミカルに描いているからなのでしょう。
シンママのステファニー。お道化ながらも、他人の目を気にしてすぐに謝ってしまう臆病な女性。
でも、『 狡猾 』
エミリーを親友と呼びながら、その「はっきりとした性格」、「キャリアウーマンの生活」、「素敵な夫」、そして「贅沢な暮らし」を羨望して止まない、妬んで止まない・・・そんな人間。
行方不明になったエミリーの家に上がり込み、そのドレスを着こみ、嬉々として謎解きを始める・・・そんな人間。
そう、エミリーを心配するのではなく、謎解きを『興じる』・・・そんな人間。
この映画は、そんな極めて人間臭いエミリーを時に笑い、時に腐し、時に共感する・・・そんな映画なのだと思います。
女性の好物でしょう
ひゅ〜うっ!アッメリカ〜!
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