劇場公開日 2018年6月1日

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「掴みどころのない心の闇。幻想的なサスペンス。」ビューティフル・デイ 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5掴みどころのない心の闇。幻想的なサスペンス。

2018年6月15日
PCから投稿

悲しい

単純

知的

【賛否両論チェック】
賛:主人公が抱えたトラウマの深さや、それ故の葛藤が、不思議な少女の救出劇を通して描かれていく様に、思わず考えさせられるものがある。
否:物語自体はかなり淡々と進み、想像しないと分からない部分も多いので、好みは分かれそうなところ。

 トラウマを抱え、時々自殺企図をしながらも、家出し傷ついた少女達を救出し続けるジョー。観ている方は、最初はその真意が分かりませんが、ニーナの救出事件を通して、少しずつその理由が明かされていくので、ジョーが抱える痛みの重さに、思わず考えさせられてしまいます。彼の、死ぬことを恐れていないが故の強さや、決してヒーローではないその心理描写も、見事なものがあります。
 半面、ストーリーはかなり淡々と進んでいくほか、ハッキリとは語られずに、
「えっと・・・結局こういうことかな?」
と想像しなければいけない部分も多い印象を受けます。加えて、結構生々しい暴力描写もあったりするので、その辺りは好みが分かれそうなところです。
 とはいうものの、なかなか異色な光を放つサスペンスでもありますので、是非チェックしてみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド