「豊穣な美意識」ビューティフル・デイ にわかさんの映画レビュー(感想・評価)
豊穣な美意識
筋は要約してしまえば単純なものだが
映像、劇伴、そして編集の力で見応えのある、
引っ掛かりを残す作品となっている。
過程でなく結果のカットを積み重ねることで生まれるリズムと緊迫感。
環境音とも楽曲ともつかない心に刺さる音楽。
こうした豊穣な美意識を受け
極力説明的なカットが排除されているのだが、
ここが理解を難しくさせている部分にもなる。
主人公の過去に繋がるフラッシュバックの数々も
およそ推測がつく範疇であるが、
砂漠のカットと狭い部屋でのショッキングなカットは
劇場を出てパンフレットのあらすじを読むまで理解できなかった(そもそもそういう設定であることが劇中で説明されてなかった気が)。
それらを踏まえつつも、
総合的な完成度の高い、鑑賞後の心地よい作品だった。
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